漢字に対する苦手さはどこから?
多くのお子さんは小学校入学以降、徐々に書ける漢字を増やしていきます。
しかし、書き取りの宿題は退屈で、覚えても覚えても終わらない。
漢字の何が苦手なのかは人それぞれです。
- 大まかなイメージは思い浮かべられるけど線が何本あるかわからない。
- 全部同じような文字に見える。
- 書き方に加えて、使用例・音読み・訓読みまで覚えきれない。
- 複雑な箇所・細かい部分の違いがよくわからない。(例:「様」の右下部分を「水」にしてしまう)
- 抽象的な漢字がわからない。(例:動物の名前などはわかるけど「要」や「部」などの存在がよくわからない)
特に小学3年生以降、覚えるべき量が一気に増え、複雑な形の漢字や、抽象的な意味の漢字も多くなってくるんです。
漢字勉強法5つの工夫
唱えながら書く
見て覚えるのが苦手な子は、すでに知ってるカタカナや漢字の組み合わせとして、口に出しながら書いてみるのがおすすめ。
例えば、「空」なら「”ウ”の下に”ル”と”エ”」、「朝」なら「十、日、十、月」。
リズムに乗せて唱えたり、覚え歌を作りながら、楽しく身につけられるといいですね。
面白い例文を考えながら取り組む
数年ほど前から、漢字の例文に「うんこ」が入っているドリルが大ヒットしていますよね。
子どもの興味をキャッチし、面白おかしく馴染めるようにしたのがヒットの理由だと思われます。
親子で一緒に、好きなアニメやアイドル、キャラクターを主語に例文を考えてみるのもおすすめです。
語呂合わせを作る
「給」なら、「糸を合わせるのは給食で」。
「貸」なら、「代わりに貝を貸してね」。
語呂合わせを作るときのコツは「左から右」、「上から下」など、統一させること。
覚えたい漢字を文末に持ってくるなど、一貫させたルールが役立ちます。
イラストをイメージしながら覚える
イラストが好きな子や絵から連想を繋げられる子であれば、絵を横に書き、イメージをセットにすると覚えやすくなります。
特に象形文字は特に絵のイメージから漢字を捉えると理解しやすいんです。
子どものオリジナリティや発想力を大切にしながら、学習を支えていきたいですね。
マス目を大きくする
小さなマスに書いてると、ぐちゃぐちゃになったり、イライラしたりする子もいます。
筆やクレヨン、油性ペンなど、本人が書きやすいアイテムを選び、裏紙などを活用しながら、大きく見えやすいように書くのも大切。
タブレットを使い、漢字の形を捉えていくのもいいですね。
本人にとって見えやすい大きさで、感触がしっくりくるアイテムで書き始め、スモールステップでテストやプリントの照準に合わせていけるといいと思います。
日常から漢字に馴染む
家庭での表示を子どもの学習レベル合わせる
子どものレベルに合わせた表示を家の中で取り入れるのもひとつです。
例えば、料理のお手伝いをするときに触れる言葉について。
幼稚園の子であれば引き出しに「おはし」シールを貼っておき、小学校中学年では「お箸」に。
漢字を覚え終わったら「Chopsticks」とシールを変えていくなど。
キッチンの棚や洋服ダンスなど、目につく収納から文字に触れていけるといいですね。
漫画や本など興味のあるところから文字に馴染む
漫画には意外と多くの漢字が載っていて、フリガナがふってあるものもあります。
好きなキャラクターやお気に入りのセリフから興味が広がっていく子も多いもの。
本であれば、学年に合わせたものを準備する親御さんも多いですが、本人が興味のある内容や気に入った表紙のイラストで選んでみるのもよいと思います。
メモや手紙の宛名など、「書くお手伝い」を作る
スーパーの買い物リストや、知り合いとのやり取りは全部スマホに集約していませんか?
大人の日常でも漢字を書く機会は減ってきています。
手間は増えるかもしれませんが、文字を書く機会をお手伝いに取り入れるのも役立ちます。
買い物メモを頼んだり、郵便物のあて名書き、祖父母への手紙を促すなど、「書く」を日常に取り入れてみるのもおすすめです。
目指すべきは「日本語力」の向上
ここ数年でグローバル化が進み、小学校の授業でも「英語」が組み込まれるようになりましたよね。
IT化により、スマホやタブレットで自動的に漢字変換されていくので、”国語は必要最低限でもよい”と考える人も増えていくのかもしれません。ですが、古くから使われている漢字を知り、丁寧な日本語を使用していくのも大切な「グローバルコミュニケーション」のひとつではないでしょうか。
豊富な語彙力や綺麗な文章構成力を育んでいけるといいですよね。