特集記事

娘の「水泳教室」を3か月でやめさせた理由

家族・人間関係

stock.adobe.com

2023.11.06

一度習い事をはじめたら、ちゃんと長く続けて欲しい。 親だったらそう思うのも当然かもしれません。でも、「長く続けること」が目的になっていませんか? 今日は「習い事のやめ時」について一緒に考えてみましょう。

広告

特集:親も子も幸せになるための「子育て」

水泳教室を3ヶ月でやめさせた理由

うちには8歳になる娘がいます。
娘はいま、プログラミング教室に週1回参加しています。そして、この夏に3ヶ月間だけ水泳教室にも通いましたが、継続はせずにやめました。

なぜ水泳教室をやめることになったのか。
それは明らかに娘が「疲れて」しまっているのを感じたからです。

悩む子ども出典:stock.adobe.com

「わたし、泳ぐの好きだから水泳やりたい!」と自分から言いだした娘。

普段、なかなか身体を動かす機会をつくってあげられてないなと思っていたし、水泳は身につければ一生使えるスキルにもなります。プールや海に游びに行っても泳げるか泳げないかでは楽しみ方も危険も全然変わってきます。

しかも、放課後に仲良しな友人と一緒に通えるし、市民プールだから予算も激安。本人がやりたいと言うのなら、やらせない理由が見当たらないほどでした。

でも、通い始めてしばらくすると様子が違ってきました。プールは楽しいし、仲の良い友達も新たにできたし、泳ぐのもコツを掴んできた。けど、すごく疲れているのです。いつもの元気がないし、プールの日になるとすこし憂鬱そうにしている。でも本人は「プールは楽しいんだよなー」と言っている。

そして「プールって疲れる」ともらすようになりました。

習い事は、疲れる

当たり前ですが、習い事は疲れます。一日中学校で過ごして、そのあと休むまもなく塾や習い事に行って、そこからまた1〜2時間フルスロットで頑張るのです。大人だって疲れるようなスケジュールを、子どもたちは過ごしているのです。

疲れる子ども出典:stock.adobe.com

ちなみに習い事についてこんな調査結果があります。

『習い事をしている割合』
・4歳→79%
・8歳→89%

『習い事の頻度』
・週1回→36%
・週2回→29%
・週3回以上→35%

※参考:いこーよ_【2018年習い事調査】二極化する子供の習い事予算(https://iko-yo.net/press/releases/288)

とのことです。小学校に入学する前から、多くの子ども達が習い事をしていることがわかります。
みなさんのお子さんはいかがでしょうか。小学生以上であれば、何かしらの習い事をしているかもしれません。

 また、べつの調査では習い事を継続する期間を調べています。(ベネッセアンケート調査2009年)

・半年から1年未満→25%
・1年〜2年未満→22.3%
・2年〜3年未満→17.6%

約4割が1年〜3年未満は継続もしくは1年未満でやめるケースが多いようです。

わが家もそうですが、小学生のほとんどが習い事をし、週3回以上も通っている子も35%もいる。よく、子どもは忙しい、時間がないと言いますが、これらの調査結果からもその現実が伝わってきます。

この子に一番楽しみ、学んで欲しいことは何かな?

プログラミングをする子ども出典:stock.adobe.com

娘はプログラミングも、水泳も「楽しい」と続けたがっていました。
できれば続けさせてあげたいけれど、僕と妻にはひとつ大切にしていることがあります。

それは「スクールでの学びを第一優先する」こと。
一番多くの時間を過ごし、一番多くの学びを得られるスクールのカリキュラムに全力で向き合ってほしい。他のことは、すべて「サブ」と捉えています。だから、本人のやりたい気持ちは大事ですが、このまま疲れていたらスクールでの学びがおざなりになってしまう。

そして、そのことは娘にもしっかりと伝えました。

「パパとママが、一番大事にして欲しいのはスクールでの学びだよ」と。「それが難しいようなら、今はまだ習い事をたくさんはできないね」と。

娘は納得し「次の昇級試験まで続けて、そこでクロールの検定をもらう!」とラストスパートをがんばっていました。(昇級試験の日は風邪を引いてしまい参加できず…残念!)

結果的に。水泳教室はやめましたが、いまは日々のスクールと、週一回のプログラミングが娘にとってもベストな環境の様子。
もっと体力がついて、また水泳をやりたいと言い出したら、また挑戦すればいいなと思います。


習い事に正解も不正解もありません。
続けるほうがいいのか、やめたほうがいいのかも悩ましいところです。

「子どものために」とは誰もが思いますが、その意味は人それぞれ。だからこそ、子どもに一番大切にしてほしい学びは何か。それを夫婦や親子で話し合うのはとても大事なことです。

あなたが、子どもに一番に大事にしてほしい学びはなんでしょうか。
それを軸に、習い事のやめ時を判断するというのも、ひとつの方法だと思っています。
 

広告

著者

三木智有

三木智有

NPO法人tadaima!代表 日本唯一の家事シェア研究家/子育て家庭のためのモヨウ替えコンサルタント。著書に『家族全員自分で動く チーム家事』がある。

気になるタグをチェック!

saitaとは
広告

人気記事ランキング

ランキングをもっと見る