40歳からは「素直さ」が大事
17歳でモデルデビューし、70歳を迎えても現役のモデルとして活躍している我妻マリさん。
19歳からオート・クチュールモデルとして10年間の経験を積み、1977年にパリコレクションへ進出。数々のショーに出演し、日本人モデルがパリコレへ進出するきっかけを作った女性です。現在はモデルに加え、画家や講師などとしても活躍されています。
そんなマリさんは、本書で「40歳からは素直さが大事」だといいます。若いときは自己中心的に物事を考えてしまいがちですが、年齢を重ねていくと、それだけではうまくいかないことに気付きます。そんなときに、“それはやめたほうがいい”と助言をされたら、素直に受け止める気持ちが大事だといいます。
またマリさんは、「自分を大切にすることも忘れてはいけない」といいます。“自分を大切にする”とは、「自分を丁寧に扱うということ」。自然に身をまかせることができる“しなやかさ”は、色気に繋がっていくとも。
うまくいかないと思うときは1輪の花を飾る
生きていれば楽しい日もあればそうでない日もあります。
マリさんは“最近うまくいかないことが続くな”と思ったときは、まず部屋の掃除で“気”を入れ替えるそう。整理整頓された部屋に自分の身を置くと、感覚が研ぎ澄まされ新しいアイディアが生まれるといいます。
部屋がきれいになったら、次に小さな花瓶を用意してそこに花を飾り、毎朝お水を替えることを意識。お花屋さんで買うなら薔薇やカサブランカを少しだけ。もしくは、家の周りに咲いている小さな花でもいいそう。水を変えたり話しかけているうちに、自分を大事にする感覚を思い出すといいます。
さらにマリさんは、「自分を大事にすると、相手からも大事にされる。相手から大事にされている感覚があると、もっと自分を大事にしようと思う」と教えてくれます。たった一輪の花の世話することで、何気ない暮らしにも彩りがプラスされます。そして、自分の気持ちまで前向きにしてくれる—。
気持ちが少し後ろ向きになっている時期に参考にしたいですね。
女は灰になるまで色気を持たなきゃ
ここのところコロナ禍で、少しおしゃれをすることに縁遠くなってはいませんか?
マリさんは、自分のことを可愛いらしく見せたい、チャーミングに見せたいと思う欲は、何歳になっても持つべきだといいます。
「ネックレスをつけたりスカーフを巻いたり、おしゃれで自分の気持ちを盛り上げることは大事。そして、誰かに会うときにはお化粧をして香水をつける。相手のためにも自分を綺麗にすること。また、相手に綺麗にしてきてもらえたら『私のために装ってきてくれたんだな』と自分も元気をもらえます」と。さらにマリさんは、「せっかく女に生まれたんだもの。女は灰になるまで色気を持たなきゃ!」と力強い言葉で私たちに勇気をくれます。
明日はもっと面白くなるかもしれないじゃない?
厚生労働省のまとめによると、日本人女性の平均寿命は87.45歳(2019年調べ)と過去最高を更新しました。また、「人生100年時代」という言葉も最近よく耳にします。冒頭でもお話しましたが、saita世代の人生はまだまだこれから。ワクワクするか、逆に後ろ向きに考えるかはあなた次第ですが、人生の先輩でもあるマリさんは「受け入れる、けれど諦めない」といいます。本書はページをめくるごとにマリさんの濃厚で丁寧な生き方が読者に勇気を与えます。そして、読み終わったあとには、「あなたも大丈夫よ」と優しく背中をさすってもらえているような感覚になります。
心が疲れたとき、漠然な心配事に押しつぶされそうになったときには、マリさんが紡ぐ力強い言葉に元気をもらいませんか―。
【著者プロフィール】
我妻マリ (あずま・まり)
モデル
1967年、17歳でモデルデビュー。
広告、CF、ファッション誌、ショーモデルで活動。
19歳からオート・クチュールモデルとして10年間の経験を積む。
1977年にパリコレデビュー。イッセイ ミヤケ、ティエリー・ミュグレー、ジャン⁼ポール・ゴルチエ等、数々のデザイナーズブランドのショーにも出演。
現在はモデルとしての枠を超えて、画家、講師などユニークな才能を今も尚、発揮し続けており、圧倒的な存在感で、多くのファンに支持されている。
『明日はもっと面白くなるかもしれないじゃない?』
出版社:幻冬舎
価格:1500円+税
※表示価格は記事執筆時点の価格です。現在の価格については各サイトでご確認ください。