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74歳の母から父の愚痴ばかり聞かされる。母の幸せのためにもどうしたらいいのか…。#お悩み相談

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 心理カウンセラーうさこの「心を軽くする考え方」

2022.06.17

心理カウンセラーの古庄由佳です。カウンセリングに来てくださる方には「うさこさん」と呼ばれています。 自分の心に蓋をして、我慢を続けて生きるのはとてもしんどいですよね。最近はスマホやSNSのおかげで情報が溢れてすぎているためか「自分の考え方がおかしいのかも」「私だけじゃないし」とガマンしてしまっていることもあるようです。自分の人生をHappyにするかどうかは自分が決めると信じて、皆さんのお悩みに答えます。

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特集:親も子も幸せになるための「子育て」

相談:74歳の母から父の愚痴ばかり聞かされる。母の幸せのためにもどうしたらいいのか…。

悩む女性出典:stock.adobe.com

(東京都 41歳 ゆっこ)

夫と8歳の娘の3人暮らしです。
今回ご相談したいのは、74歳の母のことです。

母は父と二人で暮らしなのですが、驚くほど仲が悪いです。
父は家事はできますが雑だったり、トイレのあとに手を洗わなかったりするところが母は嫌で、指摘しても父は意見を聞かないので、ケンカになってしまうようです。
ちなみに私が父に言っても聞く耳持たず…。

今では父と一緒に暮らしたくないと言い、私が母と会うと愚痴ばかり。
会わなくても数日に1回は電話で愚痴を1時間ほど聞かされ、私のストレスもたまっています。

母もいい年齢になってきたので、このままずっとツライ思いをしてほしくないと思っています。
どうしたらいいか、何かアドバイスありましたらお願いします。

「私」が解決してあげなくても大丈夫

回答

お母さんがしんどい思いをしているのは、家族にとっても辛いことですよね。なんとかしてあげたいと思うお気持ちになるのも当然だと思います。
 
そんなゆっこさんに、とっておきの魔法の言葉をプレゼントさせてくださいね。
それは……「お母さんの問題は、私が解決してあげなくても大丈夫」です。
 
「え!?そんな無責任な……薄情な……」と思われるでしょうか。でも、実はこれは、大きな愛と信頼があってこその言葉なんです。
 
この意味を説明する前に、お悩みについて見てみましょう。
 
お母さんはお父さんの雑さが嫌で、直してほしいのですよね。だとすると、お父さんを否定して、説得しようとする行為は、残念ながら逆効果になってしまいそうです。
 
たとえば、親に「勉強しなさい」と言われて「やろうと思っていたけど、やりたくなくなった」なんてお子さんの話はよく聞きます。相手の言うことが大切なことだとわかっていても、今の自分を否定されたと感じると、つい反発したくなるものなんですよね。
 
人は変えようとされると、抵抗したくなるもの。そして、問題は、問題視するほど、大きくなっていくもの。
 
私たちは、「問題がなくならなければ、幸せに生きられない」という思い込みから、つい問題だと感じることに注目し続けてしまいがちです。でも、「他人の行動」って、自分にはコントロールできないもの。その不確かなものに自分の幸せや快適さを委ねる生き方は、どうしてもストレスがたまってしまうんですよね。
 
だからこそ、冒頭でお伝えした魔法の言葉を自分に言ってみてあげてほしいんです。
 
「お母さんの問題は、私が解決してあげなくても大丈夫」。これは、「お母さんは自分で自分を幸せにできる人」とお母さんの本来のチカラを信じる言葉です。と同時に、「私がお母さんの役に立てなくても大丈夫」と自分自身を信頼する言葉でもあります。
 
だって「私がお母さんを幸せにしてあげなくちゃ!」と背負いすぎることは、逆に「お母さんは自分で自分を幸せにできない人」と信じることになってしまいますから。
 
まずは、ゆっこさんご自身が「お母さんを幸せにしてあげなくちゃ」という思いを手放してみてください。そして、問題に注目するのではなく、ゆっこさんご自身をご機嫌にすることを大切にしてみてください。
 
これが自分で自分を幸せにするチカラです。その姿は、きっとお母さんにも伝わり、お母さんが本来持っている自分で自分を幸せにするチカラを思い出させてくれるはず。お母さんが、お父さんの嫌な部分ではなく、人生を楽しむことに注目し始めたら……お父さんだって意地になる必要がなくなっちゃうかもしれませんよね。
 
とはいえ、愚痴を言うのもお母さんなりのコミュニケーションかもしれません。「私がんばってるのよー」と褒めてほしいところもあるかもしれません。だとしたら、これからも愚痴を聞く機会はあるかもしれませんが、でも、「私がなんとかしてあげなくちゃ」を手放したゆっこさんなら、きっとこれまでとは違った感覚でお母さんの話を聞いてあげられるのではと思います。
 
「目の前の人は大丈夫」そう信じて接することは、実は私がカウンセラーとしてお話をお聞きする時に大切にしていることでもあります。相手にとっても自分にとってもいい影響を与えてくれる考え方です。よかったら試してみてくださいね。

 

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著者

古庄由佳さん

古庄由佳(うさこ)

17歳の頃に、徐々に視機能が失われていく難病であると診断される。病気に負けず頑張りたいのに、体も心も人間関係もどんどん壊してしまう。そんな生きづらさから、心のことを学び始める。2012年より、心理カウンセラー、セミナー講師、心理スクール講師として活動。自分との仲直りをテーマに、本来の魅力や才能を解き放っていく心理カウンセリングの他、病気からのサインを受け取り、本来の自分らしい人生を取り戻していく卒病カウンセリングも好評。20年近く住んでいた東京を離れ、2019年に福岡県糸島市に移住。著書は「心屋流 戦わないで生きていく」「心屋流 がんばらないレッスン」(ともにPHP研究所)。

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