通常の家事育児は、どっちがやっても同じことがほとんどです。
もちろん得意不得意や、丁寧さの違いなどはありますが、それはスキルや経験値の差であって夫婦の差ではありません。
「夫である自分」「父親である自分」がやった方が良いこと。
家事シェアをする上で、そうした自分ならではの役割を知っておくのは、自分の居場所を心地よくするうえでも大切です。
よく言われるのは、
力仕事
DIY(電球交換・電気機器関係)
運動系の育児
ですよね。saitaの読者ママの中にもこれらを夫に頼んでる方もいるかもしれません。
たとえばこれらはまとめて「ママが苦手なこと」「パパが得意なこと」と言えます。
こうした相手の苦手と得意を補完し合うのはとっても大事。
ですが、今回は「補完」じゃなくてぼくが12年の結婚生活の中で意識している「夫タスク」を3つまとめてみます。
夫の実家とのやり取りは、夫がやると早い
「実家からお米が届いたから、お礼のメールしておくね」
以前、ぼくの実家から荷物が届き、そのお礼の連絡をしたのですが。
「それ本当に助かる! ありがとう!」
と、妻からずいぶん感謝されました。
ぼくとしては「うん、ありがと」くらいを想像していたので、思いのほか感謝されてすこしびっくり。
たったこれだけのことですが、妻の話を聞いて「なるほど、これは確かに”夫タスク”だな」と思いました。
ぼくが実家に連絡をする場合は「荷物届いたよ。ありがとう」程度のLINEを返せば終わってしまいます。時間にして5秒ほどです。
でも、妻がぼくの実家に連絡をするとなると、そうはいきません。「荷物届きました。ありがとうございます」からはじまって、最近の娘の様子や家のことなどいくつか情報を加えて、2〜3往復のやり取りになることもあります。
ぼくが返事をした場合と比べて、何倍もの手間と気遣いが必要になるのです。
ぼくも妻も、お互いの両親とはかなり仲良しで一緒に遊びにいくのも大好き。それだけ関係ができあがっていても、やっぱり相手の親というのは気を使うものです。
妻からの連絡を一切断つ、というようなことじゃなく。
妻がコミュニケーションした方がいい場合じゃなければ、息子のぼくからやり取りをした方が効率的なことも多いと気が付きました。
中には「嫁である君が親とのやり取りをしてくれないと困る」なんて人もいるかもしれませんが。
そうした外面で生じる嫁タスクは、しんどいだろうなぁと想像します。
夫にしか言えない話を聞く
「話」というのは、とても「相手」を選びます。
人は、誰にでもなんでも話をするわけではありません。ぼくは、人と人が親密な関係でいる要素のひとつに「あなたにしか言えない話」があると思っています。
その話の深さが深いほど、関係は親密になり、お互いを必要だなと思うようになると思うのです。
「今日はいい天気だね」は誰とでも話せます。でも「今日、仕事でこんな嫌なことがあって」を忖度なしに話せる相手は限られます。また「娘が今日こんなことしてね」なんて話は、よほど面白い話でなければ他人に話しても「へー」って言われるだけです。
ともに暮らしていると、ともに子育てをしていると。
お互いにしか話せない話題が、自然と増えてきます。それを「聞く」というのは、夫にしかできない大事な夫タスクです。
わが家ではよく、「親バカ全開で娘の可愛い所をあげつらう会」を開きます(笑)
べつに、そんな名前がついているわけではありませんが、ぼくたち夫婦じゃないとわからないし、ちっとも楽しくもない親バカを、ふたりで全開にし合う。
これが、とても幸せな時間だったりします。
子どもからママには言えない話を聞く
先にも述べたように、「話」は「相手」を選びます。
これは子どもだって同じ。
ママにしか言いたくない話があれば、ママには言いたくない話だってあります。
ママには言いたくない話を、友達や先生にできるならいい。
けど、「ママには言いたくない話=誰にも言えない」になってしまうと、悩みや苦しさを独りで抱え込んでしまうことになるかもしれません(言えない話って、あんまり嬉しい話じゃないことがおおいですよね)
そんなとき、ちゃんと話し相手の候補として「パパ」が上がってくるかどうか。
これはとても大切だと思っています。もちろん「親」には言えないって話も、大きくなれば増えてくるでしょう。
でも、この話は「パパ」に聞いてみよう。そう思える関係性を、子どもとちゃんと築いておくことは、父親にしかできない大切な役割のひとつだと思っています。