パジャマや古着、Tシャツ、短パン……緩みがちな親の姿に子どもが感じることは?
在宅ワークの導入などによって親子が家で過ごす時間が増えました。ユニクロが100人の小学校高学年の子どもに行った調査によると、自宅での親の服装は 「ルームウエア」50 人、「Tシャツ・短パン」27 人、「ジャージ」26人と、自宅ではゆったりとした服装で過ごしていることがわかります。また17人が「パジャマ」を、13人が「古くなった外出着・着なくなった外出着」を部屋着にしているという回答もありました。
また「お父さん、お母さんに着て欲しい部屋着」について聞いたところ、最も多かったのは「清潔感がある」という回答が! 2人に1人の子どもが、親の部屋着に「清潔感」を求めていることがわかりました。16人が「友達に見られても恥ずかしくない」、「オシャレ・ デザインが良い」と答える子どももいて、「見栄え」も重要のようです。
親の部屋着について、14 人が「どちらかというと嫌い」と回答し、嫌いな理由として 「おしゃれじゃない」を理由に上げている子も……。おしゃれな部屋着を選ぶのも子どもとの良好な関係を築くのに必要なことなのかもしれません。
だらしない服装はNG!どんな部屋着を選べばいい?
子どもの本音が分かる調査結果でしたが、私たちはどんな部屋着を選べばいいのでしょうか? 神奈川大学教授、心理相談センター所長の杉山崇先生に、コロナ禍での服装選びのポイントを教えてただきました。だらしない恰好で子どもを叱っても、反発されることもあるようですよ……。
子どもと一緒に動きやすい服を
「親子関係は自己心理学では、①鏡映的自己対象(褒められて嬉しい関係) ②理想化自己対象(理想化して尊敬する関係) ③双子自己対象(双子のように遊ぶ関係)の3つの親子関係に分類できます。
長い時間を一緒に過ごすことで③の友達のような関係性を築くことができたのではないでしょうか。親子が家の中で一緒に動けて、遊べる服を選ぶと良いかもしれませんね。」
子どもを叱るときは大人もきちんとした格好で
「幼稚園で実施した実験では、 GパンにTシャツのようなラフな服装の人の言葉より、紺・黒のスーツを着た人の言葉に子どもたちは従いました。大人が思う以上に、子どもは親の存在感を大きく感じていて、服装を見ているのです。
実は服装の選び方一つで関係性は違ってきます。だらしない恰好で言われても、反発が生まれて言うことは聞いてくれません。子どもを叱る際は、②の関係性を意識して、だらしない恰好ではなく清潔感のあるアイテムを選び、ジャケットを羽織って「勉強しようね」とやさしく諭してみましょう。」
部屋着は切り替えのスイッチ。 服装を選んでオン・オフの切り替えを
「服装は自分というアイコンをつくるアイテムであり、自分を切り替えるスイッチにもなります。テレワーク中はテレビ会議の相手を意識していますが、実は家族への意識も大事です。テレワーク中に子どもが乱入するなどのエピソードを良く聞きますが、服装で仕事の空気感を出すことで、子どもに話しかけてはいけない時間であることを示したり、逆に声をかけて良い時はリラックスした服装にするなど部屋着を選んでみてはいかがでしょうか。」
部屋着一つで子どもとのコミュニケーションにも影響があることが分かりましたね! 家だからといって緩みすぎたかも……と思った方は、ぜひ今後の参考にしてみてはいかがでしょうか?
教えていただいたのは……神奈川大学人間科学部 人間科学科教授 杉山崇先生
神奈川大学教授、心理相談センター所長。臨床心理士。公益法人日本心理学会代議員。1994 年より精神科、教育委員会、企業メンタルヘルス などの心理職を勤め、日本学術振興会特別研究員などを経て現職。脳科学と心理科学を統合した次世代型の心理療法・心理検査の開発を 手掛け、厚生労働省の事業では委員も務める。『ホンマでっかテレビ(フジテレビ)』『ニュース9(NHK)』などテレビ出演も多数。新刊『許す 練習(あさ出版)』も好評。
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