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夏休み明けに増える不登校。夏休み中に気づいておきたい“子どもからのSOS”

家族・人間関係

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2022.08.12

臨床心理士・公認心理師のyukoです。夏休みも終盤に近づくと、憂鬱な表情を浮かべる子も多くなってきます。その中で、夏休みを楽しんで終わりを寂しがる子と、新学期を迎えるのが嫌で仕方ない子を見極めるのが重要です。新学期を前に発信されるSOSにはどのようなものがあるのでしょうか。危険信号を見落とさないために気づいておきたいサインを考えていきます。

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特集:親も子も幸せになるための「子育て」

夏休み明けに増える不登校。どうして行きたくないの?

行きづらい理由はもちろん人それぞれ事情があります。
いじめや先生との折り合い、クラスとの合わなさなど明確な理由がある子もいれば、漠然とした消極的な気持ちの場合も。
ここでは、多くの子に共通する理由を挙げてみます。

  • 1学期の間がんばり続け、充電が切れてしまう
  • 学校で感じていた負担を休み中に実感する
  • 生活リズムの乱れから自律神経に不調をきたしている
  • 友人関係での不安がある
  • 学習についていけていない、負担がある
  • 本人にも理由はわからないが漠然とした不安や怖さがある

落ち込む少女出典:stock.adobe.com

理由をむりやり明らかにするのが必ずしも役に立つわけではありません。
言いたくない理由があったり、本人も言葉にできないもどかしさを抱えているケースも多々。
ただ、「どんなところから、行きたくないって思うんだろう」と一緒に考えてあげる姿勢はとても大切です。

子どものSOS、どうやって受け取ればいい?

「学校が嫌」と言われても、「夏休みが楽しかったんだろう」「めんどくさがっているだけ」と軽く受け取る方も多いのでは。

今ほど不登校に理解が及んでいなかった時代、「子どもが学校に行くのは当然の義務。行きたくないのは本人の怠け。」など厳しく対応されていました。

子どもを諭す親出典:stock.adobe.com

現在は、「学校に行きたくても行けない子がいる」事実に目を向けられるようになり、サポートに必要な情報が共有されたり、使える資源も豊富に。

学校に行けないのは、必ずしも本人や家庭に問題があるわけではありません。
本人を取り巻く環境を見直す機会と捉え、誠実に向き合っていく必要があるんです。

気づいておきたいSOSサイン

学校の話をすると嫌がる

  • 友達と会いたがらない、話題を避ける
  • 新学期のスケジュールや行事について聞いても答えない
  • 学校の近くを通ると嫌な顔をする

学校に関する話題を拒否するような様子があったら、少し注意して見ておくのが大切。
1学期はがんばって通っていたものの、友人関係や勉強・学校そのものに対して、不安や不満を抱いている可能性があります。

人に会うのを避ける、外出を拒否する

夏休みになり、好きなゲームを手放しで楽しむ子は多いと思います。
ですが、外に出たがらなかったり、同年齢の子と会うのを避ける、子どもにとって楽しいはずの場所でも行きたがらないときは要注意。
学校での人間関係に嫌気がさしていたり、集団行動に苦手さを抱えていたのかもしれません。

ゲームをする子ども出典:stock.adobe.com

興味の幅が狭くなる、意欲が低下している

本来楽しいはずのことも楽しまない、好きな遊びをしなくなった、お気に入りのゲームにも興味を示さない。
興味関心の幅が狭まっていたり、意欲が低くなっているときは、新学期に対する抵抗や抑うつ感の兆しかもしれません。

身体症状を訴える

夏休みが終わりに近づくと、食欲が低下したり、夜眠りにくくなるお子さんもいます。
下痢や腹痛、頭痛や息苦しさの症状を訴え、登校への拒否感を体で表現する子もいるんです。
単なる夏バテや夜更かしとスルーせず、必要に応じて医療機関を受診してみてください。

情緒が不安定

強い口調になったり、物に強くあたる。かと思えばいい子になったり、大人しく無口になったり。

落ち込む子出典:www.photo-ac.com

思春期だから、反抗期だから、の範疇に収まるものもあれば、強い不安や恐怖によって表れている衝動性の場合も。
昨年と比べて、半年前と比べて、1か月前と比べて、今までとは違う不安定さがある場合は注意して見ておく必要があります。

問題が生じる前にキャッチしておくのが大切

忙しい生活の中では、子どもの些細なSOSを見落としてしまったり、「なんか嫌な予感」を無視してしまうときもあるのは当然。

「あれ?」と思ったときにキャッチし、子どもの様子を観察し、家族で話し合う時間を設けるのはとても大切です。
小さな変化であってもすぐに気づいて声をかけてくれる大人の存在は、子どもの大きな安心に繋がります。

親子の会話出典:stock.adobe.com

大きな「HELP」になる前の些細な「SOS」をキャッチし、子どもの支えになれるといいですよね。

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著者

yuko

yuko

臨床心理士・公認心理師。現在は小児の総合医療センターと大学の心理教育相談センターにて勤務。児童期から思春期の子どもへのカウンセリングやプレイセラピー、子育てに悩む保護者の方への育児相談を専門にしています。色彩心理学やカラーコーディネートについても学んでおります。

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