材料
- 全卵 4個
- グラニュー糖 120g
- 薄力粉 120g
- 牛乳 20g
- 無塩バター 20g
オーブンで170度=42分
※オーブンの機種や大きさによって焼き時間の変動がありますので微調整してみて下さい。
ポイント1:ボウルに油分や水分が残っていないか?
生地を泡立てるとき、使っているボウルに油分や水分が付着していると、気泡が作りにくくなったり、つぶれてしまったりするため、スポンジがキレイに膨らみません。洗剤でしっかり洗い、水滴が残らないようにしっかりと拭き取ってから作業していきましょう。
ポイント2:砂糖を控えめだと膨らまない原因に
1.きれいにしたボウルに常温に戻した卵とグラニュー糖を入れ、砂糖を溶かす程度に混ぜておきます。
グラニュー糖には、生地の保湿性を高めたり、液体の粘度をつけて安定させるなど、ふっくら仕上げるための大切な役割を果たしています。
グラニュー糖が少ないと、安定感がなく、バターの脂質や薄力粉などによって気泡がつぶれてしまうことにつながります。
グラニュー糖の量は卵に対してだいたい半分が適量です。
ポイント3:卵の温度を上げる
2.卵とグラニュー糖が混ざったら、60℃程度のお湯で湯せんしながら、混ぜましょう。
卵黄には油分が含まれており、気泡ができにくくなる原因になります。しかし、卵の温度が高くすることで、表面張力を低下させて、空気を抱え込みやすくすることがポイントになります。
卵は58度以上ぐらいから固まり始めるので、お湯の温度は60℃程度で始めて、卵の温度を35~40℃になるように卵の全体の温度を均一にして混ぜましょう。
卵液の温度が40℃になったら湯せんから外しましょう。
ポイント4:卵をしっかり泡立てる
3.湯せんから外した卵液を電動泡だて器の高速で7分間、そのあとに低速に切り替えて1分間、泡立てていきます。
まずは、高速設定でしっかりと泡立てましょう。目安は、生地を持ち上げて、落としたときに、生地の形が残るぐらいです。しかし、このまま焼いてしまうと、大きな気泡がスポンジ生地の中で大きな穴となってしまいます。きめ細やかなスポンジにするために、電動泡だて器の高速で泡立てたあとに、最後の1分は低速に切り替え、大きな気泡をつぶし、キメを整えていきましょう。生地を持ち上げて落としたときに、立体的に8の字が残るぐらいが目安です。
ポイント5:薄力粉を混ぜきる
4.前もって振るっておいた薄力粉を3回に分けて入れて混ぜていきます。
薄力粉には気泡の周囲をコーティングし、焼くときも気泡をキープし続ける役割があります。薄力粉の混ぜ方が不十分だとフワフワした高さのあるスポンジを作ることができません。しかし、混ぜすぎても気泡がつぶれてしまうので、最短でしっかり混ぜていくことが大切です。
ホイッパ―(泡だて器)とゴムベラの両方をうまく使い、少ない手数でムラなく混ぜていきましょう。
5.事前に湯せんで溶かし混ぜたバターと牛乳の入ったボウルにスプーン3杯分のスポンジ生地を入れてよく混ぜ合わせます。そのあとに、スポンジ生地の中に全部入れて、生地にきめ細やかなツヤが出るまですばやく混ぜましょう。
バターと牛乳を生地にそのまま直接入れてしまうと、バターの油分が気泡を潰してしまったり、うまく混ざり合わないことがあります。事前に少量の生地と前もって混ぜておくことで、それが防げます。
ポイント6:空気を抜きすぎない
6.生地ができたら、ケーキ型に生地を流していきましょう。
(クッキングシートを敷いた直径18cmの底が抜けるタイプのケーキ型を使用)
【注意点】
型に流し入れて、最後の方にボウルに残る生地は、気泡がすでにつぶれていることがあるので、型の端の方にいれると、焼いた後も高さが損なわれません。
7.焼く前に、3回くらいケーキ型を下に叩きつけて、大きな気泡を潰しましょう。
叩きつけ過ぎると、小さな気泡もつぶれて、ケーキが膨らまないので注意!
大きな気泡がどうしても潰れない場合はフォークなどを使って、軽くつぶして表面を慣らしてください。
8.170℃のオーブンで42分間焼きます。ラスト7分で手前と奥を回して入れ替えて焼きムラがないように調整しましょう。串さして生地がつかなかったらオーブンから取り出していきます。
焼きたてのスポンジ内部には膨張した空気と水蒸気が入っています。そのまま冷ましてしまうと、空気が抜けてしまい、水分によって、しぼんでしまいます。オーブンから出したらすぐに20~30cmの高さから落としてケーキ型ごと下に叩きつけましょう。衝撃で空気と水蒸気を逃がすことができます。
そのあとはすぐにケーキ型から外し、上下を入れ替えて冷ましておくと、水分量が均一になり、つぶれにくくなります。
ケーキクーラーの上に乗せて、表面が乾燥しないように固く絞ったキッチンペーパーなどを上からかぶせて、冷ましましょう。冷蔵庫で冷ましてしまうと、急激な温度変化によってしぼんでしまいます。
完成!
おうちでつくるスポンジケーキはどうしてもプロのフワフワスポンジに到底及ばないとあきらめていませんでしたか? 今回ご紹介した6つのポイントをしっかりおさえて作ることで、しぼまないスポンジケーキを作ることができます。このスポンジケーキにトライし、特別な日のデコレーションケーキを手作りしてみては?
今回教えてくれたのは、岩野上幸生さん
岩野上 幸生(いわのうえ こうせい)さん
1985年生まれ。長崎県出身。18歳から料理の修行を始め、24歳で独立。現在は東京で飲食店を複数手がける人気料理人となり、企業コンサルティングや料理の技術指導なども手掛け、マルチに活躍中。YouTubeチャンネルの「飲食店独立学校 /こうせい校長」では、さまざまな料理のテクニック、役立つ情報を発信している。