暮らしの"やってみたいコト"集めましたマガジン

おもちゃを片づけない、急に走り出す。育児中の「困った」にどう対処する?

間野由利子

「子育てを楽しみたい」と思っても、兄弟がそれぞれ好きな方に一斉に走りだして追いかけたり、いつまでたってもおもちゃを片づけなくてイライラしたりすることもあります。それに、子どもが小さいうちは自分のやりたいことの大半をあきらめて、育児に専念しなければならずストレスがたまることも。
そんなとき、ほんの少し見方を変えるだけで「育児」の面白さを実感し、同時に「子どもがいるからこそ楽しめる」ことが見えてくるかもしれません。3人の子どものママであり、『男の子に「厳しいしつけ」は必要ありません! どならない、たたかない!で才能はぐんぐん伸びる』の著者でもある高祖常子さんに、育児を楽しむコツについて伺いました。

最初から「無理」とあきらめていませんか?

――子どもは興味があるものを見ると急に走り出したり、いつもポケットの中に物を詰め込んで持ち歩いています。他人の子どもだったら「ほほえましいな」と思いますが、我が子の場合は車にひかれるんじゃないかとか、洗濯機で洗ってほかの洋服が汚れたなど、困ることも多々あります。

高祖常子さん(以下高祖):我が家も3人子どもがいるのでよくわかります。3人が一斉に違う方向に走り出したり、いないと思うと木によじ登っていたりということもありました(笑)。

子育て中は本当にハラハラすることばかりで、ママからしたら「なんで急に走り出すの?」「水たまりの中を歩いたら靴が汚れる!」ということがたくさんあると思います。でも注意ばかりしていたら、子どもの好奇心が伸びないし、何も挑戦しない子になってしまいます。

――こんなときはどうしたらいいですか?

高祖:まずは、危ないことは制するのが基本。そのうえで以下の2つの対応をしてみましょう。
1つは、「できないからやめよう」「危険だからしない」ではなく、「安全にできるようにするためには何をしたらいいか」を考えられるといいですよね。3人連れてのお散歩は危ないから外出しない、ではなくて、車があまり通らない道にする、公園までは車などで移動して公園内では自由に遊ばせる、など。困ったことにぶつかったら、「どうやったらできるか」を考えるために試されているのかもって考えてみるのもいいかもしれませんね。

今回のコロナの件でもそうですが、外出自粛が解除されても「心配だから外で遊んではダメ」といっていたら、ずっと家に籠りっぱなしになります。子どもの行動範囲が狭くなり、体も動かせません。そうではなくて、感染を予防するためにはどんなことに気を付けたらいいのかを考えたうえで、「できることは?」と考えてみるということです。お話しできる子どもなら、清潔習慣についても一緒に心がけるといいですね。

もう1つは、子どものやっていることに親が興味関心を持つこと。子どもが夢中になっていることに対して「へぇー!そんなことあるんだ」「あ、なるほど。息子はそういうふうに思うんだ」と、興味をもって様子を観察してみるのもいいですよ。

1日1個、子どもとやって楽しかったことに目を向けてみて!

出典:stock.adobe.com

――余裕があるときはできるかもしれませんが、できない日も多いと思います。

高祖:これもあれもやらないといけないのに時間がない、ということはよくあります。うちも子どもが3人いますが、3人が同時に違うところに行ってしまうこともありました。そんなときは「なるほどね。みんなそれぞれ気になったことがあったのね」なんてやっていられないんですよ(苦笑)。でもそうなってしまうなら、パートナーと協力するとか、人手を借りるとか、困りごとはどうしたら軽減されるのかを考えてみる。不安や困りごとは、塊にせず、分けて具体的にして、対応方法を考えていくことが大切です。

もう1つ大事なのは、1日一個だけでも子どもと一緒にやってたのしかったことを見つけてみること。「今日も疲れて何もできなかった」「怒っていたか疲れてぼんやりしていただけだった」と思うよりも、1日中笑っているのは難しいかもしれないけれど、1個だけでも子どもと楽しいことをしてみる。「あそこまでママと一緒にかけっこしよう」「一緒にサラダを作ろうね。レタスをちぎるのは楽しいね」とか、またはくすぐりごっこでも、一緒にやって笑顔になれた体験を1つだけでもいいから積み重ねていっていただけたらと思います。
その「楽しい」の積み重ねによって、ママ自身も「子育ての楽しい面」「子どもと笑顔になれたこと」などに少しずつ目が行くようになるでしょう。もちろん、「大変」もいっぱいですが、1日1個、子どもと一緒の「楽しい」を見つけてみてください。

子どもがおもちゃを片づけない。片づけられるようにするためには?

――「部屋を片づけなさい」と毎日子どもに言っているけど片づけないことがあります。そういうときはどう伝えたらいいですか?

高祖:毎日のように同じことで怒っているなら、どうしたらいいかを相談することですね。そのときにも前回の記事でお伝えしましたが「なんで片づけないの!」と怒りをぶつける言い方ではなく、I(アイ)メッセージ(私を主語にする)で伝えてみる。ちょっと落ち着いた時間に相談してみるといいですね。
「ご飯を食べるときに毎日片づけなさいといっているけど、君は片づけてくれないからママはけっこうイライラしちゃうんだよ。君も毎日ママに叱られるのは嫌でしょ? どうしたらいいと思う?」と子どもに聞いてみる。
「でも、たくさんのおもちゃで遊びたくて、片づけたくないんだよ」といわれたら、「でも、おもちゃを片付けてから、ご飯を食べたいよね。どんな方法があるかな?」と相談。「たとえば、おもちゃ1個だけ出すことにするのはどうかな?」と提案してみるなど。
そうはいっても日によって「もうちょっとで完成するから片付けたくないんだ」と言われたら、「でも温かいうちにご飯を食べたいから、いったん中断して、食べ終わったらちょっとだけ続きをしたら」などと、折り合いをつけてみる。

