実は敏感肌さんには「美肌菌」が少ない!?
「美肌菌」のはたらきは、主にお肌の「保湿」と「バリア機能の強化」。
表皮ブドウ球菌は肌の潤いを保つグリセリンや、肌を弱酸性にキープしながら雑菌や黄色ブドウ球菌の繁殖を防ぐ脂肪酸を生成し、肌のバリア機能を保っています。いわば体が作り出す天然の保湿クリームのような存在ですね。
また細胞同士を強力に結び付け、高い抗菌作用や免疫力でこの肌バリア機能をさらに強化。つまり美肌菌をきちんとはたらかせれば、ストレスに強い健やかなお肌作りも夢ではないのです。
ここで資生堂が実証した気になる研究結果をご紹介しましょう。それは「美肌菌」が、敏感肌では健康な肌より少ないという新しいデータです(試験では乳酸による刺激に感受性の高い肌を敏感肌とし、乳酸刺激を感じない肌を非敏感肌とする)。
研究で判明したのは、美肌菌が多い肌は「水分量が多い」「赤みが低い」 という事実。美肌菌の少なさが、水分量低下によるバリア機能低下や肌の赤みなど、敏感症状の一因になっている可能性があるということ。つまり美肌菌が少ない肌は、肌を健やかに育む環境が十分に備わっていない状態だといえるのです。
夏から秋への季節の変わり目は気温や湿度の変化が大きいせいで、皮脂分泌量も大きく変化します。真夏には汗をかいて潤っていた肌が急激に乾燥し、人によっては秋の花粉アレルギーにより肌の機能が低下するなど、美肌菌が増えにくい環境に。
今からでも遅くない「美肌菌」を育てるためのスキンケアで、季節の変わり目や肌トラブルにも負けない健やかなお肌を目指しましょう。
「美肌菌」を育てよう!①しっかり洗顔&たっぷり保湿ケア
「"美肌菌"は誰もが持っていて、自分の肌を潤わせて守る役割を果たしてくれる天然の、しかも自分のためだけの美容液のようなもの。美肌菌のケアをすることで、敏感肌の方も、より美しい肌を目指すことができます」と慶田先生。日々の生活習慣の中でだって、美肌菌が育つ環境を充分整えていくことができるんですよ。
まず洗顔は、汚れや皮脂をきちんと落とすことがポイント。表皮に古い皮脂を残せば酸化が進み、悪玉菌の増殖につながってしまいます。
ただし、洗顔後にひりひりと肌が突っ張るほどの強い力で洗うのはNG。低刺激設計の洗顔料を選びきちんと泡立てたら、ぬるま湯で丁寧にやさしく洗いましょう。
洗顔後のケアは、表皮ブドウ球菌を増やすため、適度に肌が潤った状態を作ることがポイント。つまり1にも2にも、保湿が重要だということ。
夏場はついつい保湿を怠ってしまいがちですが、そのせいで湿度が下がる秋に急にカサつき肌になる人も多いので、しっかり保湿ケアをおこないましょう。
さらに近年はdプログラムスキンケアシリーズ(資生堂)やジェニフィックシリーズ(ランコム)、菌トレシリーズ(SiNTO)など、「美肌菌」に着目したスキンケアアイテムも増えてきました。気になる人は、まずはトライアルからスタートしてみてくださいね。
②バランス◎な「地中海式」食生活&こまめな「汗活」
「美肌菌」を作るには外からだけではなく、体の内側からのケアも大切です。
ニキビのもとにもなるアクネ菌の過剰な増殖を抑えるには、タンパク質豊富な魚や肉、大豆などの豆類を積極的に。さらに抗酸化物質であるビタミンA、C、Eやポリフェノール類をふんだんに含むトマト、ナス、ズッキーニ、スイカ、キウイなどの野菜や果物をバランスよく取り入れましょう。最近では「地中海式」とも呼ばれ、高い健康効果が期待されていることでも話題ですよね。
また肌の水分量を高めるには、セラミドやコラーゲンといった肌の水分キープを助ける成分の摂取がおすすめ。スキンケア商品はもちろん、これらを食べて体内に入れることで皮膚の保湿成分の合成をうながすスイッチが入り、角層の水分量が高まる効果が期待できます。
セラミド入りヨーグルトやセラミド含有量が多い生芋こんにゃくを食べたり、これからの季節はお鍋などで肉や魚のコラーゲンを効率よく摂取するのもいいですね。
食事以外の日常生活でも、美肌菌を増やすヒントはたくさん。ストレッチやランニングなどの軽い運動をしたり、シャワーはやめてバスタイムは湯舟に浸かるなど「汗をかく」習慣をつけると効果的です。
汗をたくさんかくことでエクリン汗腺が活性化し、臭いのない水のようなサラッとした汗へと変化。これは肌をかぶれさせることなく、保湿に役立つ質のいい汗なんですね。
ただし42度以上の長風呂は肌のバリア成分が流れ出しやすくなり、逆に乾燥しやすくなるので注意しましょう。
「美肌菌」のはたらきと育成ケアについてご紹介しましたが、いかがでしたか?
マスク生活はもちろん、乾燥や外的ストレスなど私たちの身のまわりはお肌の天敵だらけ。「美肌菌」を味方につけることで、肌は自らの力でダメージを克服し、より健康で美しい肌へとステップアップすることができるのです。
普段の生活に取り入れやすい「美肌菌」育成ケア、ぜひ明日からの習慣にしてみませんか。
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