40歳からの人生を健康できれいに生きるために
――月曜断食と聞くと、ダイエットを目的に取りくむメソッドというイメージがあるのですが、ダイエット目的ではなくても月曜断食はおすすめだという理由を教えてください。
“アンチエイジング”という言葉を聞くと、老化を止めるとか、若返るというイメージを持つ方が多いと思うのですが、僕は、この言葉の本質は”美しく老いる“ということだと思うんです。人生100年と言われるこの時代、40代、50代は人生の折り返し地点ですよね。月曜断食は、酷使している胃腸を休めて、体が本来の機能を取り戻すことで体調を整える養生法です。ただ痩せたいというだけではなく、この先の健康を見据えて、体の根本から見直したいという方、体質を変えたいと考えている方にとてもおすすめなんです。
――20代、30代で不摂生をしすぎて、40代になって後悔することも多いと思いますが、月曜断食を取り入れることで、今からでも変われるのでしょうか。
20代の頃に50代の自分ってあまりイメージできないですよね。でも、40代になると、50代、60代の自分がなんとなくイメージできる。そのタイミングから自分の体を見直すというのはとても良いことだと思います。一番病気になりやすいのは、50代後半、60代前半と言われているんです。病気になってから、体を大事にしてこなかったことを後悔しても遅いですよね。だからこそ、40代からの人生をいかに健康的に過ごすかが、その先の健康寿命に関係してくると思うんです。
――なるほど。10年先、20年先の健康を考えたときには、40代の生活に「月曜断食」を取り入れる。それこそが、究極の健康法というわけですね。
月曜断食に行き着く方は、ただ痩せるということを目的にしている人は少ないです。ダイエットは痩せることが目的ですが、月曜断食は体質改善を目的としている方が多い。痩せる以外にも目的があるからこそ、月曜断食に挑戦するのだと思います。自分の体のケアや養生というのは、長い目で見ていかないといけないものなのです。
エストロゲン増加で更年期知らず!?
――実際に月曜断食を始めると、どのくらいで効果を感じるのでしょうか。
2か月ほど続けると、みなさん何かしら変化を感じています。体重が落ちるのはもちろんですが、それ以外に、目覚めがよくなったとか、月経痛が軽くなったとか、自律神経、ホルモンバランスが整ったという声が多いですね。健康診断で悪かった数値がよくなったという方も少なくありません。体調が以前より良くなったというのは多くの方が感じるようです。
――月経痛の軽減やホルモンバランスが整うというのは、なぜですか?
体の巡りが良くなってくるんです。東洋医学的な視点で言うと「瘀血(おけつ)」という子宮内の血の流れの悪さが改善されたということです。また、ホルモンバランスがよくなってきます。断食をやることによって、普段眠っている「サーチュイン遺伝子(抗老化遺伝子)」のスイッチがオンになり、アンチエイジングのホルモンと言われる成長ホルモンの分泌量が増えるんです。
――「成長ホルモン」、最近よく耳にします。成長ホルモンの分泌が増えることでどのようなメリットがあるのですか?
成長ホルモンの分泌が増えると、エストロゲンが増えます。エストロゲンが減ることが更年期や閉経につながるのですが、エストロゲンが増えることで、今まで婦人科系で不調を感じていた部分の改善を感じるんです。実は、閉経後に月曜断食をはじめたら、生理がまた来たという方もいます。それだけ、体に変化があるんですよね。
――実際、更年期中に月曜断食を始めると、その症状が改善されるものなんですか?
月曜断食を続けている方の中には、更年期知らずのまま過ごされる方もいます。エストロゲンが分泌される体を作れば、更年期だけではなく、冷え性改善、イライラの解消など、自律神経から起こる症状は改善されることも多いんですよ。
体の中が整っていないと効果は出ない
――それはすごい! 月曜断食がアラフォーに必要な理由がわかってきました。ところで、関口さんが、断食が良いと思った理由はなんですか?
