教えてくれたのは
シャボン玉石けん株式会社 マーケティング部・郡山萌奈さん
1910年創業。1961年より合成洗剤の製造・販売を開始するも、安心・安全な製品をとの考えから、1974年に無添加石けんの製造・販売に切り替え。原料へのこだわりと手間ひまかけて丁寧に炊き上げる「ケン化法」を貫き、無添加石けんのパイオニアとして人と環境へのやさしさを伝え続けている。シャボン玉石けん株式会社オンラインショップ
食器洗い・掃除・洗濯に使える『粉の無添加せっけん』
――『粉の無添加せっけん』の特徴について教えてください。
『粉の無添加せっけん』は、香料、着色料、酸化防止剤、合成界面活性剤不使用の無添加石けんです。粉石けんの汚れ落ちを試しやすいサイズで知ってもらいたいと開発したもので、まず洗浄力が非常に高いことが特徴です。下の表にあるように、石けんは弱アルカリ性の洗浄剤で、油汚れ・皮脂汚れ・タンパク質汚れなど酸性の汚れに非常に強いという特徴があります。
また、洗濯や食器洗い、お風呂場の掃除にも使えるなど、多用途なところも特徴のひとつ。場所ごとにいろいろな洗浄剤を用意しなくても、これ1つあればさまざまな場面で活用できます。欧米には「スプリング・クリーニング」という習慣があるように、春は掃除にぴったりの季節ですので、ぜひお試しください。
使い方には、大きく分けて次の3つがあります。
- ふりかける
- 溶かす
- ゼリー状にする
スポンジにふりかけて食器洗いに使うのはもちろん、台所シンクにささっとふりかけてスポンジで洗えば飛び散った食べ物や油汚れがきれいに落ちます。また、バスタブ洗いにもおすすめ。皮脂アカがすっきり落ち、粉石けんの洗浄力の高さを実感していただけると思います。さらに、お湯に溶かしてエリ・ソデ汚れや、赤ちゃんのスタイなどのお洗濯にも使えます。
――いろいろな場面で使えるんですね!
とくにこの時期おすすめしたいのが、「ゼリー石けん」を使った掃除方法です。粉石けんとお湯を混ぜて3時間ほど置くと、ぷるぷる触感の「ゼリー石けん」ができます。これをエアコンフィルターや五徳に塗りつけて10〜20分ほどほったらかしにして水洗いすると、ガンコな汚れもするんと落ちるのです。
――『粉の無添加せっけん』の開発では、パッケージにもこだわったそうですね。
より環境にやさしいものを追求したいという想いから、『粉の無添加せっけん』では紙素材のパッケージを採用しています。プラスチックごみ削減をめざして取り組みましたが、完成まで本当に苦労しました。無添加石けんにこだわる当社では、保存料や防腐剤などは一切使用していません。そのため、商品の品質を担保するには、パッケージの質も非常に重要になります。品質を維持するために、紙パッケージの素材や形状などあらゆるパターンを試しました。
――とくにどんなことに苦労されたのでしょうか?
輸送時におけるシワや破れが大きな課題でした。新商品を開発するときは、実際に輸送時と同じ環境で「実輸送試験」を行い、商品に破損や傷がつかないかを確認しています。そのテストで試作品が何度も破れてしまって……。サンプルを作り直したり、詰め方を変更したりと、お客様の手元に綺麗な形でお届けできるよう何度もテストを重ねてようやく完成に至りました。
先日、SNSにて『プラゴミ削減を目指し、紙パッケージを採用しております。すこし丁寧に扱っていただけると嬉しいです』と発信したところ、とてもいい反響をいただきました。私たちメーカーだけでなく、商品を使うお客様もいっしょに環境について考えていただけて、とてもうれしかったです。
今回は、そのゼリー石けんのおすすめの使い方の中でも子どもの上履きの洗い方をご紹介します。
子どももできる! ゼリー石けんを使った「上履きの洗い方」
ゼリー石けんは、お子さまの上履き洗いにもおすすめです。上履き洗いでは、つま先の奥の汚れをとるのが大変ですよね。ゼリー石けんなら奥の汚れにも届きやすく、ガンコな汚れもしっかり絡めとります。塗りつけて10〜20分ほど置き、軽くブラシでこするだけでOK。プルプル触感が楽しいので、お子さまが自分で上履き洗いをするときにもぴったりですよ!
ゼリー石けんの作り方
- ボウルに粉石けん40〜50gを入れ、40〜50℃のぬるま湯500mlで溶かす。
- 常温で3時間ほどおく。手で混ぜて、かたまりがなくなればできあがり!
- 手順(2)で冷蔵庫に入れると1時間半ほどで完成します
- 作り置きはできません
- アルミ製品は変色するので、使用は避けてください
ゼリー石けんを使った上履きの洗い方
- ゼリー石けんを上履きの外側・内側に塗り、10〜20分ほどおく。
- ブラシで軽くこすり、水で洗い流す。
- すすぎは充分に行ってください。
- ゼリー石けんの作り置きはしないでください。
- 変色や変形、塗装のはがれ等のおそれがあるため、長時間のつけ置きはしないでください。
- ゼリー石けんは乾燥すると固着して取れにくくなるためご注意ください。
- ゼリー石けんの粘度が足りないと感じた場合は、かき混ぜて、さらに時間をおいてください。
- 荒れ性の方や長時間使用する場合はゴム手袋等をご使用ください。
石けんは、海や川に流れ出ると、短期間で大部分が水と二酸化炭素に分解されるという特徴があります。子どもといっしょに環境について考え、ピカピカの上履きで新しい1年のスタートを切れるといいですね!