我が子を生きがいにしていませんか?ボーク重子さんに聞く「子どもが幸せに育つ秘訣」

家族・人間関係

2021.03.13

ライフコーチのボーク重子さんの新刊『子育て後に「何もない私」にならない30のルール』が話題となっています。帯に書かれた「母・妻・娘以外に『あなたの人生』には何が残っていますか?」という問いかけにドキリとする人もいるのでは? 40歳からの生き方について、著者であるボーク重子さんに直接お話を聞きました。

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ボーク重子さんボーク重子さん
ライフコーチ/非認知能力を育む教育法と科学的データをベースとした「自分らしい幸せな人生を勝ち取るスキル」を発信し、多くの女性の支持を受ける

いつか来る「子どもから放り出される日」

――女性の中には、ママになったことで、時間や行動に制限ができ「自分の人生を生きる」ということを諦めてしまっているという人も少なくありません。今回発売された『子育て後に「何もない私」にならない30のルール』は、そんな方にとってはドキリとするタイトルです。この本を書こうと思ったきっかけを教えてください。

この本を書いたきっかけは、「いい母、いい妻、良い娘なんて忘れちゃえ。そして、思い切り生きていいんだよ」というメッセージを伝えたかったからです。子どもと夫のために生きるというのは、とても美しい人生だと思います。でも、子どもはママのためには生きないので、50代くらいになるとママのほうが子どもから放り出されるんです。もちろん、子どもが自立していく過程で、お子さんがママを放り出せるくらいがちょうどいい。そのためには、ママが自分の人生を持っているというのがすごく重要です。

――「子どもから放り出される」というのは、育児に追われていると考えることのない視点ですが、未来に起こることなのですね。

そうです。自分が子どもの立場になって、70代、80代の親を見ていて思うのは、親が楽しく生きていてくれると、自分も好きなことができるという安心感があるということ。友人たちの多くは、親の介護について考えるタイミングが来ています。友人たちと親のことについて話をしていたときに、「親が自分たちの楽しみを持っていてくれるから、自分のやりたいことができる」と言っているのを聞いたときに、私たちが目指すべき人生って、まさしくそれだなと思いました。

――子どもから、「ママってなにもないんだな」と思われるって、考えると怖いことですね。

そうなんです。ママが、何もやりたいことがなくて、「どうしよう、どうしよう」と言いながら生きているのを見たらどう思うと思いますか? これはママだけの問題ではなくて、ママの代で変えないと、子どもも同じような人生を歩んでしまうんですよ。だから、今こそ変えるとき、変わるときなんです。「そう言われても、何をしたらいいかわからない」という人は、有償の仕事でもいいし、社会貢献でもいいので、自分を成長させるための仕事、活動、趣味……。なんでもいいので、子どもや家族以外の楽しみを持つことがすごく大事です。

自分の人生を生きることが幸せな人生

――育児をする日々の中で、ママたちは人生を楽しむという気持ちをつい忘れてしまいがちです。なぜか、母であること、妻であることばかりに支配されているような気がしている人も多いのではないでしょうか。

毎日が楽しくないと、「何のための人生なんだろう?」と思いませんか? 私たちは、苦しむために生まれてきたのではなくて、楽しむために、幸せになるために生まれてきたんです。そのためには、まず自分の人生を生きて、楽しむんです。そこに、子どもがいて、パートナーがいる。それこそが幸せな人生だと思います。だから子育てをしていることで、人生が辛くなってしまったら本末転倒です。

――確かに子育ては、大変なことは多いですが、辛いことばかりに目がいくのはよくないですよね。子どもや家族がいるからこそ得られる楽しさもたくさんあります。子育てが辛い……とならないためにできることはなんでしょうか。

子育てが楽しいと思えることがすごく重要。そのためには、まず、自分の人生を楽しくすることです。「そんなの無理!」と言うママもいると思います。でも、楽しくなるために使えるものは使い、頼れるものには頼ればいいんです。親や友達に頼ったり、一時保育を使ったり、方法はいろいろあります。「子育てがあるから諦めた」とか、「夫が協力してくれないから諦めた」とならないためにも、子どもを育てる責任はしっかり果たしつつ、どういう形でもいいので自分が楽しいと思える環境を確保することを意識してください。

自分が楽しいと思うために働くことが重要なら働いたらいいと思うし、それで子どもを預けることに罪悪感を持つことはないんです。ママに会えないさみしさはあるかもしれないけど、それよりも、ママが楽しければ子どもも楽しいんですよ。会えないさみしさを補って、あまりある楽しさや幸せを子どもに伝えることはできるんです。

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