日本はとかく、食べ物の情報が溢れすぎている。それは楽しいことではあるけれど、時に義務感となってわたしたちを追い詰める。拙著『働くおうちの親子ごはん〜朝ごはん編』で取材させてもらったドイツ出身のマイケさんは「日本は食べ物の選択肢が多すぎて疲れる」とぼやいていた。ドイツでは晩にはパンとチーズ、ハムくらいしか基本的には食べないそうだから、そう思うのも無理もない。フランスに住む友人も言う。晩ごはんはサラダとスープで十分なのに、なんで日本は肉とか魚とか、やたらとごちそうを並べるの? そんな贅沢、別に毎日は必要ないのに。
食べたいものが浮かばない日は、トマトチーズサンドイッチだっていい。わたしはどちらかというと、野菜をいっぱい入れた味噌汁とごはんのほうがいいけれど。基本のごはんはこれ、と決めてしまえば「食べたいものが浮かばない」「考えるのも面倒」もきっと大した問題じゃなくなるだろう。こうして「ごはんは何にしよう」をいちど捨ててみるのもいいんじゃないかなあなんて考えている。
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