今年の冬は手荒れしやすい?その原因とは?
冬の季節は湿度が低く乾燥しやすいため、手荒れがひどくなりやすい季節です。
それに加えて、今年の冬は新型コロナウィルス感染予防のため、こまめな手洗い、アルコール消毒が行われることで例年よりも手荒れ症状に悩む人が増えています。
手荒れはさまざまな原因で起こりますが、手荒れを引き起こす主な原因としては、以下の4つが考えられます。
- 乾燥
- 手洗い
- 手につくものによる刺激:手荒れの約70%を占めます。消毒液、ハンドソープ、洗剤など、手につくさまざまなものが刺激になります。
- かぶれ:特定のものによるアレルギー反応として手荒れが起こることがあります。金属、ゴム製品、洗剤、シャンプーなどが多いです。
手荒れは、これらのうちのひとつだけが原因となる場合よりは、複数の原因が重なって起こる場合が多いです。
手荒れの対処法
手荒れを放っておくと手の皮膚のバリアが弱くなり、さらに手荒れがひどくなることがあります。手荒れへの対処は早めに行いましょう。手荒れへの対処法についてご紹介します。
手荒れの対処法1:こまめに保湿をする
手荒れは乾燥から始まることが多いため、乾燥対策を行うことで手荒れを予防することができます。ハンドクリームでこまめに保湿をするようにしましょう。寝る時にはハンドクリームをつけて綿の手袋などで保護しておくと保湿剤の効果が高くなります。
〈おすすめのハンドクリーム〉
- 乾燥が強い人:尿素やヘパリン類似物質が入ったハンドクリームは保湿力が高くおすすめです。尿素には角質を柔らかくする作用もあります。ただし、尿素はあかぎれなどの傷の部分には刺激になることがあります。(資生堂尿素ハンドクリーム、NALCヘパリンハンドクリーム)
- あかぎれが多い人:ビタミンE、B2、B6などが配合されているハンドクリームが効果的です。とくにビタミンEは皮膚の血行を改善する効果があります。(ユースキン)
手荒れの対処法2:外出時は手袋をする
冬の外気は手荒れを悪化させます。外出の際は手袋をして皮膚を保護しましょう。
手荒れの対処法3:手洗いのしすぎを避ける
手洗いをするたびに手の皮脂はとれてしうため、手洗いのしすぎは乾燥の悪化をまねきます。手洗いを必要以上にすることは避けましょう。また、手洗いの後は濡れたままにせず、しっかり水分をふき取ることも大切です。
手荒れの対処法4:消毒液の使いすぎを避ける
消毒液の刺激も手荒れの原因になります。消毒液がしみる場合は、低刺激性の消毒液(低アルコール濃度の消毒液など)を使うことをおすすめします。
手荒れの対処法5:水仕事の時はゴム手袋をつける
水仕事は洗剤の刺激もあり、手荒れを悪化させます。水仕事はまとめて行い、回数を減らしましょう。食器洗いは、自動洗浄機を使うこともひとつの方法です。
手荒れの対処法6:病院で相談する
手荒れの症状が強い場合は病院で相談しましょう。
病院で処方される薬としては、ステロイドの塗り薬や保湿剤があります。かゆみが強い場合は抗ヒスタミン薬の飲み薬を用いることもあります。
手荒れの対処法7:漢方薬による肌荒れ対策
「手荒れに悩まない体質を目指したい」そんな方には漢方薬がおすすめです。
「カサカサ肌荒れのかゆみ」「湿疹」「しみ」など、漢方薬はさまざまな症状に効果が認められています。
漢方薬は、症状と体質にあったものを飲むことでずっと抱えていた不調に、とても良い効果をもたらします。そうした症状の多くは、心身のバランスが乱れてしまったために起こるものです。漢方薬は、こうした全体のアンバランスをうまく調整し、体質改善を目指すものです。
バランスの取れた食生活や運動習慣を継続するのは大変という方でも、漢方薬なら、症状や体質に合うものを飲むだけなので、手軽に毎日続けることができますよ。
手荒れに悩む方におすすめの漢方薬をご紹介します。
- 当帰飲子:冷え性で乾燥肌の方の手荒れに用いられます。
- 温清飲:皮膚の色つやが悪く、のぼせやすい体質の方の手荒れに用いられます。
ただ、からだにやさしい漢方薬とはいえ、自分の体質に合っていなければ、良い効果が見込めないだけでなく、副作用がおきることもあります。自分に合う漢方薬を見つけるためにも、購入時には、できる限り漢方に詳しい医師、薬剤師等にご相談ください。
お手頃価格で不調を改善したい、という方にはスマホで気軽に専門家に相談できる「あんしん漢方」のような新しいサービスもおすすめです。AI(人工知能)を活用し、漢方のプロが効く漢方を見極めて、お手頃価格で自宅に郵送してくれる「オンライン個別相談」が話題です。
手荒れを解消して手荒れ知らずの冬に
手荒れの原因と対処法についてご紹介しました。
手荒れは早めの対処が効果的です。手荒れの原因となるものをできるだけ避けることと、こまめに保湿をすることを心がけ、手をいたわる生活をしてくださいね。少しの生活の工夫が手荒れの改善につながります。ぜひ試してみてください。
***
著者:金城 里美(皮膚科医/薬剤師)
東京大学薬学部卒業後、医師を目指して、東京医科歯科大学医学部に入学。体、精神とも関わって多様に現れる皮膚の病態に興味を持ち、皮膚科医の道を選ぶ。卒業後、大学病院、総合病院、クリニックでの皮膚科勤務を経て、一般皮膚科から美容皮膚科まで皮膚科領域の診療を幅広く行う。
現在、総合病院の皮膚科常勤医として勤務。3児の母。皮膚がより良くなることで、その人の毎日がより明るくなることを目指して日々診療を行う。
※表示価格は記事執筆時点の価格です。現在の価格については各サイトでご確認ください。