または突然言わずに、ちょっと早めに声を「ご飯できそうだから、そろそろ片付けてね」と声をかける。
あるいは「寝る前にかたづいていればいい」ということにする。「散らかっているけど、そのままご飯を食べ、寝る前に片づけよう」ということにするなど。
親も子も、どのようにしたら心地よく過ごせるかを相談して折り合いをつけていくということです。子どもにも考えを聞き、親子で相談することで、子どもはコミュニケーションの方法を学んでいきます。

少しずつ「怒らなくていい」状態をつくっていこう

毎日怒る、怒られる関係を続けていると疲れてしまいますよね。ママも疲れるけれど、子どももいい気持ではありません。でも、どんなに工夫しても「今日から一切怒らなくてよくなる」ということにはならないと思います。子どもの話も聞きながらベストな方法を探していきましょう。
コミュニケーションによって、解決の糸口を見つけるなんて、「理想的だけれど、現実はそんな余裕ないって」思う方もいるかもしれません。でも、余裕がないのは、心や体が疲れている証拠。そんな時には、ちょっと休憩して、心と体の力を蓄えて。心と体に少しい余裕ができたら、子どもの力も借りながら、工夫して解決していきましょう。

教えてくれたのは 高祖 常子さん

高祖 常子(こうそ ときこ)さん

子育てアドバイザー、キャリアコンサルタント。
資格は保育士、幼稚園教諭2種、心理学検定1級ほか。
NPO法人ファザーリング・ジャパン理事、ほか各NPOの理事や行政の委員、「体罰等によらない子育ての推進に関する検討会」(厚生労働省)構成員(2019年)も務める。子育て支援を中心とした編集・執筆ほか、全国で講演を行っている。
著書は『こんなときどうしたらいいの?感情的にならない子育て』(かんき出版)ほか。3児の母。

肩の力が抜ける高祖さんの新刊販売中!


『男の子に「厳しいしつけ」は必要ありません! どならない、たたかない!で才能はぐんぐん伸びる』

著者 高祖 常子
漫画・イラスト オキ エイコ
詳細はこちら

 

前日の全体記事ランキング

1

【ホクホクかぼちゃの作り方】旬のかぼちゃを味わい尽くす時短でおいしいレシピ4選

秋から冬に旬を迎えるかぼちゃ。旬の食材であるかぼちゃを買う機会が多い方もいるのではないでしょうか。でもかぼちゃはそのまま冷蔵庫に保存をしておくと、いつの間にか傷んでいませんか。かぼちゃは一体、どう保存したらいいのでしょうか? かぼちゃの保存の仕方や、旬を味わいつくすおすすめレシピをご紹介します。

2

「明日使うノートがない」子どもから夜中に言われて途方に暮れたことない?子育て中の「名もなき家事」 解決法

毎日の生活に欠かせない、掃除に洗濯、炊事に買い物などの家事とは別に「トイレットペーパーの補充・交換」「家族の脱ぎっぱなしの衣類の片付け」「ゴミの分別」など、名前のついていない「名もなき家事」は日常にあふれていますよね。 さらに、新型コロナウイルスの影響でこの「名もなき家事」が増えていることに気づいていますか? たとえば、(手洗いできる)マスクの洗濯、除菌スプレーの詰め替え、こまめな喚起、など。 それに加え、夫がテレワークで昼食の準備が増えたことや、子どもの授業(勉強)が変則的になり、管理が以前より大変、なんてことも。 前回の「名もなき家事の解消法【片付け編】」に続き、今回は【小学生限定・子育て編】の解決方法をご紹介します。 『3人子持ちで起業した理系の主婦が名もなき家事をサクッと解決します!』(実務教育出版)の著者である、香村薫さんからヒントをいただきました。

3

大人向け【パーカー】コーデのコツ|40代でも失敗せず、おしゃれ見えしたい!

カジュアルな印象のパーカーは気取らずに着られて、誰でも1枚は持っているおなじみのアイテム。でも、カジュアルなアイテムの分、部屋着っぽく見えてしまったり、子供っぽく見えてしまうことも。そこで、今回は合わせるアイテムやコツをご紹介! まわりよりもおしゃれに見える、大人にピッタリのコーデばかりなので、ぜひ参考にしてみてくださいね。

4

パサパサした鶏むね肉がプリプリ&ジューシーに変身!鶏むね肉を使った簡単で節約できるレシピ5選

毎日の食事作りで、安い食材は節約のためには積極的に使っていきたいもの。中でも鶏むね肉は、スーパーで売っているお肉の中でも、とても手頃なお値段ですよね。ただ火を通すとパサパサした食感になり、苦手な方も多いのではないでしょうか。 パサパサした食感の鶏むね肉をプリっとおいしく調理するには、コツがあるようです! 鶏むね肉をおいしくジューシーに調理したい方におすすめのレシピ5選をご紹介します。

5

【金銭感覚チェック!】あなたは浪費家?貯蓄家?多くの60代が「老後資金作りは40代が重要」と言う、その理由は

人生には愛や生きがいのほかに必要不可欠なものがありますよね。それはお金です。仕事で一生懸命稼いだお金は、生活のために、子どものために使い、人生を豊かにしてくれます。 とはいえ、仕事で得たお金にも限りがあり、貯えだけでは老後を安心して過ごすことができません。それぞれが自分の人生の現状をしっかり見つめながら、資産を運用していくこと求められています。

この記事をシェアする

RECOMMEND

CATEGORY

RANKING

TOP