「子ども一人につき教育費はいくら貯めればいい?」家計の悩みにプロが分かりやすく回答します!

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2020.12.07

「子どもが生まれたら教育費は1人につきいくら貯めればいいの?」と気になる方もいるのではないでしょうか。 今回は、家計簿・家計管理アドバイザーのあきが「子どもひとりに必要な教育費のための貯金」について紹介します。 子どもの教育費が心配な方は参考にしてみてくださいね。

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教育費は子ども一人につきいくらかかる?

 

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子どもひとりにかかる教育費はいくら?と気になる人は多いかもしれません。

結論からお伝えすると、子どもひとりにかかる教育費は、「幼稚園から大学まで私立、大学のみ私立」など「どのような進路を希望しているか」によって異なります。

簡単な教育費の例を挙げてみましょう(※1)。

(公立)

  • 公立幼稚園 22万3,647円
  • 公立小学校 32万1,281円
  • 公立中学校 48万8,397円
  • 公立高等学校(全日制) 45万7,380円
  • 国立大学 81万7800円(授業料53万5800円 入学金(初年度)28万2000円) 

(私立)

  • 私立幼稚園 52万7,916円
  • 私立小学校 159万8,691円
  • 私立中学校 140万6,433円
  • 私立高等学校(全日制) 96万9,911円
  • 私立大学 133万6033円(授業料 90万4146円 入学金(初年度)24万9985円 施設整備費18万1902円)

※1 引用元:文部科学省「平成30年度子どもの学習費調査」、文部科学省「私立大学等の平成30年度入学者に係る学生納付金等調査結果について」

例えば、幼稚園は私立、小学校、中学校、高校は公立、大学は私立を選択した場合にかかる教育費は…というと以下のようになります。

私立幼稚園 158万3,748円
公立小学校 192万7,686円
公立中学校 146万5,191円
公立高等学校(全日制) 137万2140円
私立大学 459万4,177円
合計 1094万2,942円

条件のような進路を選択した場合は、子どもひとりにつき、約1100万円の教育費が必要になることが分かります。

なお、幼稚園から大学まで全て私立を選択すると、子どもひとりにつき、約2300万円の教育費が必要になります。
 

貯めておきたい教育費の金額は?

イメージ画像出典:www.photo-ac.com

幼稚園から大学まで全て私立を選択すると、子どもひとりにつき平均的に2300万円かかると聞くと、気が遠くなってしまう人もいるかもしれませんね。

でも、幼稚園から大学まで全ての教育費を貯金で賄う必要は、実はないのです!

一般的な家計管理として、子どもの教育費として貯金を崩す必要があるのは「子どもが大学在籍時の費用のみ」と考えておくと安心です。

なぜなら、幼稚園から高校まで全ての教育費を貯金で対応しようと思うと無理がありますし、それほど長期間赤字が続いてしまう家計は、貯金をすべて使い果たすだけでなく借金まで背負ってしまうかもしれないからです。

高校までの家計のやりくりは貯金を崩さずやりくりし、高額になりやすい大学の費用のみ貯蓄を充てるといったやりくりを心がけると、健全な家計管理ができますよ。

そう考えると、子どもひとりにつき貯めておきたい貯蓄額は「公立大学進学希望時は約250万円、私立大学進学希望時は約460万円」をひとつの目安と考えることができます。余裕をもって「公立大学進学希望時は約300万円、私立大学進学希望時は約500万円」と考えてもよいかもしれません。

高校卒業までに、子どもひとりにつきおおよそこれぐらいの貯蓄をしておくと安心ですね。

一人暮らしを希望する場合や、医歯系学部などを希望する場合などは、さらに別途貯蓄が必要になりますので注意しましょう。

 

教育費が貯まらないと感じたら


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子どもひとりにつき貯めておきたい貯蓄額は、「公立大学進学希望時は約250万円、私立大学進学希望時は約460万円」、余裕をもって「公立大学進学希望時は約300万円、私立大学進学希望時は約500万円」と考えると、「大学進学までに、とても貯められない」と感じる方もいるかもしれません。

そのような時は、できるだけ早期に家計の見直しをすることをオススメします。

お子さんの教育費は年々増加するのが普通ですので、お子さんが小さいうちにしっかり貯蓄をしておかないと、高額な学費を支払った上に大学費用を貯める必要がでてきてしまい、思うように貯蓄がはかどらないといった問題が起こる可能性が高まってしまうのです。

もしも大学進学までに貯蓄が間に合わないと思ったら、現在支払っている学費分は貯蓄目標を引き下げるという方法も有効です。

大学までに貯蓄したい金額が500万円であっても、現在私立高校に通っており、年間約100万円ほど学費を支払っている場合、大学進学時には高校に支払っている学費と同額までは支払いが可能とみなしてもよいでしょう。

私立大学の初年度の入学金を除いた教育費の平均は約109万円ですから、高校の学費3年分100万円を引き、9万円×4年間で36万円の貯蓄と入学金の約25万円を足し、約61万円の貯蓄を目標とするといった具合です。

公立高校に通っているなら、公立高校の学費は平均年間約46万円ですから、同じく年間46万円は大学の費用に支払えるとみなし、私立大学の初年度の入学金を除いた教育費の平均約109万円から46万円を引いた63万円×4年間に入学金の約25万円を足した277万円を貯蓄目標とします。

貯蓄目標を下げずに貯蓄ができれば安心ですが、貯蓄する余裕がないと感じる時は上記のような考え方も一つの方法です。

 

意外とかかる教育費


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今回の内容から、子どもをひとり育てるための教育費の貯金は、どのような進路を希望するかによって大きな差が出ることが分かりますね。

幼稚園、小学校、中学校、高校、大学と、進学時には身の丈以上の進路の選択をしないように気をつけながら、お子さんの希望を最大限尊重した進路の選択ができるよう、お子さんが小さい時から準備をすることが大切です。

なお、お子さんの教育費の他にも、その他住宅や老後の貯蓄も別途行う必要があることも忘れないようにしてくださいね。

文/あき(2年間で350万貯めた!ズボラ主婦の節約家計簿管理ブログ
 

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著者

あき

あき

東京都在住。夫、子供3人の5人家族。家計簿&家計管理アドバイザー。 節約主婦として日本テレビ「ヒルナンデス」、NHK「人生レシピ」フジテレビ「バイキング」などに出演。著書に「あきの新ズボラ家計簿(秀和システム)」他。 もともとは超がつくほどの現金主義だが、最近はほぼ全額キャッシュレス決済。ポイ活や家計簿アプリにも詳しい。

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