サポート体制を整えて
ガラケーは電話の延長線上にある機器ですが、スマホは電話機能があるものの、どちらかというとコンピューターの延長線上にある機器です。電話機になじみのあるシニアにとっては、全く別の使い方、新しい言葉など覚えることがたくさんあって、大きなストレスを抱えることになります。だからこそ、大切なのはサポート体制です。
シニア世代の親だけで契約から端末の設定、新しい使い方の把握などは難しく、デジタル機器に詳しかったり、新しいものに対する感度が高い人でないかぎり、厳しいかもしれません。
端末の設定などに関しては、契約した携帯会社の窓口でわからないことを聞いたり、キャリアによっては、シニア向けに訪問でのサポートをするオプション契約をつけられる場合があります。
とはいえ、アプリの設定や使い方で戸惑うことも多く、携帯会社では対応してくれない部分もあるので、親の近くで生活している場合は、ぜひ家族がサポートしてあげましょう。スマホの契約や端末の設定なども一緒にみてあげると安心です。遠方でなかなかそばにいられない場合は電話やテレビ電話などを使ってわからない部分を教えてあげてください。
最近では、自治体によってはシニア向けのスマホ講座を行っていることも多いので、どうしても家族が説明してあげられない場合は、こういったサービスを利用するのもいいかもしれません。
親子一緒の端末・同じ契約がおすすめ
親(シニア世代)がスマホを持つ場合、最初のうちはわからないことが頻発するはずです。そういったときに近くにすんでいれば、すぐに端末をみてあげて教えることができますが、遠方にいて電話などで対応する場合は、説明が難しくなってしまいます。そういうことを想定して、「親が持つスマホは自分の持っているものと同じ端末にするのがおすすめ」と鈴木さん。同じスマホであれば、自分もその端末をよく理解しているし、自分のスマホを触りながら簡単に説明することができます。携帯事業者との契約も同じプランにしてあげると、自分自身も把握がしやすく、トラブルも少なくすみます。
シニアがスマホデビューをするときは、気をつけておくべきことが数多くあります。一人でなんでもできる親であっても、家族がこれらの注意点を把握し、気を配ってくれることで心強い助けになります。ちょっとした困りごとやトラブルにも対応できるようにサポートしてあげてください。そして、スマホを便利に使って、家族でのコミュニケーションを円滑に豊かにしていきましょう。
今回教えてくれたのは…鈴木朋子さん
鈴木 朋子 さん
ITジャーナリスト・スマホ安全アドバイザー
メーカー系SIerのシステムエンジニアを経て、フリーライターに転身。SNSなどスマートフォンを主軸にしたIT関連記事を多く手がける。デジタルカルチャーを追い続け、スマホネイティブと呼ばれる10代のIT文化に詳しい。子どもの安全なIT活用をサポートする「スマホ安全アドバイザー」としても活動中。著作は『親が知らない子どものスマホ』(日経BP)、『親子で学ぶ スマホとネットを安心に使う本』(技術評論社)など、著書は監修を含め、20冊を超える。
「ホンマでっか!?TV」(フジテレビ)、「スッキリ!」(日本テレビ)、「ゴゴスマ」(CBCテレビ)、「ビーバップ!ハイヒール」(ABCテレビ)、「マサカメTV」(NHK総合)、などテレビ、ラジオ、新聞、雑誌などのメディアにも出演。
「親子で学ぶ スマホとネットを安心に使う本」
子どもにはじめてスマホを買い与える人は必見!
「親子で学ぶ スマホとネットを安心に使う本」
スマホやタブレットを使う子どもが増え、子どもがインターネットの悪影響を受けないか、ネット犯罪の被害にあわないか心配する親が増えています。本書は子どもが安全にインターネットを利用するために、親はどうすればよいかを実例を交えて解説します。気軽に読めるやさしいページ構成で、子どもが安全にインターネットを使うための方法を考えます。
「親が知らない子どものスマホ」
「親が知らない子どものスマホ」
入学前にSNSでつながる中高生。心の内はLINEの「ステメ」に書く。今はLINEで行われる「不幸の手紙」。「自画撮り被害」に潜むネットの闇。Instagramが新たないじめの温床に? “エアドロ痴漢”にご用心! 入学直前、夏休み、文化祭……危ないのはいつ? トラブルの「兆し」を見逃さない! 学校生活“要注意”イベントカレンダー付き。10代のスマホライフを理解するための用語収録。