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【専門家に聞く】勉強しないでゲームばかり!わが子イライラしたときの対処法は「ゲーム禁止」ではない

家族・人間関係

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 【専門家に聞く】勉強しないでゲームばかり!わが子イライラしたときの対処法は「ゲーム禁止」ではない

2020.11.28

家に帰ってくると、荷物も放りっぱなしで寝転がってゲームばかりしている子どもにイライラしていませんか。宿題に取り掛かるわけでもなく、だらだらしている姿を見ると「いい加減にしなさい」「ゲーム禁止!」と言いたくなるのもうなずけます。でも、親が禁止してもあまりいいことはなさそうです。 こんな時、どのように対応したらいいのでしょうか。子育てアドバイザーであり、育児情報誌の編集長を長年務められてきた高祖常子さんにお話しを伺いました。

なぜ私はゲームばかりする子どもにいら立つのか?

家に帰ってくるなり、寝転がってゲームばかりしている子どもの姿を見ると、本当にイラっとしますよね。でも私は、なぜそんなにイラっとするのでしょうか。

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たとえば、自分も、家事を終えたり、一仕事終えると、一段落。寝っ転がったり、ぼーっとしたりすることありませんか。でも、やっぱり、子どもやパートナーのそのような態度を見ると、なぜか腹立たしくなってきます。

このとき、私はなぜこんなに苛立つのだろうと考えてみましょう。
講座では「怒りは第二次感情」とお伝えしています。私の怒りの、ひとつ前の気持ちに注目してみるということです。怒りの一つ手間の気持ちとして、怒りや不安、悲しみや疲れなどがあります。

「私」としての気持ちを考えてみましょう。
子ども自身に対する心配は、以下のような怒りや不安があるでしょうか。
・だらだらゲームばかりして、自分で時間のコントロールができないのか?
・早く宿題をしないと、夜寝るのが遅くなったりして困るのでは?
・そもそも宿題の中身がわからなくて、やりたくないの?

私自身へのこととしては以下のような悲しみや疲れがあるでしょうか。
・なぜ私ばかりが、家事や子どもの対応をしているのか?
・私も疲れているのに、子どもがごろごろしている姿を見ると、イライラする。

こんな風に、自分の怒りはなぜ起こっているのかを客観的に考えて、ちょっと整理してみましょう。

子どもとコミュニケーションを取り、気持ちに寄り添ってみる

では、子ども自身はなぜ、帰ってきてすぐに寝転がってゲームばかりしているのでしょう。
これはぜひ、子どもに問いかけてみていただければと思います。

たとえば、以下のようなことがあるかもしれません。
・友だちとの会話についていけなくなるからゲームをしている。
・通学で疲れているから、寝っ転がる姿勢がラク。
・友だちや先生とうまくいってない。ゲームに逃避しつつ、心を整えたい。
・宿題は大したことないから、さっと終わる予定。先にゲームをしないと気になって宿題に集中できない。

もっと他にもあるかもしれません。子どもの気持ちは、子どもに問いかけなくてはわからないことですね。でも、親としても、いろいろな方向から可能性を考えてみるといいでしょう。

子どもにどのように問いかけるか?

問いかけるとき、「問いかけ方」もとても大事です。
「なんでゲームばっかりやってるの!?」という感じで、聞いてないでしょうか。声のトーンなどにもよりますが、これはややアグレッシブ、怒りのコミュニケーションです。
子どもは責められていると感じ、心を閉ざしたり、「うるせーな」なんて逆攻撃的な返事をするかもしれません。

そもそもゲームに夢中になっている最中に「いつまでゲームやってるの!宿題どうするの!」と言っても、これは、問いかけにはなりません。「毎日のように帰ってくるとゲーム」ということに私が苛立ちを感じているなら、落ち着いたタイミングで、聞いてみましょう。
「ねえ、最近帰ってくるとすぐに寝転がってゲームしているよね。宿題するのが遅くなるんじゃないかと心配なんだけど、どんなスケジュールでしようとしてるのか教えて」という感じです。

上記の問いかけは、以下のようになっています。
現状確認:「ねえ、最近帰ってくるとすぐに寝転がってゲームしているよね」
I(アイ)メッセージ(私はこんなことを心配している):「宿題するのが遅くなるんじゃないかと心配なんだけど」
子どもの考えや意見を聞く:「どんなスケジュールでしようとしてるのか教えて」と、子ども自身の予定を聞いてみる。
または
「最近何か困ったことあった?」と、逃避のためにゲームしているなら、その困りごとを聞いてみるなど。

日常的に、忙しい時などはなかなか難しいこともありますが、ちょっと心がけて上記のような言葉がけを試してみましょう。

子どもを信じて自主性を応援する

見出しに「子どもを信じて自主性を応援する」と書きましたが、これがとても難しいですよね。いろいろ言いたくなるのは、子どもが困らないようにと心配だからです。そのような気持ちを親が持つことは悪いことではありませんし、素晴らしいことですよね。

でも、ゲームを取り上げて「宿題が終わってからじゃないと、ゲームをしてはダメ」などと、怒鳴りつけたり子どもをコントロールするような言葉がけばかりしていると、子どもは自分で考えたり、計画を立てたり、行動することができなくなってしまいかねません。

子どもの考えや気持ちを尊重しながら、子ども自身が出した方法を応援しつつ、時にはほかの方法や選択肢を示したり、アドバイスするというようなかかわり方を心がけてみてはいかがでしょう。

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著者

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高祖 常子

子育てアドバイザー、キャリアコンサルタント。資格は保育士、幼稚園教諭2種、心理学検定1級ほか。 NPO法人ファザーリング・ジャパン理事、ほか各NPOの理事や行政の委員、「体罰等によらない子育ての推進に関する検討会」(厚生労働省)構成員(2019年)も務める。子育て支援を中心とした編集・執筆ほか、全国で講演を行っている。著書は『こんなときどうしたらいいの?感情的にならない子育て』(かんき出版)『男の子に「厳しいしつけ」は必要ありません! どならない、たたかない!で才能はぐんぐん伸びる』(KADOKAWA)など。3児の母。