「褒めて」って言われても何を褒めればいいのかわからない
本やネットの記事で最近よく見かける「褒め育て」。
厳しく叱る教育から褒めて伸ばす教育に変化し、学校の先生から「おうちでも褒めてあげてください」と言われる機会も増えているようです。
ですが、親御さんからはこんな声をよく聞きます。
「よくないところばかり目について、褒めるところが見つからない」
「今さら褒めても気持ち悪がられてしまう」
「褒められた経験が少ないから褒め方がわからない」
たしかに突然「褒めてあげて」と言われても難しいですよね。
褒めポイントの見つけ方、褒めるきっかけの作り方を紹介していきます。
子どもを褒めてあげたいとき、思い出したい考え方
「褒めようとする」のではなく「変化に気づく」
「褒める」と聞くと、どんな言葉が浮かびますか?
「いい子だね」「~ができて偉いね」「よく頑張ったね」
こんな言葉を思い浮かべる方は多いのではないでしょうか。
たしかに褒め言葉として有効ですが、もう少しバリエーションを増やしたいところ。
「褒めようとする」と思いつかなくなるのですが、「変化を見つける」視点に切り替えてみてください。
- いつもはなかなかゲームを終えられないけど、今日は少し早く終えられた。
- 以前は好き嫌いばかり言っていたけど、最近は食べる量が増えてきた気がする。
- 今日はご機嫌なのか、妹に優しいな。
いつも同じに見える子どもの姿も、よく観察してみると日によって場所によって異なるものです。
まずは「いつもとちょっと違うこと」に気づき、その変化を率直に伝えてみてください。
そのとき、褒める側の気恥ずかしさから「いつもは全然できていないけど」と言ってしまいがちですが、そこはぐっとこらえるのがポイント。
「ゲーム片付けるの早かったね!」
「最近食べられるもの増えてきたね」
「妹に譲ってあげる姿見て、お母さんも嬉しい気持ちになったよ」
短い言葉で率直に、できたことをフィードバックしたり、嬉しい気持ちを伝えるのがおすすめです。
頼みごとをして「ありがとう」を伝える
褒め上手な親御さんの中には、褒める機会を親から作る方もいます。
例えば
- 一緒に買い物をした際、荷物を持つのを手伝ってもらう
- スマホや電子機器の操作方法を教えてもらう
- 洗濯物を取り込む、郵便物を取ってくるなどの手伝いを頼む
ちょっとしたお手伝いを頼み、「ありがとう。助かったよ。」と声をかけるのも”褒め”のひとつ。
子どもの得意な作業や、ぎりぎり嫌がらずに引き受けてくれそうな手助けを頼むのがおすすめです。
他の子と比べるのではなく、1年前の本人と比べる
「褒める=他の子より秀でている」と考えてしまうとなかなか褒めポイントが見つかりません。
また、「誰かと比較して怒るのはよくないけど褒めるときはよい」と認識している親御さんは多いですが、そうでもありません。
子どもの頃から他の子と比べられ続けると、大人になっても自分と誰かを比べることでしか自分に価値が見いだせなくなります。
近くにいると気づきにくいですが、1年前と比較すると子どもの変化や成長はたくさんあると思います。
写真や日記を見て当時を思い返すと、親が子どもを叱る内容も子育てに関する悩みも異なる方がほとんど。
世間と比べるのではなく、過去の本人と比べて成長を褒める関わりが増えると、大人になったとき、自分で自分を褒められるようになります。
「1年前のこの時期は、夏休みのスケジュール一緒に立ててたけど今年は1人で計画できたね」
「前は毎朝3回くらい起こさないといけなかったけど、最近は自分で起きてこられる日もあるね」
「去年はどんなことで注意していたかな」から思い出し、できているところを伸ばしていけるといいですね。