子どもがひとり増えたらどれくらい支出が増えますか
「子どもがひとり増えたらいくら支出が増えるんだろう…」
幼いお子さんがいるご家庭だと、そんな悩みを抱えている人も多いかもしれませんね。
私はこれまで1000件以上の家計相談にお答えしてきましたが、「もう一人子どもが欲しいけど、お金のことが心配でなかなか踏み切れない」という人からの相談もよくいただきます。「子どもとお金の悩み」は切っても切れない深い関係があります。
今回のご相談は「子どもがひとり増えたらどれくらい支出が増えますか」ということですが、その答えはズバリ「人によって違います」ということ。
ただ、それでも平均的な金額というのはある程度出すことができますので、今回は平均的な金額をみながら一緒に考えてみましょう。
アドバイス1.子どもにかかる第一の支出は学費などの「教育費」
子どもがひとり生まれたら、まず皆さん思い浮かべるのは「学費」などの「教育費」ではないでしょうか。
以前↓こちらの記事でも紹介したのですが、子ども一人育てるのにかかるお金は膨大です。
「子ども一人につき教育費はいくら貯めればいい?」家計の悩みにプロが分かりやすく回答します!
以前の記事から、年間の学費を抜き出してみますね(※1)。
(公立)
公立幼稚園 22万3,467円
公立小学校 32万1,281円
公立中学校 48万8,397円
公立高等学校(全日制) 45万7,380円
国立大学 81万7800円(授業料53万5800円 入学金(初年度)28万2000円)
(私立)
私立幼稚園 52万7,916円
私立小学校 159万8,691円
私立中学校 140万6,433円
私立高等学校(全日制) 96万9,911円
私立大学 133万6033円(授業料 90万4146円 入学金(初年度)24万9985円 施設整備費18万1902円)
※1 引用元:文部科学省「平成30年度子どもの学習費調査」、文部科学省「私立大学等の平成30年度入学者に係る学生納付金等調査結果について」
月の支出で考えると、以下のようになります。
公立幼稚園 月約1万8637円
公立小学校 月約2万6773円
公立中学校 月約4万699円
公立高等学校(全日制) 月約3万8115円
国立大学 月約6万8150円(初年度) 月約4万4650円(初年度以外)
(私立)
私立幼稚園 月約4万3993円
私立小学校 月約13万3224円
私立中学校 月11万7202円
私立高等学校(全日制) 月8万825円
私立大学 月約11万1336円(初年度)月約9万504円(初年度以外)
例えば、子どもがひとり私立幼稚園に入ったら、平均月4万4千円が今の家計にプラスされるといった具合に考えると分かりやすいと思います。(最近は幼児教育無償化が始まっていますので、幼稚園の平均額は今後変わる可能性があります)
大学の費用は高額になるので、貯蓄で賄うとして、高校までは今のやりくりに月これぐらいの支出が追加されても払えるかどうか考えてみると参考になりますよ。
アドバイス2.学費だけじゃない子どもの費用
上記では子どもの学費について紹介しましたが、皆さんご存知のように子どもの費用は学費だけではありません。子どもが大きくなるにつれて、食費、日用品費、衣服費、レジャー費、通信費、医療費、小遣いなど様々な支出が増えていきます。
上記で紹介した学費プラス生活費なども増えることを想定しておきましょう。
また、お子さんがひとりではなく2人、3人といらっしゃるなら、お子さんが増えるごとに支出も増えていきます。
子どもの費用で破綻しないために
子どもの学費だけでも、単純に計算して子ども一人につき公立高校なら月約4万円、私立高校なら月約8万円の支出が増えることになります。
実は、「子どもが小さかった頃は、年間100万円以上余裕で貯蓄ができていたのに、子どもが大きくなるにつれてやりくりができなくなってきた」という家計相談は非常に多いのです。
お子さんの年齢とともに収入もあがっていれば多少支出が増えても問題にならないことも多いのですが、お子さんが大きくなっても収入が思うように上がらず、お子さんが大きくなるにつれて借金が膨らんでしまう方も多いので注意しましょう。
このような家計にならないために、日頃から夫婦でお子さんの進路のベクトルを合わせたり、お子さんが小さいころに油断しすぎないような家計管理が大切になります。
まとめ
お子さんがひとり増えると、上記の通り最終的に月約10万円以上支出が増えることも良くあることです。
上記の試算はあくまで簡易的な例ですが、参考にしていただければと思います。
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