幼稚園で喧嘩が起こる理由
幼稚園・保育園に入園すると、同年齢の友達と仲良く遊ぶスキルを求められます。
集団生活では思うようにいかない場面が多くなり、イライラ・モヤモヤする気持ちも増えていくもの。
3歳では物や場所の占有が喧嘩のきっかけとなりやすく、4歳ではルール違反・物の取り合いなどでぶつかりやすいようです。
子どもは3歳を過ぎたあたりから、「他者は自分とは異なる存在であり、互いに違う心をもつ」ことを理解していきます。
そして友達と一緒に遊ぶ中で、「思うように物事が進まなかったとき、どう折り合いをつけていくか」少しずつ学んでいくのです。
「~のせい」ではない
家では見せない子どもの姿を聞くと、”家で見せているのは本当の姿じゃないのか?”・”この子は友達に手を出す子なのか?”など、子どもを信じられなくなる気持ちが生じるかもしれません。
また友達に優しくできなかったわが子を見て、”誰に似たんだろう‥”・”親の育て方が悪かったのか?”と親に責任の所在をもっていくときも。
ですが社会性を身に着けていく時期、「喧嘩」や「もめごと」は起きて当然のもの。
子どもの成長に欠かせない出来事です。
「喧嘩」=「攻撃・乱暴」と決めず、”どんな葛藤があったのか”に焦点を当てていくのが大切です。
子どもが友達を傷つけてしまったとき、思い出したい3つの対応
まずは言い分を聞く
友達に手を出してしまったとき、二度としないように注意するのはもちろん必要です。
ですが、即座に「加害」と決めつけてしまうのは少し危険。
子どもの世界にも各々の背景があり、「何か」を傷つけられたから手を出してしまうケースも多いです。
「何か」は子どもにとって、すごく大切にしているおもちゃや時間、マイルールかもしれません。
「自分と相手が何をしてたのか」「どうして手をだしたのか」。言い分を聞いてあげるのも大切なんです。
主張の方法を伝える・練習する
大人も子どもも、感情が高ぶっているときに大切な話をしてもうまくいきません。
落ち着いて、気持ちが安定しているときに振り返りをするのがおすすめ。
「友達が順番を無視してきたとき、どうしたらいいかな?」
「いじわるな言葉を言われたときは?」
「楽しんでいる遊びを邪魔されたら、なんて言えばいい?」
場面を設定して、ロールプレイをしながら身に着けていくと効果的です。
「そんなことしちゃだめ!」と言うのではなく、「そうやって言われると悲しいな」「叩かれたらすごく痛いからやめてほしいな」と気持ちを伝えると理解しやすくなります。
絵本を教科書にして、一緒に読んで学んでみるのもおすすめです。
相手を傷つけたときはまず「ごめんね」。そのあとに、仲直りをする方法、交渉する方法まで身につけていけるといいですよね。
終わったことは引き合いに出さない
子どもに注意するとき言ってしまいがちなのが、「また」「いつも」「やっぱり」。
よくない癖を繰り返し、似たようなことで毎回叱っていると、つい口に出してしまいます。
ですが、「いつも」や「やっぱり」と、レッテルを貼ってしまうと、”どうせ自分は”と自信がなくなってしまいます。
過去に生じた失敗や間違いは引き合いに出さず、目の前にいるわが子を見て、「今した悪いこと」を叱るのが大切です。
「失敗」と「学び」を繰り返して成長していく
何をしたら相手が喜ぶのか、自分がどうしたら相手を傷つけてしまうのか。
相手が変わると受け止め方が変わり、状況によっては対応を変えなければいけない。
大人であっても、コミュニケーションで躓いてしまうときはありますよね。
失敗と学びを繰り返して、対人スキルは少しずつ向上していきます。
思いやりを育てていくために、できるだけ温かい言葉で諭していけるといいですよね。