教えてくれたのは……坪田信貴さん
120万部超のベストセラー『学年ビリのギャルが1年で偏差値を40上げて慶應大学に現役合格した話(通称:ビリギャル)』の著者。『やりたいことが見つからない君へ』から自分の人生を自分らしく生きるためのヒントを見つけましょう。
『やりたいことが見つからない君へ』(小学館Youth Books)
著者:坪田 信貴
価格:990円(税込)
やりたいことがある人の方が珍しい
「やりたいことがわからない、これからどうしたらいいのか?」と頭を悩ませる日々を悶々と過ごすのは多くの中高生のあるあるかもしれません。やりたいことが早くから明確になっていることは、素敵なことで、目標がはっきりしている分、進むべき道を決定しやすいともいえます。しかし、やりたいことが明確になっているという人は、少数派でとても珍しい人なのではないでしょうか。
『やりたいことが見つからない君へ』の著者である、坪田信貴さんは「やりたいことがない人のほうが成功しやすい」といいます。中高生の段階でやりたいことがわからなくても大丈夫。自分がダメなんだと焦る必要はありません。
やりたいことのない人が成功しやすい2つの理由
1.将来の選択肢を増せる
「中学生や高校生の頃の知識や経験値は、正直言って多くはありません。大人に比べれば、圧倒的に限られたものです。人間は自分の知識や経験以外のことは考えられませんから、小さな世界のなかで『やりたいこと』を選ぶと、当然、選択肢は狭まってしまいます」(坪田さん)
人生の早い段階で自分のやりたいことを決めるということは、手持ちの選択肢が少なく、危険なギャンブルになりかねないとのこと。将来の選択肢が限られるだけでなく、新しいカードを作って、増やしていく方向へ意識が向かなくなってしまう恐れもあるのです。
「だからこそ、今やりたいことがない人も、今は自分の手持ちの選択肢を増やす期間だと考えてください。「自分には無理」と固定概念に縛られずに、いろんな知識や経験値を積み重ねていくことを大切にし、長期的な視点でものごとを捉えましょう」(坪田さん)
2.「人が求めていること」のほうが成功しやすい
「どんなに『これがやりたい!』『ここでやりたい!』という情熱があっても、ニーズがなければ、ビジネスは成り立ちません。自分がやりたいことをやるのは、ある意味で「エゴ」とも言えます。そこに皆がついてきてくれるとは限りません」(坪田さん)
しかし、やりたいことがある人を手伝ったり、賛同して一緒に何かをやるのであれば、そこには必ずニーズがあります。そうしている間にもいろいろな経験値が重なり、自分の世界が広がるはずです。
「早い段階で中途半端な夢を持つ人よりも『人が求めていること』や『世の中が必要としていることは何か』を考える人の方が、後々にずっと大きな可能性を持っているということです」(坪田さん)
やる気はどこからやってくる?
多くの人が「やりたいことが見つかれば、やる気が出てくるはず」と考えていますが、坪田さんは正反対だといいます。
・できる→勉強する→やる気が出る→やりたいことが見つかる
「まず、自分の目の前のことで成果を出すと、先生や親から褒められて、評価されるようになります。そうなると、そのイメージを自分で壊したくないと思うようになり、必死で頑張るようになります。すると、さらに成果が出ます。できる人は、そのようにして徐々に『自信を持つ自分』という人格を形成していきます。基本的に『自分は能力がある』という自信があるので、何かをやる際にも前向きに挑むことができます」(坪田さん)
こうした連鎖によって、大人になってからも学生時代の成果が仕事と結びつき、職業選択の機会が広がって、やりたいことも見つけやすくなるそう。
「若い時期に大切なのは、どんなことでもまずはやってみて、小さなことでもいいから『成長した』という体験を積み重ねていくことです」(坪田さん)
若いうちは、とにかく経験値と知識をつけていくことが、あとあとの人生に大きく影響してきます。この時期で広げた選択肢がいろんな局面で活かされるはずです。小さなことでもいいのでまずは、「できた」という体験を増やしていくことが大切。そうして育った「自信」や「やる気」が自分を大きく成長させてくれることでしょう。