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わが子が“苦手なこと”に悩んでいたら伝えて欲しい「欠点は伸びしろ」「短所は創造の源」だということを。

家族・人間関係

 わが子が“苦手なこと”に悩んでいたら伝えて欲しい「欠点は伸びしろ」「短所は創造の源」だということを。

2022.07.31

欠点、コンプレックス。きっと誰にだってひとつやふたつはあるはず。 もしも自分の子どもが「泳ぐのが苦手」「算数ができない」「人前で緊張する」「背が低い」など、自分の苦手やコンプレックスに悩んでいたらどうしますか。 「短所よりも、長所を徹底的に伸ばそう!」 とはよく言われますが、じゃあ短所は放って置いてもかまわないのだろうか?? 短所とコンプレックスだらけだったぼくが親になった今。 それらとの付き合い方を、自分の子どもにどう伝えてあげたいか。 それは「欠点は伸びしろ」「短所は創造の源」ということです。

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特集:親も子も幸せになるための「子育て」

欠点はポテンシャルでしかない!

「子どもの『好き』を徹底的に応援してあげよう!」
親なら誰もが一度は聞いたことのある話かもしれません。
苦手なことに時間をかけるよりも、好きなことに触れる機会をどんどん増やしてあげる。すると、その好きなことを極めるために、苦手なことも必要であると気が付き、そっちもがんばるようになる。

例えば。
サッカーばかりやっていて勉強は全然しなかった子ども。でも留学を視野に入れた時、英語が話せないとサッカー留学ができない、と気がついて英語や留学のための勉強を猛烈にがんばりはじめた。とか。

そうした話はよく耳にするし、子どもの長所こそどんどん育んであげたいのは、もはや当然の話です。

でも、サッカーをやっていたら本当にいつか巡り巡って勉強をするようになるのか? それは誰にもわかりません。わからないから、親は不安になるんだと思います。

サッカーボールと子ども出典:stock.adobe.com

「欠点・短所」って何なんだろう? どうしてあげればいいんだろう?

この疑問は「得意・欠点」のフォーカスを小さくすることで少し見えてきます。

たとえばサッカーと一口で言ってもそこには様々な要素があります。ポジション、個人技、戦術の理解。
たとえば、シュートは得意だけど、パスは苦手な子もいるかもしれません。
でも、シュートだけ練習して、パスは放っておいていいわけじゃない。

ちょっと、うちの娘の話をしたいと思います。
いま娘は水泳の練習中。ビート板を持って、バタ足をやっています。でも、何度やっても膝が曲がったまま。
バタ足は膝をしっかり伸ばして、お尻の付け根から足を動かさないと上手になりません。

水泳を習う子ども出典:stock.adobe.com

「欠点」とは。上達、成長のための改善ポイントなのです。
パスがうまくなれば、もっと実力を発揮できるようになる。
足をしっかり伸ばせれば、泳ぐのがもっとうまくなる。

では、もしも「欠点が見当たらないのにできない」状態だったらどうでしょうか。
シュートもパスもドリブルもうまい。けど、試合で活躍できない。
足もしっかり伸ばしてバタ足できる。でも、泳げるようにならない。

その場合、本人や周りがすることは「欠点」探しです。
いえ、この場合それを欠点とは言わないで、「改善点」と呼ぶかもしれません。

つまり、「欠点・苦手」が見えているということは。
それがその子の成長のポテンシャルだと思うのです。

べつに全部をそつなく補うのがいいと言うことではありませんが、欠点や苦手があるほど、成長のためのポテンシャルが明確に見えている、ということと言えるかもしれません。

短所は創造の源

一方でぼくには、自分の力では克服できないコンプレックスも色々ありました。
それは、人によって身体的なコンプレックスだったり、性格的なことだったりするかもしれません。

背が低いことで悩んでいる子に「君には背が高くなるポテンシャルがある!」なんて、言ってもどうしようもありませんね。

そうしたコンプレックスは、じつはオリジナリティの源泉になると思うのです。

コンプレックス出典:stock.adobe.com

Jリーグ横浜FMの仲川輝人選手。彼は161センチという小柄な身長。でもJリーグ歴代最小でMVPを獲得したり、得点王になったりと大活躍の選手。本人も「大きな選手に憧れたこともある」とインタビューで答えています。でも、その体格を活かしたテクニックを身に着け、大きな選手にはできない独自のスタイルを身に着けているのです。

自分の顔にコンプレックスを持っていた人が、オリジナルのメイク術を編み出して有名になったりすることもあります。

コンプレックスとうまく付き合う方法は、そのコンプレックスと仲良くなることです。

小柄なのに大活躍をしているアスリートはたくさんいます。では、彼らが競技平均以上の体格を持っていたらもっともっと活躍できたでしょうか? そうとは限らないと思います。彼らは「小柄」だという短所をオリジナリティの源泉としたからこそ、すばらしい活躍ができたのではないでしょうか。

もとから自分の顔に自信があったら、メイク術を極めようなんて思わなかったかもしれません。人並みのメイク技術では、そこにオリジナリティは生まれないでしょう。

すべてのコンプレックスを、誰もが仲良く受け入れることができるわけではありません。
でも、その短所や苦手や欠点まで含めて。
「それらも込みで、それが君らしさであり、魅力なんだよ」と、親としては受け入れてあげたいと思うのです。

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著者

三木智有

三木智有

NPO法人tadaima!代表 日本唯一の家事シェア研究家/子育て家庭のためのモヨウ替えコンサルタント 家事シェア研究家のnote:https://note.com/tomoari_miki

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