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【犬山紙子×川村真木子】「社会に出ると性差を感じる」女性がもっと生きやすくなるには

カルチャー

 【犬山紙子×川村真木子】「社会に出ると性差を感じる」女性がもっと生きやすくなるには

2021.02.13

Instagramを中心に社会派コラムが大人気の川村真木子さんは、外資系金融業界で活躍するバリキャリ女子でもあります。そんな川村さんが「日本で生きていて感じる小さな違和感」についてゲストをお迎えして対談してもらう企画第3弾。今回はコラムニストをはじめ、さまざまな分野で活躍する犬山紙子さんをお迎えしています。
女性の生き方について対談してもらいました。経済格差、女性の地位、ジェンダーバイアスから、老後の生き方まで、鋭い切り口に定評のあるお二人が、本音満載でお届けします。

上に立ちたがらない女性、その理由は?

川村真木子さん(以下川村):犬山さんは情報番組でコメンテーターをされていますけど、テレビの世界って独特じゃないですか? 私も出演しないかってお話をいただくことがあるんですけど、まわりに相談してお断りしたんですよ。「編集で切りとられて、おもしろおかしく“怖いばばあキャラ”にされたりするだけだからやめておけ」って言われて。

犬山紙子さん(以下犬山):私もテレビに出始めのときは求められるキャラを演じなきゃいけないんだと思って、最初の頃は葛藤の日々でしたね。徐々に自分の意見を言ってもいいじゃんって思えるようになってきましたけど。ただ、テレビだけじゃなく、生活全般で女性が何かを主張すると「なんだこいつ」って思われてしまうというハードルがあると感じています。

これはデータで出ていることなんですが、男性が自分の待遇について主張するのと女性が主張するのとでは、圧倒的に女性のほうが悪印象にうつってしまう。というのは、『WORK DESIGN 行動経済学でジェンダー格差を克服する』という本に載っていて、それの受け売りなんですが。

今ここで私が主張すると、印象や評価が悪くなっちゃうのかなとか考えたりするじゃないですか、その仕事での評価って食べていくことに直結するので皆が皆そこで「いや、これはおかしいと思います!」とはなかなか言えないと思うんですよ。立場が弱ければ弱いほど言えない。それで何も言えなかった自分を責めて……。

私の場合は幸い、書きものだったり、コメンテーターだったり、現場が分散されていること、ある程度年齢を重ねたことで、ちょっとずつ意見を言えるようになりました。でもここ何年かで、かなりフラットに接してもらえるな、と思えるようにもなりました。

川村:ただ、多くの人は現場が限られていますよね、一つの会社に勤めていたり。

犬山:そうですね。一番怖いのはそれが「セクハラ」とか「パワハラ」とか、そういう被害が出ることです。プライベートや見た目のことで自虐に走らなきゃならないのも、女性の尊厳を傷つけています。でも声高に「やめてください」「おかしい」と言えないんですよね。そんな圧力に苦しんでいる方たちにまず言いたいのは、自分の意見を主張できなかったとしても、自分を責めないでほしいっていうことですね。

川村:自虐を求められたり、ハラスメントだったりっていうのはしたほうが悪いはずなのに、された側が「私にも隙があったのかな、自分が悪かったんじゃないか、あのとき笑っちゃったし」って自分を責める仕組みになってしまっているんですよね。

犬山:解決策でもなんでもないんですけど、まず緊急として自分の心を守るということを第一優先に動いてしてほしいと思いますね。自分を責めない、他者にSOSを求めるということですね。

これはまた本の受け売りなんですけど、ジェンダーバイアスで女の子の方が理系が苦手だっていうバイアスがありますよね。実はそんなことないんですよ。男女脳ってほぼ化学的に否定されているし、個人差の方が大きいといわれているにも関わらず、男女脳がまだあるかのようにマスコミも扱うから、女性は理系が苦手っていう印象がついてしまう。

子どもの頃からの、女の子はこれが苦手だよねとか、女の子はこれをするべきだよね、っていう誘導のせいで、もともと持っているポテンシャルを活かせられないというのはあると思いますね。

川村:共学だったら男の子が生徒会長で女の子は書記、みたいなイメージのことですよね。

犬山:そうそう、そのイメージありますよね(笑)

川村:だから社会人になっても、部長職を与えられるという場面でも「いやいや、私は副部長で」ってなったりするんですよ。

犬山:わかるー(笑)!

