勉強するなら、適度に散らかったリビングで!
リビングはキッチンと繋がっている場合も多く、子どもの集中力を邪魔してしまう、と考えがちですよね。でも、生活音があったほうが人間の脳が活発になると、日本初の塾ソムリエとして活動する、西村則康先生はおっしゃいます。
「子どもが一人で親の目が届かない場所で勉強すると、マンガやゲームなどの誘惑にどうしても流されやすくなり、集中して勉強することができないのです」(西村先生)
とくにまだ小さいうちは、母親がそばにいるだけで安心するのというメリットも。また高学年になっても、そばにいる親にすぐ質問できたり、解けた問題を自慢できたりと、リビング学習はコミュニケーションの場としても、とても有効なんだとか。
「子どもの勉強場所として理想のリビングは、子どものモノである程度散らかっている空間です。高価な調度品で埋め尽くされていたり、完全に大人仕様の空間、すみずみまで整理整頓が行き届いている状態だと、子どもはあまりイキイキとしていません」(西村先生)
さらに快適な学習空間を目指すなら、リビングに置く時計はデジタルよりも、アナログ。さりげなく地理や歴史が学べるよう、地球儀などを飾っておくことも効果的。その代わり、注意力が散漫になるゲームやマンガは、見えない場所に収納しておけばバッチリ!?
鉛筆の握り方次第で、人生が変わる!?
リビングで勉強するからこそ、新たに見えてくる問題があります。それが「鉛筆の持ち方」。そんなこと? と思われがちですが、実は学習の能率に大きく関係しているんだとか。
「鉛筆の持ち方が悪いため、損をしている子どもをたくさん見てきました。鉛筆の持ち方が悪い子は、ほとんどの場合、鉛筆を縦に持っています」(西村先生)
鉛筆の持ち方が悪いと、安定感がなく動かせる範囲も狭くなるので、書いていてとても疲れるんだそう。そのせいで、勉強が長続きせず、その結果、成績が芳しくないという結果に……。
「こう言った基本的なことを直すだけで、点数が上がる子どもがかなりいるのです。いわば、鉛筆の持ち方が人生を左右するといっても過言ではありません」(西村先生)
鉛筆の正しい持ち方は、鉛筆を持った状態を上から俯瞰で見て、鉛筆が斜め45度になっている状態です。さらに、その状態のとき、片目で鉛筆の先を見てください。正しい持ち方なら、左右どちらの目でも、鉛筆の先を確認できるはず。もし片目でしか見えないのであれば、持ち方が正しくないということ。
学んだ知識を、脳に定着させる魔法の一言「教えて」
学校で、塾で、家庭で、しっかり学んだ知識も、ちゃんと覚えていなければ、勉強の意味がありません。そのためにあるのが「復習」ですが、簡単でより効果的な魔法のような方法があると、西村さんが教えてくれました。
「それは『お母さんに教えて』と促し、実際に子どもに説明させること。これが、もっとも有効な復習方法です」(西村先生)
実際に説明させてみると、わかっていたつもりの解き方が、実はただの部分的な暗記であったり。論理的に説明できないせいで、欠けていた部分に気がつくことができたり、子どもが自ら気づくことができるんだとか。
また、親との立場が普段と逆転することで、楽しく学習ができ、親との楽しい言葉のやりとりや表情により、しっかり記憶へと刻まれていくそうです。
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教えてくれたのは:「伝説の家庭教師」西村則康さん
40年以上中学・高校受験指導の現場で活躍し、延べ2,500人以上を超有名中学に合格させ、伝説の家庭教師と呼ばれる。現在は日本初の「塾ソムリエ」としてメディアにも多数登場。最新著書『わが子が勉強するようになる方法』(アスコム)が、新たな中学受験のバイブルになると話題に。