折り紙のように作る、紙でできたカミソリって!?
旅先のホテルや温泉、近所の銭湯などで、よく目にするカミソリ。ほとんどがプラスチック製と考えると、SDGsの観点からも使い捨てがちょっと気になる、という人もいるではないでしょうか。
KAIグループのつくる製品では、カミソリだけでも年間で約1,900t、25mプールで換算すると約5杯分ものプラスチックが消費されてるそうです。貝印では、約30年前から生分解性プラスチックの使い捨てカミソリの販売をしてきた流れを受け、さらに昨年「2030年までにディスポーザブルカミソリの分野でCo2排出量換算半減を目指す」と宣言するなど、プラスチック排出量削減の取り組みや、エコな世の中の実現とSDGsの達成に向けた動きを加速させています。
そんななか開発されたのが、世界初の商品化を目指す紙でできた「紙カミソリ™️」です。
ハンドルに紙・刃体に金属を使用している「紙カミソリ™️」。刃のついた紙を折り順どおりに折って組み立てると、3ステップほどであっという間にカミソリのできあがり。持ちやすい・そりやすい角度にもこだわって開発されたそうで、実際サンプルを手に取ってみると、三角すいの持ち手は自然と親指・人差し指・中指で持ちやすい形状で、しっくりと手になじみます。
組み立てる前は1枚の紙なので、旅行や持ち運びにもガサばらないし、捨てるときも持ち手は紙ゴミとして廃棄できるのだとか。
ゲストのお二人に「紙カミソリ™️」について伺ってみると…
「よく旅をするのですが、紙製の組み立て式なら、薄いし軽いし、持ち運びにも便利ですよね」(夏木さん)
「私も旅が多くよくホテルも利用しますが、アメニティのカミソリが全てこれに替われば、プラゴミの量はかなり減りますよね。このような企業努力が、消費者の意識も変えるきっかけになると思います」(冨永さん)
さらに紙だからこその、デザイン性の高さも魅力です。もしお二人がデザインするとしたら、どんなイメージでしょうか?
「私はやっぱり大好きな“赤”にしますね。でも紙だったら、いろんなカラーにできるから、デートの日はパステルにしたり、戦闘モードの日は赤にしたりと、その日の気分で色を楽しめそうですよね」(夏木さん)
「和柄ですね。"鬼滅の刃"が大好きなので…(笑)、アニメキャラとコラボしたカミソリもおもしろいですよね。」(冨永さん)
夏木マリさんとのコラボレーションは、紙でできたハサミ!?
続いては、貝印と夏木マリさんのコラボレーション製品の紹介です。脱プラスチックを目指し、紙素材と最小限のステンレスで構成された「MARI KAMI HASAMI(マリカミハサミ)」。ハサミの切れ味はそのままに、紙として捨てられるのが特長です。また、見た目にも華やかな赤いカラーは、夏木さんが取り組む、バラの購入を通じて途上国の子どもたちを支援する社会貢献活動「One of Loveプロジェクト」にちなんでいるそう。柄にはプロジェクトロゴも記されています。
「今回は文具と園芸用、2種類のハサミを作りました。日常で使うものこそいいものにこだわりたいから、文具用はご家庭でも使ってほしいですし、園芸用はお花屋さんに使っていただくことを夢に見ています」と夏木さん。
初めて製品を手にした冨永さんも「本当に紙なのかな? というぐらいしっかりした硬度です。質感も紙でできているからか、優しい感じがします」とお話ししていました。
冨永愛さんとのコラボレーション製品は、アイブローツール
そして、冨永さんとのコラボレーション製品は、「AI brow tool pen(アイブロウツールペン)」。片側には交換式のアイブローレザー、 反対側はそれぞれ毛抜きとハサミをスライドで取り出すことができるビューティーツールで、素材は生分解性プラスチックを使用し、環境に配慮しています。
世界の妊産婦と女性の命と健康を守る活動するNGO「ジョイセフ」のアンバサダーを務め、人権擁護の支援をおこなう冨永さんはジェンダー問題にも関心があるそうです。
「今の時代は“ジェンダーレス”がキーワード。その観点から、どんな人でも使えるように意識しました。男女問わず持ちやすいカラーバリエーションや、肌触りの良さといった質感もこだわっています。ポーチに入れられる大きさだったり、アイブローレザーの刃はリフィルを交換して使えるので、長く使用できるのもいいですよね」(冨永さん)
ゲストプロフィール
夏木マリさん
73年歌手デビュー。80年代より演劇にも活動の場を広げ、芸術選奨文部大臣新人賞などを受賞。
93年からコンセプチュアルアートシアター「印象派」で、身体能力を極めた芸術表現を確立し、国外でも高い評価を得て、2017年パリ ルーヴル美術館公演でも成功をおさめた。09年パフォーマンス集団MNT(マリナツキテロワール)を立上げ主宰。その功績に対しモンブラン国際文化賞を受章。同年、バラと音楽の支援活動「One of Loveプロジェクト」を設立し、社会貢献活動にも従事。2021前期、NHK連続ドラマ小説「おかえりモネ」が控える。
冨永愛さん
17歳でNYコレクションにてデビューし、以後、世界の第一線でトップモデルとして活躍。
モデルの他、テレビ、ラジオ、イベントのパーソナリティなどさまざまな分野にも精力的に挑戦。
日本人として唯一無二のキャリアを持つスーパーモデルとして、チャリティ・社会貢献活動や日本の伝統文化を国内外に伝える活動など、その活躍の場をクリエイティブに広げている。
公益財団法人ジョイセフ アンバサダー、エシカルライフスタイルSDGs アンバサダー(消費者庁) 。
エコバッグ、マイボトル、紙ストローなど、環境問題への認識は少しずつ高まりを見せています。今回ご紹介した「紙カミソリ™️」のように、日常的に何気なく使っている製品が環境に配慮したものになると、1人1人の意識にも自然と影響するのではないでしょうか。夏木さんと冨永さんのコラボレーションアイテムは、まだ商品化の段階にはないそうですが、環境にもよくて見た目もおしゃれなツール、ぜひ使ってみたいですよね!
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