気づかない間に子どもに対してヒステリックになっていませんか?要チェック!

家族・人間関係

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2023.06.29 更新

臨床心理士・公認心理師のyukoです。何でもない言葉にお母さんがヒステリックに返してくる、そんな「お母さんヒス構文」が今話題になってるんです。「お母さんヒス構文」とは一体。そしてなぜ「ヒス構文」となってしまうのかを考えてみます。

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もくじ

「お母さんヒス構文」とは?
「お母さんヒス構文」あるある
話題が飛躍する
論点をすりかえる
被害者になる
極端に解釈する
共感と自戒の声があがっている

「お母さんヒス構文」とは?

芸人のラランドさんがラジオで紹介し始めたことから、今ネットでは「お母さんヒス構文」がふつふつ話題となっています。

「お母さんヒス構文」とは、「お母さんが論理を飛躍させたり、論点をすり替えて、ヒステリックな語気で相手に罪悪感を抱かせるような構文」。
要するに、お母さんが機嫌の悪いときやキレたときに言いがちなあるあるといったところでしょうか。

怒る母出典:stock.adobe.com

ネタとして面白おかしく書かれているものもあれば、実際に言われたのかな?と思わせるようなリアルなものまであり、SNSで今バズっているようなんです。

どこかで聞いたことある、また、キレたときに言ってしまいそうな「お母さんヒス構文」。
少し極端な例を紹介していきながら、なぜヒステリックに言ってしまうのかを考えてみます。親として「自分はどうかな?」と考えてみてくださいね。

「お母さんヒス構文」あるある

話題が飛躍する

子「〇〇ちゃんの家の麦茶が美味しかったなあ」

母「うちの麦茶はまずいってこと? じゃあ〇〇ちゃんの家の子どもになれば?」

麦茶の話をしていただけなのに、じゃあ友達の家の子どもになればいいと話題が飛躍したら、子どももびっくりですよね。

きっとこのお母さんは‟他の家庭と自分の家庭を比べられた”と感じ、‟うちの方が劣っていると遠回しに伝えてきたんだ”と解釈したんですね。
日々どこかで感じている、他の家庭に対する劣等感が現れたといえます。

論点をすりかえる

子「外の子どもの声がうるさくて勉強に集中できないや」

母「あんたの集中力がないからじゃない? どうせお母さんの声もうるさいって思ってるんでしょ。遠回しにお母さんのこと邪魔って言いたかったんだよね。」

子どもは「外の子ども」に対して愚痴を言っただけなのに、お母さんはその矢印を「お母さん自身」に向けて受け取ってしまったんですね。

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このように矢印を自分に向けてしまう瞬間は、意外と日常にも潜んでいるのではないでしょうか。

職場で同僚が誰かの悪口を言っていたとき、‟その内容って自分にもあてはまるかも。私のことも悪く思ってる?”と感じたり。
「〇〇さんは仕事速いから助かるわ~」と上司が言っていたとき、‟私は仕事遅いって言いたいの?”と受け取ったり。

言葉を文字通り受け取れず、自分にあてはめてしまう傾向は誰しもがやってしまいがちなものなのかもしれませんね。

被害者になる

夫婦喧嘩をしているとき、

子「二人とも、ちょっとそれは言いすぎなんじゃない?」

母「あんたどっちの味方なの? どうせパパの味方なんでしょ。ママはどうせうちの家政婦でしかないんだもんね。」

味方か敵か、白か黒か、で考えてしまうと自分自身も周りも辛くなってしまいますよね。
怒っているときやイライラしているとき、人は極端に考えてしまいがちなもの。
そして、「どうせ自分なんて」とネガティブな気持ちが止まらなくなってしまうんですね。

極端に解釈する

子「お弁当の量がちょっと多いんだけど」

母「はいはい、ごめんなさいね。じゃあお弁当もう作らないので自分で何とかしてください。」

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皮肉のように謝って会話を終了されてしまうと、子どもはなす術がなくなってしまいますよね。

ですが一方で、お母さんが気を悪くしてしまうのは、子どもの言い方も関係しているのかもしれませんね。
不満げに言われると「こっちだって朝早くから作ってあげてるのに」とイラっとするかもしれませんが、遠慮がちに言われれば素直に受け取れるときもあるはず。

親子であっても人と人。コミュニケーションにはコツとタイミングが重要ですよね。

共感と自戒の声があがっている

「自分の親だけが言ってるわけではなかったんだ」と共感してほっとする方もいれば、「機嫌悪いとき、自分も言ってしまってるかも」と反省する親御さんもいるようです。

親であっても一人の人間なので、子どもに対して感情的になったり、子どもの発言を消極的に捉えたりしてしまうのはあるあるですよね。
ネタとして、ライトな形で世間にシェアされ始め、気持ちが軽くなった方は多いのではないでしょうか。

「あ、お母さんまたヒス構文言ってる(笑)」「ヒス構文言っちゃったかも(汗)」など、軽めに流していけるといいですよね。

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著者

yuko

yuko

臨床心理士・公認心理師。現在は小児の総合医療センターと大学の心理教育相談センターにて勤務。児童期から思春期の子どもへのカウンセリングやプレイセラピー、子育てに悩む保護者の方への育児相談を専門にしています。色彩心理学やカラーコーディネートについても学んでおります。

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