僕の師匠は中国人で、消化器系の専門医なんです。僕が、自信を持って腰痛治療をしていた方がなかなか改善しなくて、師匠に相談をしたことがあったんです。そのとき師匠が「その人は、治す体になっていない」と言われたんです。「今日は、鍼をせずに帰して、1日何も食べないように伝えなさい」と。そのことを伝えると、「最近、飲み会が続いていたから、今日は何も食べずに寝てみます」と帰っていきました。次の日に来たら、治療をする前なのに「今日は腰が楽です」と言われて、そのときに断食は究極の健康法なんだと確信しました。
――食べなかっただけで、そんなに変化するものなんですね。
外からどんなに良いアプローチをしても、体の中が整っていないと効果は出ないんです。修復能力が低い状態では何をしても効果的ではない。だから僕は、当院にダイエット治療以外できた方にも夜断食を勧めています。食べて、消化することにエネルギーを使うのではなく、治療の効果を高め体を修復することにエネルギーを使ってくださいと言っています。
――お話を聞いていると、「明日からはじめよう!」という気持ちになるのですが、「断食=辛い」と考える人は多いと思います。1日中何も食べられない月曜日は辛い……とか、低血糖になってしまうのでは? とか、いろいろ始める前に気になることがたくさんあるのですが……。
月曜断食をすることにハードルを感じる場合は、まずは夜ご飯を食べないということからスタートしてみてください。週に3回夕飯を食べない日を作れば、1日断食したくらいの効果があると思います。月曜断食は、きっちりこうしなくてはいけないということではなく、自分に合ったやり方、スパンで取り組めます。月曜断食をやると痩せるので、体が変わっていくと解釈する方もいるんですが、実は体が変わったから体重が落ちていくんですよ。
大事なのは「期待しないでやってみる」こと
――月曜断食の効果が出にくい体質はありますか?
体質が全てではないのですが、これまで自分が良かれと思ってやっていたことが実はよくなかったということはけっこうあるんです。たとえば気の巡りが悪い人が休みの日にスケジュールを詰め込むと、予定通りに事が進まないときにイライラしたりします。そういう人は休みの日に何もしないほうが気の巡りがよくなる。自分の体質を知り、何の巡りが悪いのかを頭に入れておくことはとても大切です。気の巡りが悪い人の体が求めているのはリラックスだし、水の滞りがある体質の人は体に熱を生む食材や温める温活が必要なんです。
――まずは始めてみる。それが一番大切なんだと感じました。これから月曜断食を始める方に一言お願いします。
まずは、やってみることが大事です。始めからきれいに整えようと考える方も多いのですが、やりながらアップデートしていけばいいと思います。フレームに囚われすぎて、悩みが解決しなかったらもったいないですよね。
僕は、サロンに来てくださる方には、「やらかして全然OK」、「あまり期待しないでやってください」と伝えています。最初から意気込んで期待をするのは、自分でハードルをあげていることになって、「どうして痩せないの?」と負のスパイラルに入ることが多いんです。まず、最初の期待値をあげないことは大事です。
ハードルを低くしてあげることで、満たされやすくなる。承認欲求が高い人は、ハードルを下げることでだんだん楽しくなってくるはずです。大事なのは、「期待しないでやってみる」こと。そうすると、変わってきた自分を見て、もうちょっとやってみようという継続につながります。
関口さんのお話を聞いたら、月曜断食を始めない理由がないと感じました。40代こそやるべき月曜断食。健康できれいに! 美しく年を重ねていくために、まずは自分の体質を次回の記事でチェックしてみてください。
お話を伺ったのは……Harriet Ginza/TOKYO/Nagoya 代表 関口賢さん
Harriet Ginza/TOKYO/Nagoya 代表、一般社団法人HBA(Japan Health & Beauty Association)代表理事。
10万人の臨床経験を活かし、時代に合った新たな鍼灸の確立と多くの有名人にダイエットや体づくりをサポート。2010年に人々の健康に貢献することを理念として関口鍼灸治療院(現:Harriet Ginza/TOKYO/Nagoya)を開業。著書『月曜断食 「究極の健康法」でみるみる痩せる!』などの「月曜断食」シリーズは累計25万部を突破している(2020年11月時点)。
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