何がそんなに面白いの?
TikTokを聞くと、芸能人ではない一般の子たちが似たような歌を歌ったり、同じダンスを踊っているイメージを思い浮かべる方は多いのでは。
なじみがない世代からすると、TikTokは内容が薄いように感じられ、「若い子たちのアプリ」と認識されている印象です。
しかし実際は、ドラマやバラエティの切り抜き動画、映画の見どころ解説、食レポ、時事問題の説明などジャンルは多岐にわたります。
自分で投稿しようと考えている子であれば、同じダンスを踊っている複数のアカウントを見比べ、どう撮影し、どう魅せればバズれるかを研究しているようです。
今回は、TikTokの中毒性と、子どもとの付き合い方を考えていきます。
視聴時間が長くなる理由
AIによる傾向分析が優秀
X(旧Twitter)やInstagramでは主に自分がフォローした人の投稿が流れてきます。(最近はおすすめ機能が充実してきましたが)
TikTokは他のSNS以上に、検索したキーワードや時間・頻度等のAI分析が長けており、夢中になる仕組みになっているといわれています。
好みの動画、興味をそそる動画が延々と流れ続けてくるので、見入ってしまうわけです。
またその中には、閲覧数が伸びている動画やバズっている動画も混ざってきます。
流行りと好みを同時に仕入れられるツールとなっているんですね。
「当たり」と「はずれ」による中毒性
延々と流れてくる動画の中には「めちゃくちゃかわいい!」「面白いから友達にシェアしよう!」と感じるような動画と、そうではない動画が混ざっています。
この「時折ハマる仕組み」こそがTikTokの中毒性とつながっているんです。
「いつも当たるよりも、たまに当たるからこそ面白い」と感じるギャンブルと近いものがありますね。ギャンブルをやめられない人は、負けが続いても「次こそ当たる」と思い、賭け続けます。
TikTokに夢中な人も無意識のうちに「次は面白いものが流れてくるかも」と期待してしまうんですね。
気になったキーワードがネットサーフィンにつながる
好きなインフルエンサーや芸能人が紹介している美容グッズや、チェーン店の新発売商品、見知らぬ土地の観光名所など。気にかかったものは調べたくなるもの。
そして調べる中でまた気が移ったものにネットサーフィンしていき、スマホの視聴時間がどんどん長くなっていきます。
親から見れば「そんな長い時間スマホを触って一体何をしてるの?」と感じるときもあると思いますが、実際、何をするでもなくスマホを触っていて気づいたら数時間経過している子も。
わかっていてもやめられない。
現代社会全体の病理といえるのかもしれませんね。
禁止すれば解決するわけではない
これだけ夢中になる子が多いと、学校での話題もTikTokに関連してきます。
話題のフレーズやダンス、ショートネタなど、知っていないと取り残された感覚にもなってくるよう。
十数年前は、家族で見ていたTVドラマやバラエティが友達との話題になっていましたよね。
今はネットで配信される動画の方に注目度が高まっているんです。
まずは親世代が「若者がやることだから」「何が面白いのかわからない」と嫌煙するのでなく、一度触れてみるのがおすすめです。
実際に見てみて「たしかに夢中になるのは理解できた」と一言添えて注意するだけで、言葉が入りやすくなっていきます。
また、大人の方から子どもに歩み寄っていくと、子どもも親に歩み寄る姿勢が育まれていくんです。
そのうえで、視聴時間を制限したり、見るのはリビングのみ、などのルールを設けていくとよいでしょう。
メリット・デメリットを親子ともに理解し、横に並んで、付き合い方を一緒に考えていけるといいですよね。