怖がらないで、子どもにしっかり学ばせる
子どもがスマートフォンを持つと、家族間の連絡もスムーズになり、便利になることがいっぱいあります。口に出しては言いにくいこともメッセージでやりとりすることで円滑にコミュニケーションがとれて、親子の心の距離がグッと近く感じるようになることも。
また、世界中のあらゆる情報がすぐにわかるという環境はネットのなかった時代では考えられず、今や知りたい情報があっと言う間にわかり、さまざまな事が手のひらの中で完結できます。SNSなどでは普段の生活では知り合えない人や自分の周囲にはない意見など、広い世界に触れることができるのも魅力的です。そういったデバイスが身近にあるということは、子どもたちの秘めた可能性を育むきっかけにもなるかもしれません。
世界的に見てもIT技術を駆使する流れは止められませんし、むしろ日本はそういった流れに乗り遅れているという見方もあります。これからは日本もネットを利用した勉強(ICT教育)が進むことが予想され、子どもたちのスマホ所有もより身近になっていきます。
遅かれ、早かれ、子どもたちもスマホを持つことを考えると、不安がるばかりではなく、正しく安全に使えるように保護者が教育していく必要があるのです。
では「正しく安全にスマホを使うようになる」ために知っておかなければならないこととはなんなのでしょうか。
1 情報発信は慎重に!個人を特定されるものをWEBやSNSにアップしない
名前や住所を書いてないから大丈夫、は間違い!制服や背景に映る店の看板にも気をつけて
個人の意見や楽しい情報を共有できるSNS。しかし、そのスマホの向こう側にいるのは、仲のいい友人だけではありません。ネットが情報収集に便利なのは悪人たちにとっても同じ。不特定多数の人が、自分の発信した投稿、プロフィール、画像や動画を見ていることを忘れないようにしましょう。
顔写真を見て目をつけられたことを機に、さかのぼって投稿を詳しく調べられたら、学校や最寄り駅が簡単にわかり、待ち伏せ被害や最悪なケースだと性犯罪に及んでしまうケースも少なくありません。
投稿した文章だけでなく、画像にはさまざまな情報をたくさん散りばめられています。着ている制服で学校がわかってしまいますし、電信柱の住所、お店の看板、風景だけでもgoogleマップのストリートビューで簡単に特定されてしまいます。今はカメラの性能が高まり、瞳に映る風景やピースサインから指紋が判別されることもあるとか。直接、個人情報を書かなくても、過去の投稿や友人の投稿を組み合わせて考えれば、特定されてしまうこともあります。
投稿だけでなく、LINEなどで回ってきた学校の友人からのバトン(質問に回答していくリレー)も要注意。そういったバトンの情報から、アカウントを教えていたけれどリアルで友達ではない人によって、待ち伏せされる被害も多いと言われています。LINEは仲のいい友達しか読めないから安心してはいけません。友だち追加はもちろん、タイムラインの公開や非公開の設定も必ず確認してください。
リアルでない友達と会わない
SNSではさまざまな人に出会う可能性があります。
それがSNSの良さでもありますが、みんながみんないい人ではありません。SNSで趣味、好きな有名人など同じことで盛り上がれるファンと知り合えることもありますが、親しく交流をしていて「●●のチケットが手に入ったから一緒に行こう」などと誘われても、会ってはいけません。実際に会うと、SNSの写真とはまったく違う恐い人がいて、性犯罪に巻き込まれたということも。
趣味が同じで、いくら会話ががはずんでも、その人は善人とはかぎりません。最初から騙すつもりで、同じ趣味を装い、話を合わているのかもしれません。会ってみたいと思う子どもが事件やトラブルに巻き込まれるケースは年々増えていると言います。
旅行の投稿にも注意。「家に誰もいません」と発信していることに!? 「今、●●にいる」は危険!
日常の出来事や楽しい思い出を発信して、友人たちと共有したいと考える人は多いはず。しかし、「今、●●にいる」といったリアルタイムの居場所を発信するのは、待ち伏せ被害につながることも。さらに「家族で●●へ旅行中」といった内容も、「今、自宅には誰もいません!」 と公言しているようなもので、空き巣のターゲットになりやすくなります。さらに「一人で自宅にいる状況」が憶測できる書き込みも危険。送信する前に読み返す習慣を身に付け、取り返しのつかない事態を避けましょう。
どうしても友達に知らせたいなら、非公開のグループトークやSNSの非公開アカウントを活用をおすすめします。