孤独を感じている人へ。「私って結構幸せかも」と思えるようになる"ちょっとした習慣”とは

家族・人間関係

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2022.04.22

コロナ禍で日本では若男女を問わず「孤独」な人が増えているといいます。多くの人は孤独=不幸というイメージが刷り込まれているかもしれませんが、パートナーがいなくても、人付き合いが苦手でも、幸せな人は存在します。孤独を過度に恐れるのではなく、孤独であっても幸せになる方法に着目してみませんか? どうすれば「幸せな孤独」を実現できるのか、「幸福学博士」である前野隆司さんに、まずは「うけいれる」ことの大切さを教わります。

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教えてくれたのは……前野隆司さん

ヒューマンロボットインタラクション、認知心理学・脳科学、心の哲学・倫理学から、地域活性化、イノベーション教育学、創造学、幸福学まで幅広い分野で活躍する。最新著書に『幸せな孤独』(アスコム)など多数。

書影出典:www.amazon.co.jp

幸せな孤独』(アスコム)
価格:¥1,320

ありのままをうけいれる

ありのままを受け入れる出典:www.photo-ac.com

前野さんは、幸福学の観点から分析すると、「幸せな孤独」を実践している人は、3つの考え方のベクトルを備えていると考えています。それが、

うけいれる
ほめる
らくになる

という要素です。「うけいれるは自己受容、(自分を)ほめるは自尊心、らくになるは楽観性という要素に当たるのですが、あまり難しくとらえる必要はありません」(前野さん)。
孤独を不幸だと思っている人の多く は、「目の前のことに囚われる」「意識が自分にばかり向く」といった「悪い心のクセ」がついてしまっているせいで、孤独感を生み出しています。

「今置かれている状況は変わらなくても、心の状態や考え方が変われば、見える景色は変わります。あなたが幸せになれるかどうかは、感じ方次第なのです。特に、最初に身につけたいのが、今の自分を『うけいれる』こと。実現できれば 『幸せな孤独』はぐっと近づきます」と前野さん。

そこで、自分をうけいれるための5つのレッスンをご紹介します。

1:1日の終わりを「幸せ」で満たす

いいことを思い出す出典:www.photo-ac.com

1日を振り返り、その日にあったいい出来事や、うれしかったことを思い浮かべてから眠るようにしましょう。1日3~5個ぐらい出てくるのと理想ですが、無理ならば1日1個でもかまいません。「新作のスイーツがおいしかった」「お得に買い物ができた」「電車の乗り換えがうまくいった」などでOK。おいしいランチや好きな映画の予定など「明日の楽しみ」を考えることもおすすめ。

孤独感の強い人は良くないことや失敗したことなどが浮かんでくるかもしれませんが、そんな自分を否定する必要はなく、1つでもいいのでいい出来事を思い浮かべるように頑張ってみましょう。「まずは1日を振り返る習慣をつけることが重要です」と前野さん。1日の最後だけでもいい思い出で終わればOKです!

2:アルバムを見て幸せな時代にタイムスリップする

アルバムを見る出典:www.photo-ac.com

私たちの記憶の奥には、さまざまな思い出が眠っていて、懐かしい写真を眺めていると、当時の記憶や感情がよみがえってきます。こうした行為で自分自身の人生を客観視する行為を「メタ認知」と呼びます。人は目の前の悲しみや苦しみに囚われてしまい、自分を責めてしまいがちですが、そんなときにアルバムを見て、今までの人生を大きな視野で振り返ることが大切です。「自分も今まで頑張ってきた」「輝いていた時代もあった」ことを思い出し、自分を「うけいれる」ことができます。楽しかった記憶は変わらずあなたの背中を押してくれるはずです。

3:90日間自撮りを続ける

自撮り出典:www.photo-ac.com

自己肯定感が低い人ほど、自分の顔と向き合うのが苦手ではないでしょうか。そこでチャレンジしてほしいのが、90日間連続の自撮り(動画・静止画どちらでもOK)です。自撮りによって、自分の顔を見ることに慣れると、自分を認めることができるようになるそうです。デビュー当時は垢ぬけない芸能人も、時を重ねて自信に満ちた「いい顔」になっていくことがありますよね。自分の顔を見続けることは、自分に自信を持つ「うけいれる」ことになるとのこと。
最初は苦痛かもしれませんが、毎日続けていると、抵抗がなくなってきます。1日目に撮った写真と90日目に撮った写真の顔を見比べてみてください。自分の表情や雰囲気の変化に驚くことでしょう。これは、心の内側にも変化をもたらしていることの証です。

4:日々の暮らしの中に「幸せの青い鳥」を見つける

小さな幸せ出典:www.photo-ac.com

孤独に悩んでいるからといって「何ひとついいことがない」わけではありませんよね。小さな幸せなら、家の中にいても見つかるはずです。
自分は不幸だと思う人は、幸せのハードルが少し高すぎるのかもしれません。前野さんは「幸せは与えられるものではなく自分で見つけるものです」と言います。

  • おなかいっぱいご飯を食べることができた
  • 昼間に布団を干したら、ふかふかの布団になっていた
  • 天気が良かったから、3時間で洗濯物が乾いた
  • テレビをつけたら、好きなタレントが出ている番組だった など

あなたが喜びを感じたなら、それはすべて小さな幸せです。「見落としていた小さな幸運に気付けるようになると、『私って結構幸せかもしれない』と思える心のクセが身につきます」と前野さん。

5:3度の食事をマインドフルに変える

食事に集中出典:www.photo-ac.com

ネガティブなことばかりに意識をとられ、鈍ってしまった感覚を取り戻すレッスンとして前野さんがおすすめしてるのが、マインドフル・イーティングです。食べる瞑想とも言われ、簡単に言えば、食べる行為にしっかり意識を向けて、食べ物の匂いや風味、食感をじっくり楽しみながら食事をすること。テレビやスマホなどの「ながら食べ」は厳禁です! しっかり咀嚼し、飲み込んでから次の食べ物に手を伸ばしましょう。
いつもの食事を味わいながら時間をかけて楽しんでいくと、いつもと違う感覚に出会えるかもしれません。


孤独と言われる状況であっても、楽しく日々を過ごすことができれば、それは幸せで素晴らしい人生ですよね。そういうマインドになるためには、まず、自分を「うけいれる」ことが重要なんですね。今回ご紹介した5つの「うけいれる」レッスンを生活にぜひ取り入れてみましょう。生活の中で出会う小さな幸せに気付き、感じ取れるようになっていけば、ネガティブになったり、不幸せに感じることも少なくなるかもしれません。

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