「幸福のチョコレート」カリスマバイヤーみりが語る「チョコレート愛」【連載#人生はチョコレート】

カルチャー

 チョコレート

2021.01.15

たったひと粒、口に入れるだけで、信じられないほど幸せな気持ちになれる。それがチョコレート。チョコレートを愛してやまないライターのみやむらけいこが、高級チョコレートからコンビニまで様々なチョコレートに会いにいく連載「人生はチョコレート」。第一回目は、ライターがチョコレートにハマるきっかけになったカリスマチョコレートバイヤーにインタビュー!

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人生はチョコレートに似ている。
―Life is like a box of chocolates.-
きちんと訳すと「人生はチョコレートボックスのようなもの」。
外国のギフトチョコには日本のように「答え合わせ用」のペーパーが入っていないので、食べてみるまで味がわからない…そう、ひと口かじって、または舌の上でゆっくり溶かして初めて「なるほど、ビターね」「おっと、アーモンドか」「そう来たか!キャラメル!」となるそうで、その状況を「何が起こるかわからない」と、人生に例えて表現されたようです。実は、有名な映画のセリフみたいなんですけど、いただいちゃいました(笑)。
人生はチョコレートに似ている…
さて、どんな出来事が待っているのでしょう。高級チョコからコンビニ、20円から100ドルまで…さまざまなチョコレートに会いに行きます。

カリスマチョコレートバイヤーを訪ねて

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まずはこの折られたページの数に驚いていただきましょう(笑)。こちら通販大手フェリシモが毎年発行しているチョコレート専門カタログ「幸福(しあわせ)のチョコレート」です。(一部チョコレートにちなんだ雑貨も掲載)そしてこのカタログの主は、この私です。こちらは毎年海外チョコレートだけを掲載されているのですが、もう10年以上もファンなので、だんだんとカタログを見る目もチョコレートを味わう舌も、そして身体もしっかりと肥えました。(涙)ああ、それなのに…掲載されている子たちが(ありがちな溺愛系擬人化)あまりにもチャーミングで、これ以上諦めることができません・・・。
20年以上に渡って、ここで紹介された「日本初上陸」のチョコレートは28カ国240店を超えるとのこと。流行や技術の最先端を行くハイブランドだけでなく、小さな町で愛され続けるローカルチョコ、日本で言うなら「ここの最中をお歳暮にしておけば間違いない」…そんな町の人々が信頼を寄せるチョコレートを発掘するのが、「幸福のチョコレート」のスタンス。実のところ、バレンタインシーズンにデパートでラインナップされる有名チョコレートたちの中にも、このカタログ出身の子がたくさんいるのです。

そんなチョコレート好きのバイブル「幸福のチョコレート」のカタログ制作からチョコレートのチョイスまでを担当されているのが「チョコレートバイヤーみり」こと木野内美里さん。この方なくしては、私のチョコレート人生は語れません!なので「親分!ち、ちよこ…チョコレートの連載やらしてもらいますっ!」とひと言ご挨拶をしておかねば…と思い?神戸のフェリシモ本社に伺いました。今回、コロナの影響で海外へチョコレート発掘に行けない状況の中、長年のチョコレートを探す旅をまとめた本を出版されたということで、その本のお話を伺いたかったのです。

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この表紙のチョコレートを見て「あ!ロワのアソートやん」と気づく50代のおばちゃんを世間はどう思うのかわかりませんが、そう人生はチョコレート。それぞれの味わいが人生の甘い時間やほろ苦い思い出と重なるのです。(たぶん)
幸福のチョコレートを」探しにどこまでも」(新潮社)。この本には、世界各地でのショコラティエ(チョコレートを作る職人さんやお店のこと)とのエピソードと、飛びっきりのチョコレートの話が紹介されています。随所に軽いノリツッコミが散りばめられ、まるで声が聞こえてくるかのような楽しさで数々のチョコレートストーリーが進みます。例えば、アムステルダムのあるお店では、日本どころか「海外にはどこへも出さない。この町からも出さない。」と頑固マダムにバッサリ断られ、スゴスゴと店を後にした経験もあったとか。ところが、名刺代わりに手渡した「幸福のチョコレート」のカタログをマダムが気に入り、後に無事に輸出可能になった!という大どんでん返し!も。ひとつひとつの物語にバイヤーさんのお仕事のご苦労とやり甲斐が伝わります。

