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ゲームで負けると泣いてしまう子ども。「勝ち」にこだわる理由から読み解く“子どもへの対処法”

家族・人間関係

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2022.06.24

臨床心理士・公認心理師のyukoです。子どもが成長していく中では、ゲームやスポーツを通して勝つ嬉しさ、負ける悔しさを体験していきます。ある程度で諦めたり折り合いをつけられるといいですが、勝てなければ、癇癪を起こす・拗ねる・怒ってしまう子もいますよね。どうして負けを認められないのか。「現実を許容する心」を育てていくために大切な関わりを考えていきます。

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特集:親も子も幸せになるための「子育て」

「勝ち」にこだわる理由

勝てないと癇癪を起こしたり、長い時間拗ねてしまったり。
また負けそうになるとゲームを放棄する子もいますよね。
どうして彼らは「負け」を受け入れられないのか、理由は様々。

  • 「勝ち」=強い人、「負け」=弱い人
  • 負けたときの不快感が忘れられない。
  • ”負けた感覚”から切り替えにくい
  • ”ゲームだから”と割り切れない。
  • ”負けるかもしれない”というイメージをもちにくい。

「負けず嫌い」「勝ち気」「頑固」など性格に原因をもっていきがちですが、理由を考えてみると寄り添った声掛けをしやすくなります。

周囲の大人の何気ない言葉を反映していることもかも

「勝ち」や「上」へのこだわりには周囲の考え方が反映している場合もあります。

「(弟・妹)よりも~だね」
「パパ(ママ)は~なのに偉いね」

「~と比べて」と言わずとも、言葉の端から競争心が伝わっているときもあります。
競争を頻繁に意識していると、”他よりも上でいなくては認められない気持ち”が根づきやすくなるんです。

ケンカ出典:stock.adobe.com

競争心が一概に悪いわけではありません。
対抗意識や闘争心は成長にとって欠かせないものですし、ライバルを超えるための努力も大切。

ただ、「比べる、勝つ、安心する」レパートリーのみだと手詰まりになってしまいます。
色んな物差しを身に着けていけると、より広い視野で物事を捉えられるようになりますよね。

「負け」を受け入れられない子への対応とは?

こだわる時間・状況を観察する

どんな場面でもこだわり続ける子は意外と少ないんです。
幼稚園と家庭の状況を見比べてみるのも大切。

家庭で強いこだわりが見られる場合は、家族に注目してほしい、褒めてほしい気持ちがあるかもしれません。
兄弟と比較し、「自分の方が!」と感じている子も多いです。

幼稚園でのこだわりが強い子の背景には、集団場面でのストレスや葛藤が隠れているケースも。

拗ねる子出典:www.photo-ac.com

「勝たなくても大丈夫」と感じられる場面や声かけを見つけられたらいいですよね。

結果よりも過程を褒める関わりを

「結果でなく過程に注目する」
よく言われるかもしれませんが、とても大切な関わりなんです。
結果へのこだわりを手放すためには、過程や努力を他者から褒められる経験が支えとなります。

また、努力の過程を褒められてきた子は成績や結果を褒められてきた子よりも、失敗を恐れず色んなチャレンジができるようになるともいわれています。
頑張って取り組む大切さや、忍耐する癖を身に着けていけるんですね。

その子自身の変化や成長をフィードバックする

褒めるところが見つからない、何度言っても変わらないし‥という親御さんも多いです。
お子さんと毎日身近に暮らしていると、よい点には気づきにくいもの。

先生やママ友からも情報をもらい、外で頑張っている点・家で頑張っている点の両方に気づいていけるといいですよね。

親子 笑顔出典:www.photo-ac.com

折に触れて、本人の中での変化や成長を肯定的に伝え返していけると自信がついてきます。
言葉でしっかり伝えていくと、”自分自身を見てくれている実感”を養っていけるんです。

勝負以外の世界にも関心を広げていく

勝利の爽快感や優越感は、誰にとっても嬉しい感覚かもしれません。
ですが、勝ち負けとは無関係の世界にも「面白い」はたくさんあります。
色んな方法で「嬉しい」を感じていけるといいですよね。

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著者

yuko

yuko

臨床心理士・公認心理師。現在は小児の総合医療センターと大学の心理教育相談センターにて勤務。児童期から思春期の子どもへのカウンセリングやプレイセラピー、子育てに悩む保護者の方への育児相談を専門にしています。色彩心理学やカラーコーディネートについても学んでおります。

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