ランドセルは何色がいい?“性別にとらわれない子育て”を考える

家族・人間関係

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2022.09.18

男の子だから黒、女の子だから赤。かつて主流となっていたランドセルの選び方も今はずいぶんと変わってきました。色とりどりのランドセルが並べられ、持ちたい色を選ぶ時代に。ランドセル以外にも、ジェンダーフリーの考えを子どもに伝える中で迷うときもあるのではないでしょうか。服の色について子どもが「何でもいい」と言ったときは?親の好みやイメージとは異なるおもちゃを欲しがったら?ジェンダーフリーと子育てについて考えていきます。

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色だけではない、無意識に潜んでいるジェンダーステレオタイプ。

服やおもちゃの色だけに「男の子だから~」「女の子なら~」などの固定観念があるわけではありません。

役割やタイプに関する考え方の中にもステレオタイプは潜んでいます。

性格:男性は自信があり積極的、女性は寛容で穏やかなタイプが望ましい。
役割:男性がお金を稼ぎ、女性は子育てや料理、洗濯など家事を担う。
職業:男性はパイロットや大工、女性は看護師やCAとして就業する。
容姿:男性は背が高く、短髪、筋肉質、女性は背が低く、長髪、細身が期待される。

働く夫を見る女性出典:stock.adobe.com

女性が家に入り男性が外で稼ぐ社会の在り方は少しずつ変化してきていますよね。
ですが、性格や容姿の固定イメージはまだまだ残っているように感じます。 

例えば……
男の子なんだから外で元気に遊んでほしい。
男の子は少しくらいぽっちゃりしてても大丈夫。
女の子だから髪を伸ばした方がかわいい。
女の子なのにやんちゃで強気な性格。

男の子だから許されること、女の子だからしてほしいこと。
「~らしさ」に合っていないと、違和感を感じるときもあるかもしれません。

イメージを持つのは悪いことではないですし、消さなければいけないものでもありません。
しかし我が子であっても、考えを押しつける・当てはめるのは避けたいところですよね。

枠にとらわれない子育てとは?

意思がはっきりしてきたら本人の選択についていく

成長につれて好きなもの・嫌なものが明確になり、早ければ2歳頃から自分の持ち物を選びたい子も。

女の子がブルー系、男の子がピンク系を選ぶと、「こっちの方が似合うんじゃない?」など声をかけてしまうときもあるかも。
たしかに、”親のセンスで選んだ方が子どものかわいらしさを活かせる”と感じたりもしますよね。

親の好みに合わせたものや、身につけるよりも、子どもがお気に入りの服を着てたくさん笑う瞬間も大切にしたいものです。

男女のきょうだい出典:stock.adobe.com

また、自分で決める機会を幼いときから経験すると、自分の考えや意志を自由に発言する力や、何が大切なのかを考えて決めていく力が育ちます。
与えられたものを受け入れてばかりいると、「どうしたい?」と聞かれたとき、何を言えばいいのかわからなくなってしまいます。

意思が育ち始めたら、子どもの選択ファーストでもよいかと思います。

親が社会のモデルとなる

セクシュアルの問題は社会で起きていること。
偏見や差別はないけど、”自分の子どもは生まれながらの性に沿ってほしい”と内心感じている方も多いかと思います。

ですが、子どもが一番初めに触れる社会は学校教育ではなく、親の教えです。
教科書となる必要まではありませんが、相手への接し方のモデルとなるのは大切。

「~なのに変」、「~なんだから、こうしなきゃ」と言われながら大きくなると、やがて友達に対しても「正しい-間違ってる」の軸で判断するようになります。
一方、型にはめられずに育った子は、幅広い個性をもった友達と仲良くなれるものです。

仲良く歩く子どもたち出典:stock.adobe.com

身近な存在から、お手本を示していけるといいですよね。

アイデンティティは自分で育てていく

ジェンダーフリーが広まる社会に抵抗を示す方の中には、「なんでもいいと言ったら、アイデンティティが養われなくなる」と考える方もいるようです。
しかし、性自認(自分をどんな性だと考えるか)や性指向(どんな性別を好きになるか)は人に作られるものではなく、自分で感じて意識していくもの。

導かれるのではなく、見守られる中で自分を見つけて大事にしていく力が身についていきます。

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著者

yuko

yuko

臨床心理士・公認心理師。現在は小児の総合医療センターと大学の心理教育相談センターにて勤務。児童期から思春期の子どもへのカウンセリングやプレイセラピー、子育てに悩む保護者の方への育児相談を専門にしています。色彩心理学やカラーコーディネートについても学んでおります。

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