SNSの「ライブ配信」子どもが視聴・配信したくなる理由【知っておきたい子どもの気持ち】

家族・人間関係

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2023.10.29

臨床心理士・公認心理師のyukoです。リアルタイムで不特定多数に発信できるのがライブ配信が流行中。一方、夜中にライブ配信を始める子や、そのライブ配信を見たがるわが子を心配する親御さんは多いよう。また、わが子が「ライブ配信したい」と言い始めたら親としてどのように対応したらよいのでしょうか。未成年のライブ配信について背景と共に考えていきます。

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夜中にライブ配信している子って大丈夫なの?

Youtubeでは、13歳未満の子どもはライブ配信が禁止されており、かつ、18歳未満の未成年は22時以降の配信を禁止しています。
TikTokでは、2022年より時間を問わず18歳未満はライブ配信ができなくなりました。

一方、Instagramは13歳以上からアカウントを作れ、ライブ配信に関する制限は特にありません。他にも、未成年者がライブ配信できる「ミラティブ」や「ミクチャ」などのアプリは年齢にも時間帯にライブ配信の制限がかかりません。

また家族のアカウントを利用すれば、未成年に関するルールにのっとらず、アクセスしたり、ライブ配信などができてしまうんですね。

ライブ配信する子出典:stock.adobe.com

各家庭によってルールや方針、教育観が異なるので、利用方法に口出しするのはなかなか難しいもの。

一方、深夜にライブ配信をする子と仲良くして影響を受けたり、わが子が似てきたらどうしよう……と感じられる親御さんは多いようです。

ここからは子どもと「ライブ配信」の付き合い方について考えてみます。

どうしてライブ配信を見たいのか。

友達同士で楽しむ様子を身内に向けて配信したり、中高生の間で人気のインフルエンサーが一人で不特定多数に向けて配信するなど、楽しみ方は様々。

仲の良い友達や「推し」がライブ配信をすると言ったら、見逃せないですよね。
録画が普及した平成世代には理解が難しくても、深夜ラジオを聞いていた昭和世代の方であれば意外と納得いくところがあるかもしれません。

ライブ配信を見る子出典:stock.adobe.com

一度逃したら二度と聞けない。
ライブ配信にもそのような「逃がせなさ」があるんですね。

加えてライブ配信では、「推し」がコメントを見てくれるかもしれないという千載一遇のチャンスもあります。
また、友達がライブ配信する場合、配信側は誰が視聴しているか見えるので、見ていないと「なんで見てくれなかったの?」と言われてしまいかねないんです。

これらが「今見ないといけない!」と子どもが主張する理由になっているんですね。

ライブ配信をしたくなる理由

なぜ配信をしたがるのか。その理由は現代らしい様々な理由があります。

一つはSNS投稿の延長。見てほしい、知ってほしい、誰かに影響を与えたい。そのような気持ちがあるのではないでしょうか。

もう一つは、リアルタイムでのやり取りを楽しみたい気持ち。配信は、一方的に見せるものもあれば、視聴者からの質問にリアルタイムで受け答えするものもあります。

また、人気度や注目度は「いいね」の数やコメント数、フォロワー数で可視化できる時代。アプリによっては投げ銭機能などがあるものも。

「私は認められている」と実感しやすい機能が、若者をますます夢中にさせているんですね。

承認欲求出典:stock.adobe.com

わが子が「ライブ配信をしたい」と言ったら?

ライブ配信ができるアプリはInstagramやTikTokなど知名度が高いものだけでなく、世代やコミュニティによって流行しているものが異なり、様々な種類があります。

親世代が聞いたことない名前のアプリを子どもが入れようとし、親が不安に思っていても、クラスの女子大半が使用しているなんてこともあるようです。

一方で、未成年が不特定多数に向けて配信してしまった動画が、見知らぬ視聴者に録画され、デジタルタトゥーとして残ってしまうトラブルもよく耳にします。

困る子ども出典:stock.adobe.com

特に不特定多数と繋がることのできるアプリを利用する際は、子どもが勝手にインストールせず、親と共有しながら利用していく必要があるのではないでしょうか。

また、「ライブ配信はリアルタイムに流れるだけの気軽なもの」「その場で見ていない人には関係ない」と思っている子も多いよう。

しかし実際は、PCで見てスマホで録画する、その録画を拡散する、などのことは誰でも容易にできてしまいます。

またライブを配信する側は、その場でライトな受け答えをする中で失言してしまったり、深く考えずに話してしまうときもあります。

ライブ配信のリスクや危険性を十分に理解したうえで、視聴者を知り合いに制限する、時間を決めるなど、各家庭でのルールを話し合っていくのがおすすめです。

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著者

yuko

yuko

臨床心理士・公認心理師。現在は小児の総合医療センターと大学の心理教育相談センターにて勤務。児童期から思春期の子どもへのカウンセリングやプレイセラピー、子育てに悩む保護者の方への育児相談を専門にしています。色彩心理学やカラーコーディネートについても学んでおります。

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