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「ゲームをもっとやりたい」子どもに親の考えを押し付けたらNG。家族が納得するルールの作り方

家族・人間関係

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 「ゲームをもっとやりたい」子どもに親の考えを押し付けたらNG。家族が納得するルールの作り方

2022.05.11

子どもを持つ人の中には、子どもの”ゲームやりすぎ問題”に悩まされている人もいるのではないでしょうか。子どもがあまりに長時間ゲームをしていると「もう終わり! やめなさい!」と叫びたくなることもありますよね。こういった正解のない問題は、どのように解決すればいいのでしょう。東大出身のクイズ王・伊沢拓司さん率いるQuizKnockの皆さんにアドバイスをいただきました。

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特集:親も子も幸せになるための「子育て」

教えてくれたのは……QuizKnock&どう解く?制作委員会

テレビのクイズ番組でおなじみ、東大出身者中心に構成される知識集団「QuizKnock」の皆さん。そして、子どもたちに大人気の道徳書『答えのない道徳の問題 どう解く?』の制作メンバーが、タッグを組んで出版した『10歳からできる 自分のあたまで考えること』(ポプラ社)。
子ども向けにわかりやすく書かれていますが、その内容は、今の大人にも必要なものばかり。考える力を養えば、今悩んでいることにも、きっと突破口が見つかります!

自分のあたまで考えること

10歳からできる 自分のあたまで考えること』(ポプラ社)
著者:QuizKnock&どう解く?制作委員会
価格:1,760円(税込)

ゲームのプレイ時間に答えはない

家族問題出典:stock.adobe.com

大人も子どもも夢中になるゲーム。ゲームをすることが必ずしも悪いことではありませんが、長時間やりすぎることで子どもが勉強しない、睡眠不足になるなど、親としては心配なことも多いですね。書籍『10歳からできる 自分のあたまで考えること』には、解決するためのヒントが隠されていました。

「世の中には、答えが一つしかない問題と、答えが一つだけではない問題があります。しかも、答えが一つではない問題が、生きていく上でとっても大切なことを問いかけていることがあるんです」

「ゲームのプレイ時間」は、答えが1つだけではない問題です。

そこで、みんなが納得する「ゲームのプレイ時間」を決めるために、それぞれが考えたことを元に、家族で話し合い(グループワーク)をしてみましょう。

話し合いの効果

解決したい問題について話し合いをすることで、自分の考えも深められ、これまで知らなかった視点に気づくことができるとのこと。
家族の意見を聞きながら、問題を考えていきましょう。

話し合いの効果

話し合うための4つの約束

4つの約束出典:stock.adobe.com

家族での話し合いは、親が子どもの意見を聞き入れなかったり、自分の意見を押し付けてしまいがち。だからこそ、以下の4つの約束はしっかり心がけることが大切です。

(1)笑顔で楽しく話し合おう!
(2)思ったことは、ドンドン発言しよう!
(3)どんな意見も否定しない!
(4)わからないときは、パスもOK!

家族で話し合ってみましょう

話し合い出典:stock.adobe.com

話し合う議題は「ゲームのプレイ時間」について。実際に、家族(パパ、ママ、子ども)の話し合いの例を見てみましょう。

ママ:「ゲームは1日1時間って決めたけど、約束を守れないから、ちゃんと話し合いたい」

子ども:「1時間じゃ少なすぎる! もっとゲームしたい! なんで1時間なの?」

ママ:「帰ってきてから10時に寝るまで4時間。この間にご飯やお風呂で、宿題する時間を考えると、残りはそれぐらいじゃない」

子ども:「寝るのもっと遅くていいよ」

ママ:「生活時間は十分に確保して欲しいな」

パパ:「ゲームが楽しいのは、わかる。でも生活や健康を害してまでやることじゃないよね?」

ママ・子ども:「そうだね」

ママ:「どうしていつもルールを守れないんだろう?」

子ども:「時間っていうより、いつも良いところで『もうやめなさい、1時間よ!」って言われるのが、嫌なんだよ。ちょうどクリアしそうな時に言うから!」

パパ:「ちょうど面白いときなら、ゲームをやめたくないね」

ママ:「そうなの? 知らなかったわ。じゃあ、『1時間くらい』にルールを変えるのはどう? 10分前くらいに声かけるから、あとは区切りのいいところで、自分で止めるのはできそう?」

子ども:「それならできそう」

パパ:「それにプラスして、週末だけ、もう少し時間を増やしてもいいんじゃないか?」

話し合いでは先ほどの約束のとおり、相手の意見を否定せず、理解できないことは「なぜそう思うのか」を相手に聞くことも大切ですね。

「誰かが意見を発表したら、みんなはそれに対して反応を返してみましょう。『いいね』とうなずいたり、相手の考えていることをさらに引き出すために、『どうしてそう思うの?』『たとえるならこういうことかな?』『もっと具体的に教えて』などと言う、問いかけフレーズを参考にして、問いかけてみましょう」

「話し合い」のお役立ちヒント

同じ問題を抱えていても、人によって感じ方は全く違います。今回のように、ママの立場と子どもの立場からでは、全く意見が分かれることも。

「人によって意見はちがうというのはよくありますね。『答えのない問題』では、なおさら意見が分かれることが多いもの。そういうときは、あえて自分とは逆の意見を考えてみましょう。思いもよらなかった考えが見えてくるかもしれません」

話し合い出典:stock.adobe.com

今回の話し合いでは、子どもは「ゲーム時間」に不満を持っているのではなく、「良い時に止めるように言われる」ことが嫌で、結果的にルールを守れないことがわかりました。

ママも、好きなことを中断する不快感を理解できたことで、家族みんなが納得できる「ゲームのプレイ時間」のルールが完成します。

このように家族の問題も、意見を出し合って話し合うことは大切。ゲームのルールがまた守れないときは、また話し合いをして解決していきましょう。

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