川村:そういう呪いみたいなものってあるんですよ、子どもの頃からの。政治にしても、大企業の組織の在り方にしても、女性の人数が少ないと話にならないですよね。管理職が全員男性で、女性枠で1人2人いたってマイノリティすぎて声も届かない。政治も北欧の国のように議員を男女半々にしてほしいし、企業の管理職もしっかり半々にしてもらって、ジェンダーの話はそこからやっとできると思います。

管理職や大臣の比率が男女半々、というのが普通の環境になれば「私は部長にはなりたくないです」「政治家になんかなれません」とかあまり思わなくなってくると思うんですよ。例えば同じ会社で、何歳か上に部長職をしている女性の先輩が数人いれば、自分もできると思える。今までおじさんたちがやっていたポジションをいきなりやれって言われるからビビるだけで。だからどの組織も意図的に女性の人数を増やしていくっていうことがひとつの解決策だとは思います。

実力って何!?

犬山:そういうときによく言われるのが「とりあえず女性を入れなきゃいけないから、実力のない女性でも管理職に上げているんだろう」って意見。

川村:私から言わせてもらうと、実力って何? って話なんですよ。

犬山:あはははは! そうですね、実力ってなに(笑)!

川村:おじさんたちが決めた、あなたたちが思う実力ってなんですか? って思うんですよ。特に大企業とか組織が大きいと色んなローテーションで仕事するわけだから、これは苦手だけどこれは得意ってあるんですよ、男性だって。直近3年間仕事できたかもしれないけれど、その前はそうでもなかったよね、ってあるはずです。入社以来ずっと十数年~数十年、圧倒的な成果を出し続けた人なんて会社に何人いるんですか。だから仕事できるとか、実力って何? って思うんですよ。

犬山:実力主義だ、成果主義だ、と言う前に、男性がそもそも出世しやすい環境が整っていたり下駄をはかされていることが多いことを知ってほしい。

川村:大学卒業したときって、男性と女性の成績は変わらなくて勉強面でまったく引けをとらないのに、社会に出た途端に男性陣がお互いをヘルプし合うから、そこで女性は蹴落とされてしまう。

犬山:実力がないって思いこまされる。本当におっしゃる通りで、実力って何? って話ですよ(笑)。環境がかなりでかいぞ!って思います。

人生100年時代。これからどう生きていく?

娘に映る姿を意識

犬山:私が娘に見せる後ろ姿としては、お母さんは働くのも趣味も楽しそうに生きていたなって思ってもらえたらいいですね。そのためには本当に自分が楽しんでないとバレるので、いかに自分を幸せにするか、という視点も大切だなと思うようになりました。

人生100年時代といわれているので、先は長い。みんな先のことが不安って言いますけど、その時々を楽しむしかないですよね。

大切なことはさっき言った「SOSを出せるようにしておく」ことだと思っています。そして、人の厚意を素直に受け取れるような心にしておく。そして誰かからSOSを出されたら一人で抱えずにプロに繋げるようにする、なんじゃないかなと思います。

川村:自分の老後への不安はあります?

犬山:私に関して言うとオタクなので二次元があればいいんです。漫画読んでおばあちゃんになっても二次元に恋をし続けて、二次元で楽しめる自信がありますね。オタク仲間の女子と友達でさえいられれば幸せだろうなって。そんなにお金かからずにめちゃくちゃ幸せになれる、超コスパいいんですよ(笑)。

川村:めっちゃうらやましいです、それ。コスパもいいし、他者に依存しなくていい自分と二次元で完結できるからそういう人めちゃくちゃうらやましい。私全然違うんですよね。自分一人でできる趣味もほとんどないし、他者とのかかわりの中で幸せを感じてきたタイプなんですよ。

犬山:それも最高じゃないですか。川村さん、コミュニケーション能力すごいから、たとえケガをして入院したとしても、看護師さんや先生と良い関係をすぐに気づいて、どんな場にいてもハッピーでいられる印象ですけどね。

 

対談第1回目:無意識で言う「私なんて」が実は自分の未来を悪くしている!?

 

犬山紙子さん、川村真木子さん プロフィール

犬山紙子さん

1981年大阪府生まれ。コラムニスト、イラストエッセイスト、コメンテーター。『負け美女 ルックスが仇になる』(マガジンハウス)でデビュー。著書に『アドバイスかと思ったら呪いだった。』(ポプラ文庫)、『女は笑顔で殴りあう マウンティング女子の実態』(瀧波ユカリとの共著 筑摩書房)、など多数。2017年に長女を出産。児童虐待をなくすための活動 #こどものいのちはこどものもの ボランティアチアームのメンバー。

川村 真木子さん

奈良県生まれ。一児の母。高校時代に渡米、UCバークレーを卒業する。卒業後、米投資銀行ゴールドマンサックスを経て米大手投資会社に転籍。4万人のフォロワーを抱える社会派インスタグラム@makikokawamura_が人気。

 

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