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上の子と下の子の学校は同じがいい?別がいい…?それぞれのメリットを考えてみた。

家族・人間関係

 上の子と下の子の学校は同じがいい?別がいい…?それぞれのメリットを考えてみた。

2023.01.30

臨床心理士・公認心理師のyukoです。上の子が中学受験をして私立に通っていると、下の子も私立に入れたいと望む親御さんもいらっしゃるかと思います。また、兄や姉の後ろ姿を見て、「自分も同じ中学に行きたい!」と希望する子も。上の子と下の子が同じ中学に通うメリット、また、片方は私立で片方は公立になったときのメリットはどのようなものがあるでしょうか。親子の視点で考えていきます。

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特集:親も子も幸せになるための「子育て」

上の子が私立なら下の子も受験させるべき?

上の子が中学受験をすると、なんとなく”下の子も受験したほうがいいのでは?”と考える方は多いです。

しかし、それぞれの性格や成績が異なるので必ずしも受験した方がよいとは限りません、
中には、上の子の私立受験を経て、塾の費用や受験費用、入学金など積み重なる出費を目の当たりにし、経済事情から下の子は公立を選ぶご家庭もあります。

今回は兄弟で同じ私立中学に通う場合と、上の子が私立・下の子が公立の場合のメリットを考えてみます。

兄弟姉妹の学校が一緒のメリット

行事や面談などの用事を一気に終えられる

親視点で考えると、運動会や学園祭が同じ場所・同じ日程で行われるのは正直楽です。
また、面談の日時を兄弟と同じ日に合わせるなど、配慮をしてくれる学校も。

別の学校であれば、有休をそれぞれで取らなければいけなかったり、移動が大変な方もいますよね。
また、同じ学校であれば”上の子のときにPTA役員をやったから”という理由で下の子のときに断れる場合がありますが、別の学校だとそうはいきません。

親の負担を考慮すると、同じ学校にいてくれるのはありがたいのかもしれませんね。

ルールや段取りを知っていると見通しが持ちやすい

同じ学校であれば、行事や学習スケジュールの見通しを持ちやすかったり、先生にも馴染みがあるかもしれません。
また、同性であれば、学校指定の制服や鞄などを共有できることもあります。

また、仲がいい兄弟の場合、テストの過去問や指定校の情報などを上の子から下の子に教えてあげる、なんていう話もお聞きします。

姉弟出典:stock.adobe.com

 上の子が同じ学校だからこそ、得やすい情報はあるかもしれません。

兄弟姉妹の学校が異なるときのメリット

学校内で兄弟と比較されない

同じ学校だと、学年は違っても大まかな目安としては比較しやすいので、「お兄ちゃんは去年こんなに順位が低くなかった」「お姉ちゃんはもう試験対策始めてるよ」などと比べやすくなります。

私自身には姉がいるのですが、小学校の時は姉の友人が妹である私を見にきて嫌な気持ちになったり、親から比べているわけでもないのに勝手に姉に対して対抗心を抱いているときがありました。

ですが、中学以降は異なる学校に進み、それぞれのペースで勉強し、まったく異なる人間関係をもつようになり、姉の存在は気にならなくなりました。

学校が異なると、学習のレベルも校風も異なるので「自分は自分」と割り切りやすくなるかと思います。

親子ともに視野を広く持てる

兄弟で同じ私立の学校に通っていると、自然と価値観も似てきやすいもの。
休日の過ごし方やお金の使い方、進学先など、ある程度の型やレールがあるので、馴染みの環境にいてくれると親は安心かもしれません。

ですが、大学に進学したり、社会に出て働き始めると、今まで過ごしてきた環境がごく一部の世界であると気づく人も多いです。

子どもたち出典:stock.adobe.com

私立中学であれば、生活にある程度余裕がある家庭が多い一方、公立には様々な層の家庭の子がおり、価値観もより多様になってきます。
より広い視野を持ち、社会に柔軟に対応する力を養う点に目を向けると、公立の方が、社会に出たときに近い感覚を得られるかと思います。 

兄弟姉妹の学校が異なると、幅広いコミュニティに触れられるので、親子ともによい影響を受けやすいかもしれませんね。

周りに流されず、その子の最適解を見つける 

親族の圧力や、地域の風潮、「中学受験が人生を分ける」などSNSで見かける極論。
限定された価値観に強く影響を受けていると、視野が狭くなってしまいます。 

これもまた、ひとつの極論になるかもしれませんが、結局のところ私立も公立も、受験するしないも、正解はありません。

短期的に見たとき、子どもの笑顔が多くなりそうな学校は?
長期的に見たとき、子どもが将来に希望を抱けそうな学校は?

女子学生出典:stock.adobe.com

短期的・長期的視点で考え、兄弟それぞれにとっての最適解を見つけていけるといいですよね。

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著者

yuko

yuko

臨床心理士・公認心理師。現在は小児の総合医療センターと大学の心理教育相談センターにて勤務。児童期から思春期の子どもへのカウンセリングやプレイセラピー、子育てに悩む保護者の方への育児相談を専門にしています。色彩心理学やカラーコーディネートについても学んでおります。

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