親子の会話時間を増やすために、ご近所散歩+α
本間先生:家庭でももちろん会話はできるのですが、家庭の中はどうしても、ルーティーンが固定化されてしまっていて行動パターンが同じになってしまっています。そこでは見ている景色も同じで、情報量が限られているので、会話もパターン化されたものになってしまいがち。ご近所を散歩するくらいであれば、3密を避けて可能ですよね。一歩踏み出すだけで変化はあります。
門川さん: 普段の通学路であっても、今ゆっくり歩いてみるとまた見え方も違うかもしれませんね。
本間先生:そうです。よく「うちの近所なにもないんです」っておっしゃる方がいるんですけど、なにもないなんてことはないはずですよ。草花が咲いているかもしれない。近所で犬を買っているかもしれない。鳥が飛んでいるかもしれない。季節によって匂いが違うかもしれない。家の中から出るとたくさんのものがあります。
普段、自宅から学校や駅まで目的のために歩いているだけでは目に入っていない情報がどんどん入ってきます。知ったつもりになっていた「近所」を探索することはとても楽しいですよ。
私のお勧めは、小学生くらいのお子さんであれば、ぜひ一緒にNHKのブラタモリを見てみて、町歩きの時の視点。見方に触れてみることです。その上で、「ご近所をブラタモリしてみようか?」と言う感じで一緒に歩いてみると、「あれ?こんなところに暗渠(地下に設けられた水路)がある」とか「このあたりこの名字が多いな?」とか、いろんな気づきがえられるかもしれません。
門川さん:なるほど。確かに僕もそうでしたけど子どもってごっこ遊び好きなので、「ブラタモリごっこ」にしちゃえば楽しそうですね。
親子の会話を楽しむための工夫
本間先生:親子の対話、会話、と言ったって、食卓を囲んで「最近勉強はどう?」なんて聞いたって楽しい会話にはならないんですよ。でも不思議と歩きながら話していると、家庭の中ではしないような会話が出てくるんですね。ブラタモリは一つのアイディアですが、一緒に歩きながら話すと言うことに意味があります。ただこれも何日もやっていると飽きてくる。そこでバリエーションをつけようと。一番簡単なのが「しりとり」です。
門川さん:散歩しながら「しりとり」!
本間先生:「しりとり」ってね。家で座りながらやるとそうでもないんですが、歩きながらやると弾むんですよ。 もちろん親の方がボキャブラリーが豊富なので、そこはハンデをつけると良いですね。例えば親は「5文字以上じゃないとダメ」とか。「食べ物じゃないとダメ」とか。「言葉の途中に「ん」が入る言葉じゃないとダメ」とか。そうすると意外と良い勝負になりますよ。さらにはそこで子どもが知らない言葉が出てきたら、それについて説明するきっかけになる。
門川さん:なるほど。そういえば、この在宅生活が続く中で、「子どものボキャブラリーが減った」と言う声も聞いたことがあります。
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