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「しちゃダメ」では子どもに伝わらない。“子どもの行動が変わる伝え方5つのコツ”

家族・人間関係

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2022.03.13

臨床心理士・公認心理師のyukoです。元気なのはなによりだけど、親の声が全く耳に入っていない子どもに今日もイライラ‥。 大きい声を出すのも、強い口調で伝えるのも、怒る側の方が疲れるし、本当はやりたくないですよね。 感情的になると、つい勢いに任せて怒ってしまいがちですが、声かけの方法を変えることで、親も子も楽になることがあるんです。 「子どもが聞き入れやすくなる声かけ」について、考えていきます。

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特集:親も子も幸せになるための「子育て」

【特集】親も子も幸せになるための「子育て」

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もくじ

どうして何度も同じことで怒らなければいけないの?
子どもにメッセージを伝えるときの5つのコツ
1.一度に伝えたいことは一つに絞る
2.「ちゃんと」や「いい子」といった曖昧な言い方から具体的に言い換える
3.「ダメ」という言い方を変える
4.「〇〇したい気持ちはわかるけど」を入れる
5.落ち着くための指示を与える
感情の衝突から、落ち着いた対話に

どうして何度も同じことで怒らなければいけないの?

毎日同じようなことで怒ってばっかりでくたくた。どうして注意を聞かないのかわからず、余計にイライラしてくることもありますよね。

子どもが親の注意を一度で聞けない背景には様々な要因があります。

  • 複数のことを一気に言われると忘れてしまう
  • 大人が思う「そこまで言わなくてもわかること」がわからない
  • 何をしても怒られるばかりで慣れてしまっている
  • 「怒り=怖い」となり、内容が入らない
  • 怒られた結果、結局何をどうすればいいのかがわからない

耳をふさぐ子ども出典:www.photo-ac.com

また、発達特性が強い子の中には、ひとつのことに過集中しやすい子、聞いたことを忘れやすい子、曖昧な表現やニュアンスが理解しにくい子も多いんです。

子どもにメッセージを伝えるときの5つのコツ

1.一度に伝えたいことは一つに絞る

ゲームを時間内にやめられない子に対して、「まだ宿題もやってないし、明日の準備だって終わってないじゃない。この前も同じこと言ったよね?学校の先生にも言われてるよね?寝る時間も遅くなっちゃうし!」と色々言いたくなることもありますよね。

ですが、様々な方向で怒られると、結局自分の何が悪いのかわからなくなってしまうんです。
溜まっていたことを一気に言いたい気持ちはぐっと抑えて、「ゲームは〇分で終わる約束だよね。明日の準備しないといけないからあと3分で片付けてね。」と伝えた方が注意が入りやすくなります。

言い聞かせる母親出典:www.photo-ac.com

2.「ちゃんと」や「いい子」といった曖昧な言い方から具体的に言い換える

親にとっての「当然」や「言わなくてもわかること」がしっかりと伝わっていないことも多いです。

「お出かけの時はちゃんとしていてね」
……「お出かけの時は、迷子にならないようにママと手つないでいようね

「お客さんが来るから行儀よくね」
……「お客さんが来てるときはこんにちはと挨拶をしてお部屋で待っててね」

子どもと約束出典:www.photo-ac.com

「そこまで説明しなくてもわかるでしょ」ではなく、「できる限り具体的に伝えよう」と意識することがコミュニケーションの鍵になります。

3.「ダメ」という言い方を変える

「友達のものとったらダメでしょう」「宿題もせず悪い子ね」
注意する際に口をついてでる言葉ですが、実はこの言い方、してはいけないことは伝えていても、してほしいことを言っていないんです。

「どうしたらいいかはわかっているでしょう」「自分で考えてやってね」というメッセージが含まれているのかもしれませんが、否定されたという印象の方が強く残ってしまうんです。

「使いたいときは相手に聞いてから借りようね」」「学校から帰ってきたら、〇時までに宿題を終わらせる約束したよね」と、してほしいことを中心に言い換えると伝わりやすくなります。

子どもに説明する母親出典:www.photo-ac.com

「ダメ」「悪い」という評価ではなく、「どうしたらよいか」という対処を伝えるのが効果的です。

4.「〇〇したい気持ちはわかるけど」を入れる

感情的になると「いい加減にしなさい」「何度言ったらわかるの?」など言ってしまいがちですが、責める言葉をかけると、子どもも余計意地を張りやすくなってしまいます。

一度深呼吸をして、「〇〇したい気持ちはわかるけど、今は~しようね」という伝え方に変換してみてください。

向き合う親子出典:www.photo-ac.com

この言葉を入れる利点は、叱る側が相手の立場に立てるという点でもあるんです。親から子どもへ注意することと同じくらい、子どもが非言語で示すメッセージを受け止めることも大切なんです。

5.落ち着くための指示を与える

困った行動が続くと、「なんでそんなことするの」「やめてって言ってるでしょ」と大きな声で伝えることもありますよね。
子どもの気持ちが高揚しているときは、「~するのはやめて、部屋に行くか、ベランダで外の空気吸おう。」「~したい気持ちはわかるけど、まず深呼吸してお水のもう」と、対処をセットにして声をかけてみてください。

手を繋いで説明する母親出典:www.photo-ac.com

人は6秒経つと感情のピークが収まると言われています。まず何をすればよいのか、ヒントをあげてみてください。

感情の衝突から、落ち着いた対話に

「強く言っても言うことを聞かない」、「何度言っても全く成長しない」と思いながら、子どもを叱る時間は、親の方も心身ともに疲弊しますよね。
イライラのぶつかり合いに疲れたとき、子どもに大切なことをわかってほしいとき、ぜひ声かけのコツを思い出してみてください。

親子 仲良し出典:www.photo-ac.com

参考文献
「子どもの発達障害とソーシャルスキルとレーニングのコツがわかる本」(2020) 西本堅(著)ソシㇺ
「保育に活かすペアレント・トレーニング(”気になる”行動が変わる支援プログラム)」(2018) 上野良樹(著) ぶどう社

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著者

yuko

yuko

臨床心理士・公認心理師。現在は小児の総合医療センターと大学の心理教育相談センターにて勤務。児童期から思春期の子どもへのカウンセリングやプレイセラピー、子育てに悩む保護者の方への育児相談を専門にしています。色彩心理学やカラーコーディネートについても学んでおります。

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