8割の家庭がシュフ型分担
ピジョン株式会社が運営する『ピジョン 育児イマLABO』が子育て中の共働き夫婦である全国の20~40代男女を対象に行った「イマドキ夫婦の家事・育児に関する調査」によると、夫が思う妻の貢献度は、家事・育児ともに9割以上! 妻が思う夫の貢献度は、家事約7割、育児は約8割と夫婦ともにパートナーの家事・育児の貢献度は高いと感じている傾向が明らかになりました。
そして夫婦の家事・育児の分担に関して2つの傾向があることがわかりました。
①どちらかがメインで行い、サポートする「シュフ型」
②それぞれの担当を分担する「シェア型」
家事→「シュフ型」が約8割(78.1%)、「シェア型」が約2割(21.0%)
育児→「シュフ型」が約8割(81.7%)、「シェア型」が約2割(18.3%)
家事・育児ともに「シュフ型」の家庭が約8割、「シェア型」の家庭が約2割ということが明らかになりました。
なお、家事・育児のシェア型式で比べてみると、「シェア型」の家事・育児の満足度はともに9割超え(家事:94.1%、育児92.9%)に対して、「シュフ型」の家事・育児の満足度はともに約8割(家事:76.2%、育児79.8%) となり、家事・育児ともに「シェア型」の満足度が高い結果となりました。
「ズレ家事・ズレ育児」を感じたことがある人が6割以上
パートナーの家事・育児への貢献度は高く、満足度もある一方で『1つの家事・育児に対して、前後工程のタスクで認識のズレを感じたことがありますか?』と聞いたところ、家事のズレ「ズレ家事」を感じたことがある人は63.6%、育児のズレ「ズレ育児」を感じたことがある人は60.8%ということが判明しました。
具体的な認識のズレとしては「食後、食器を洗うだけでなく、テーブルまで拭いてほしい。」や「お風呂を洗うだけなら誰でもできる。脱がせるところからスキンケアをして着替えさせてほしい」という声が。
また、家事ジャーナリスト 山田亮さんによると、「ゴミ出しという家事について、玄関に袋でまとめたものをゴミ捨て場に持っていくことをゴミ出しだという人がいる一方で、分別やゴミ袋の購入、ゴミステーションやゴミネットの片付けとかいろいろなことを含めてゴミ出しだという人がいて、ズレが生じる」という話を事例としてよく聞くそうです。
さらに、妻は夫が散らかして片づけない部分に不満を持っている一方で、夫はすごく背が高くて、妻が決めた片付ける場所が低すぎて片付けにくいというケースも。「技術的な問題とマインドの問題の両面を押さえて、どれにあてはまるのかというのを検証していく必要がある」と言います。
「夫婦間の会話」がズレ解消のカギ
家事・育児に対して認識のズレを感じている人と、感じていない人に、『1日当たりの会話時間』を聞いたところ、認識のズレを感じていない夫婦は、ズレを感じる夫婦よりも平均30分会話の時間が多いことが判明しました。
家事ジャーナリスト・山田さんは、お互いの基準を知り、認識のズレを小さくして動きやすい環境を作ることが大切だと言います。「妻が全部やってくれているものに関して、夫はあまり口出しできないんですよね。なので、やってくれている間はそれでよかったけど、自分がやらないといけない段階になって初めて『そこまでやらないといけないんだ』という認識のズレに気付くのです。こういうのを減らすためには、お互い溜めずに話をすることが大切です」
認識のズレを感じていない人に聞く
『ズレを感じないように気を付けていること』
家事・育児1位「相手の家事・育児に完璧を求めない」(家事:51.7%、育児:49.4%)
家事 2位「相手の家事・育児のやり方を尊重する」(46.0%)
育児 2位「家事・育児に関するコミュニケーションを増やす」(40.2%)
話さなくても通じるはNG!
山田さんによると、「男性は工程の全てを理解した方がよい人と、工程の中でちょっとずつ見せた方がよい人の2タイプあって、人によってどちらの方がやりやすいかが違うのですよね。その人のパターンに合わせて開示する方がいいですね」とのこと。家事も育児もその家だけのやり方であるはずなので、それぞれその家事の仕事の意味、重要度などを1つ1つを理解していくことが大切です。
先に不満をぶつけると人はその話をシャットアウトしてしまいがち。ワンクッション快適な情報を添えたあとに、言いたかったことを伝えるようにすると相手も受け入れやすいかもしれません。
【例】
「よい天気だね」
↓
「洗濯物の干し方を変えてみると乾きが早くなるかな」
↓
「干し方が違う」
一番まずいのは「話さなくても通じるよね」とコミュニケーションを怠ること。その都度話すようにすれば大きなズレが生じることは少ないでしょう。まずは夫婦間でなんでも思ったことを話せるように普段から会話の時間を増やすようにすることが肝心です。
お話を伺ったのは…
家事ジャーナリスト 山田亮 さん
1998年、当時大学助手だった妻と結婚。キャリアウーマンである妻を支え、主夫をしながら佛教大学博士課程に進学。
2001年、長女が誕生。ホームページ上で綴った家事・育児記録が新聞社の目にとまり執筆活動を開始。
ロジカルな視点で「楽に家事をする」方法 を日々実践し、「楽家事ゼミ」を主宰して情報提供や家事指導を行う。
夫婦それぞれ育った環境が違うので、家事・育児のやり方が少しずつ違うのは当たり前。でもその家庭、その夫婦ごとのオリジナルのやり方を二人で模索し、共有することが大切だということ。せっかく男性も家事・育児にポジティブになっているのだから、やる気を削ぐのではなく、二人でズレを解消していきましょう。
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