「賃貸」を選ぶ場合のメリット・デメリット
上記のように、毎月の賃料によっては、マイホームよりも賃貸の方がお得になる場合もありますが、賃貸を選ぶ場合の注意点もいくつかあります。
【賃貸物件のメリット】
- 修繕費などが必要ない
- 引っ越しが気軽にできる(近所トラブルや収入の増減、子どもの教育環境など)
【賃貸物件のデメリット】
- 気軽に家賃の減額交渉ができないので、万が一収入が減った場合などに家計の急変に対応することが難しい
- 退職し、収入が減ってからも住居費がかかる
- 資産にはならない
また、相談者さんのお子さんの年齢から考えると、教育費が大きくかかるのはまだまだこれから。比較的教育費負担の少ない今のうちに賃料の高い住宅に引っ越してしまうことで、教育費の負担が本格化する頃に、住宅費と教育費の負担が大きくなりすぎてしまうことも考えられます。お引越しをするのであれば、将来の教育費負担を考慮した選択を心がけましょう。
「持ち家」を選ぶ場合のメリット・デメリット
【持ち家のメリット】
- 賃貸よりも安い場合がある
- 世帯主にいざということがあった際、団体信用生命保険に加入していることで住宅ローンの支払いがなくなる
- ローン完済後は住居費の支払いがなくなる
- 資産になる
【持ち家のデメリット】
- 建物&住宅設備を自分で修繕しなければならない
- 長期にわたりローンを支払い続けることになる
- 引っ越しが気軽にできない
「持ち家」の場合は購入時の年齢もポイント!
賃料によっては、賃貸よりも持ち家の方がお得になる場合もありますが、相談者さんの場合はご年齢が少し気になります。団体信用生命保険がある点や、万が一家計が急変した場合でも金融機関に相談し返済額の調整を行うことも可能になる点、将来資産として活用できる点では持ち家のメリットも考えられますが、現在38歳ということですから、35年ローンを組むと住宅ローンを完済するのは73歳。定年後も住宅ローンが残ってしまう懸念があります。
退職金が見込めないということですから、35年で住宅ローンを組んでおいて、定年時に繰り上げ返済をするというような計画も立てられません。できれば60歳、長くても65歳までには支払い終えることができるようにあらかじめ計画しておくと「老後の生活」を考えた場合に安心感があります。
しかし、ローンの期間を短くすれば、当然その分月々の返済額は上がることになります。賃貸の場合と同様に、お子さんの教育費が本格的にかかるようになるのはまだこれからと考えると、住宅ローンの返済額が大きくなりすぎるのはリスクになります。
教育費とのバランスが大切
賃貸にしても、持ち家にしても、相談者さんの年齢やご家族構成から考えると、住居費と教育費のバランスが最も大切になると感じます。
どちらを選ぶのかはご希望によりますが、教育費の負担が少ない現状の家計をもとにした住居費を想定するのではなく、教育費が本格的にかかるようになってからの家計でも、負担が大きくなりすぎない範囲で選択することをオススメします。