世界はチョコレートで結ばれてる

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こちらの女性が、みりさんです。(この鮮やかなワンピースも自社商品とのこと)
お会いした日はちょうどインスタライブの日。この日はフェリシモ本社近くのレストラン「Dick Bruna TABLE」から配信されました。
「ナッツ系のオススメは?」「甘くないのはどれ?」「子どもと一緒に食べるなら…」どんどん飛んでくる質問にサクサクと笑顔で答えながら、世界のチョコレートにまつわるお話が続きます。日本とスイスのチョコレートが似ているのはなぜ?…ビーガンの人々が食べるチョコレートは…そしてオランダでは意外といじられているミッフィーちゃん、ムーミングッズは本場フィンランドより日本の方がはるかに豊富!なんていう女子ならではの興味深いお話が飛び出します。チョコレートそのものと、それにかかわる全ての人々のことをとても大切にされているのがわかります。


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ここで名言が飛び出しました!「私は幸福のチョコレートの秋元康やからね」そうなんです!そういうことです。ひとりひとりの個性をきちんと受け止め、全ての子たちのキャラがかぶらないように厳選して選んでいる!ということです。(よかった…擬人化していたのは私だけじゃなかった!)だから、「幸福のチョコレート」は毎年きちんとミルク、ビター、ナッツ、フルーツ…とあらゆるテイストが揃い、そしてルックスも華やかな美人からクールビューティーまでがずらり!と並びます。売れっ子の陰に名プロデューサーあり…というのはどの世界でも共通のセオリーです。

チョコレートの味を語らない理由

ところが意外にも、みりさんはチョコレートの味については、実はあまり語りません。その理由について「もちろん個性のある、おいしいものを厳選してカタログには載せていますが、人の味覚にはかなりの幅があって、甘みや苦みだけでも感じ方に大きな違いがあります。ひとりひとりのおいしさの基準を満たす為に、できるだけ多くの種類を揃えるようにしていますが、それに加えて職人さんのこだわりや、その土地の人々や町のことをお伝えしています」と、みりさんは言います。つまり、チョコレートを通じてその国や地域の文化やお店の特徴を語り、私たちがその個性を理解できるように導いてくれる…というわけです。あらかじめチョコレートのプロフィールを知っていれば「この国特有のハーブが使われているんだ」「さすがフランス!見た目も素敵」と具体的にその良さを感じることができ、味わい方に深みが出るのでは?とのこと。ふむふむ、全くその通り!実際に私もみりさんのお話を聞いて、苦手だと思い込んでいたナッツ系のチョコレートを買ってみたり、みりさんが出演されたNHKの「世界は欲しいモノにあふれてる」を見て、タスマニアのチョコレートを買い込み、バレンタインデーに配りました。そのことで、私の味覚は拡がり、周りの人からも大好評を得ることができたので、みりさんには感謝しかありません。

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と、ここまで書いたところで私のところにチョコレートが届きました!「タスマニアの素材が魔法にかけられてチョコになった、まさに芸術品」と、みりさんが絶賛する、これこそが昨年私がバレンタインデーに友チョコとして配った、コールリバーファームのベリーココナツチョコ。好評すぎて手元に1つしか残らず、充分に味わえなかったため、再購入したのです。それに加えて、偶然?必然?いや運命?ちょうどご紹介している「幸福のチョコレート」を探しにどこまでもの裏表紙にこのチョコレートの写真が!!
みりさんプロデュースのアイドルチョコたちを「味わってみたい!」なら「幸福のチョコレート」をチェック!(注文は1月31日までOKとのこと)
寒い冬を、厳選チョコレートとそれにまつわるあたたかな物語で、ほっこりのんびり過ごしせますように。

…次回はコンビニ・スーパーで手に入る「いつものコレ!大好きチョコ」のお話です。

※表示価格は記事執筆時点の価格です。現在の価格については各サイトでご確認ください。

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著者

みやむらけいこ

みやむらけいこ

ライター歴20年。「あなたに逢いに行きます」取材ではなく出会い、インタビューではなく会話。わかりやすい言葉で丁寧に「ひと」を伝えます。好きなものは、サーフィンと歌舞伎、主食はチョコレート。#人生はチョコレート

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