代表作は「くらげ」に「ひつじ」??
こちらは企画デザイン2時代表の楢﨑友里さんが、「1日に3回も街で見かけたことがある。」という、加茂水族館と通販大手フェリシモとのコラボ商品「雨空を泳ぐクラゲの傘」。透明なビニール傘をクラゲに見立てた美しく楽しいこの作品は、フェリシモでプランナーとして活躍していた頃の作品。相棒の田中桃子さんは楢﨑さんのことを「とんでもない今までみたことのないようなアイデアを、オモシロかわいく商品に仕立てるのがうまい!」と、その才能に全幅の信頼を寄せています。田中さんの作品について、今度は楢﨑さんにお聞きすると「キャラクターデザインが得意なので、いつも愛情たっぷりに可愛いものを作り出してくれますね。」とのこと。その田中さんの代表作としてご紹介いただいたのがこちら!
「羊の毛刈りぬいぐるみ」です。バリカンの形をしたファスナーを引っ張ると、着ぐるみ…いえ、羊毛?がするりと脱げて、丸刈りの涼し気な羊ちゃんが現れます。「以前、羊が毛刈りをされているのを見て、その時のビフォーアフターで印象が全く変わってしまうのが面白くて!」というコメント通りの出来栄え!何度も逃せては着せ…いや、刈っては生やし、ですね…を繰り返してしまいそうです。偶然にも、今回「来場者が増えるような楽しい商品を」とオファーされた六甲山牧場で、田中さんは羊の毛刈りを目撃したのだとか。もしや、運命の赤い糸…ならぬ、運命の羊の毛糸?がつながっていたのかも…。
「企画デザイン2時」って?
楢﨑さん(写真左)と田中さん(写真右)はフェリシモの「ほぼほぼ同期」として商品企画のキャリアを積んだあと2020年に独立。たったふたりきりで会社を立ち上げました。フェリシモ在籍中、楢﨑さんは持ち前のひねりの効いたシャープな感覚で、田中さんは前職のステーショナリーデザイナーの腕を生かして、さまざまなヒット商品を連発!プランナーという仕事にやりがいを感じていた中で「違ったジャンルの商品の経験もしてみたい。」「修業みたいな気持ちで。」という思いで、もう1つ前に歩みを進める決意をしたそうです。
こちらは独立後の作品。いわゆるガチャガチャ、カプセルトイの商品「SNSタッチライト」。SNSでおなじみのあのマークを「物理的に押せる!」のが魅力なのだとか。うん…確かに押したい!
「もふもと」というネーミングでもわかるとおり、よしもと芸人4組のコンビがぬいぐるみに変身!メガネのふたり、いや2匹はあの兄弟かな?やっぱりあのコンビは牛よね、と大いに笑わせてもらいました。SNSでは芸人さんご本人たちにも大いにウケていました。
社訓「絶対に調子にのらない!」
独立して大変だったことを聞いてみても「すっごく大変だったことは、これといって…まだ…。」と、活動は順調に広がっている様子。唯一「ヤバい!」と慌てたのは「twitterを始めた当初、フォロワーが30人ほどで、なにを投稿しても、いいねが1つとか3つだった。」ときのみ。今ではフォロワーも3.5万人ほどになり、順調な活動ぶりがうかがえます。しかし、そんなななめ上をいく2時の社訓は「絶対に調子に乗らない」。聞けばふたりとも、なかなかの楽天家とのことで「初心を忘れないよう、自分で自分を律していかないと。」「誰も怒ってくれないし。」と、少し余計目に歯止めを効かせて、この表現になったのだとか。
オフでもなかよし
2時のおふたりは、オフでもなかよしで休日でもパン屋さん巡りをしたり、ケーキを焼いたりしているのだとか。そう言えばおいしそうなパンの画像がInstagramにありましたが、手作りだったとは!オンオフを問わずなかよしなふたりのお話を聞いていると「小さいとき、なかよしのお友だちと大人になってもずっと一緒に好きなことをやっていたい、と思ったことがあったなぁ。」と、記憶がよみがえりました。楢﨑さんと田中さんが出会ったのは、大人になってからのことだけど「きっと<女の子の憧れの職業>って2時のことだなぁ。」と、しみじみしてしまいました。
りんごにいもむし?ネズミになりきり?
次々と「こんなの見たことない!」ものを世に送り出している、楢﨑さんと田中さん。その感性はどんな風に育ってきたんだろう?と気になって「小さいときに好きだった遊び」について聞いてみると、楢﨑さんは「お父さんとお題を決めて、ふたりでそれぞれ絵を描くのが好きでした。ある時、りんごがお題の時、お父さんの絵にはいもむしがニョロッと出ていて、大笑いをしたりして。」と思い出話をしてくれました。
田中さんは「私はごっこ遊びですね。そのへんのボロ布を体に巻き付けたりしてネズミになりきって<おいしいチーズがあるぞ!><猫が来た!逃げろ!>とか言って、秘密基地に隠れる…とかをずっと友だちとやってました。」
…そんな2時の作品をまだまだご紹介!
SNSで見た!という方もいらっしゃるかも?な、キャベツを食べるウニのエコバッグ。丁寧にたたまなくても、キャベツだから、ちょっとしたこのシワがまたいいんです。こちらは発売前だそうですが、年内には手に入れるチャンスがやって来そう!…とのこと。
次に出てきたこの不思議な生き物は、兵庫県神戸市の新感覚の水族館「atoa(アトア)」とのコラボで誕生した「ハダカデバネズミ」。この子がお洋服を着て「着衣デバネズミ」になった…というストーリーまでついています。
2時の方向には、愛がある!
楢﨑さんと田中さんの生み出すモノたちの全てには、きちんと「生」に対する敬意が現れています。それは田中さんが六甲山牧場の監修のもとに作った羊さんの耳やひづめ、広島出身の楢﨑さんの作品である牡蠣のクッションを見ればわかります。もっと面白くて奇抜なグッズや、擬人化されてキュートになったぬいぐるみは世の中にたくさんあるけれど、きっと2時の作品がみんなのココロを捉えて離さないのは、他とは「愛情」のかけかたに差があるからだと実感しました。カワイイだけじゃなく、丁寧に作り込まれた作品を愛でていると、最強ユニットのおふたりが「ちょっと調子にのっちゃった」ら、どんな作品ができるのか…も、ちょっと見てみたくなりましたよね?(笑)今後の活躍がますます楽しみです!