「わが子はいつもひとり…。」引っ込み思案な子にできるフォローとは

家族・人間関係

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 「わが子はいつもひとり…。」引っ込み思案な子にできるフォローとは

2022.12.04

臨床心理士・公認心理師のyukoです。楽しく遊んでる友達を遠目からさみしそうに見ていたり、一人で隅っこでいじけているような様子だったり。内気で引っ込み思案な子を心配に思う親御さんは意外と多いと思います。「声かけなよ」と言ってももじもじしてしまい、ぽつんとしている姿を見ると、どこまで手を貸せばいいか迷うときもあるはずです。引っ込み思案な子に対するフォローについて、考えていきます。

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内気な子が抱えている様々な事情

輪に入りたくても入れない、何を話しているか気になるけど見ているだけ......
一言に引っ込み思案といってもいろんな気持ちが背景に隠れています。

  • 避けられたり失敗するのが怖い
  • 新しい場所に慣れるまで不安
  • 大人数が苦手
  • どう見られているか恥ずかしい
  • 何をしたらいいかわからない

ひとりでいる子出典:stock.adobe.com

親自身が社交的だったり、逆に社交性が少ないせいで損をした経験があると、子どもが輪に入れていないと心配になりますよね。
「なんで輪に入らないの?」と聞かれても、うまく答えられず、自分でも理由がわからない子がほとんど。

周囲の大人が、場所によっては楽しく遊べていたり、人数が少なければなじみやすかったりする「例外」を見つけていくのがカギになります。

引っ込み思案の子に試してほしいフォローと対処法

ボランティアなどに参加や習い事をする

ピアノや水泳など、技能の獲得を目的とした習い事も大切ですが、友達が作りやすい習い事を勧めるのもひとつ。
チームプレイで行う少年野球やサッカー、共通の話題で盛り上がりやすいeスポーツ、グループワークなどを行う英会話教室などがおすすめです。
まずは見学や体験に行き、雰囲気を見てみるのがよいと思います。

また、自然保護活動やチャリティー活動など、地域で行っているボランティア活動も有効。
同年代の子と仲良くするのが難しくても、少し年上のお兄さん・お姉さんと一緒であれば打ち解けやすい子も多いんです。

ボランティア活動出典:stock.adobe.com

親子で一緒に参加できるものもあるので、一度顔を出してみると新しい発見があるかもしれません。

ママ友やいとこから繋げる

子どものタイプと相性がよさそうな子のお母さんに声をかけたり、友人の子どもを紹介してもらうのもひとつの手です。
お母さん同士で仲良くしている姿を見ると、それがモデルとなり子ども同士でも遊びやすくなるんです。

また、親の目が近くにあることが安心材料に繋がる子も多いよう。
今はオンラインゲームなどでも繋がれるので、少々遠方に住んでいても、仲良くなることができます。

先生に、共通の趣味をもっている子を紹介してもらう

その場でなんとなく話せる子はいるけど、仲がいいといえる子はいない、席が近かった子と一緒にいるが、あまり気が合わない......
ひとりぼっちなわけではないけど、しっくりくる友達がおらず、学校が楽しくなくなってしまう子もいますよね。

自分から上手く友達を作れない子は、先生から気が合いそうな子を紹介してもらえると上手くいくときがあります。

友達出典:stock.adobe.com

グループを作るときに気にかけてくれたり、一緒に活動する機会を作ってくれるなど、配慮してくれる先生もいるので、一度相談してみるのもおすすめです。

友達作りに大切なのは「帰ってくる居場所」

内気な子でも、「失敗しても大丈夫」、「上手くいかなくても一人じゃない」と思えると、安心して外の世界に踏み出せるようになっていきます。
心の安全基地があると、知らない世界に対する不安が減り、社交性を伸ばしていけるんです。

親子出典:stock.adobe.com

また、ときには、一人でいるのを心配しすぎて声をかけすぎるよりも、子どもの遊びや本人なりの世界を見守る姿勢も大切。
一人で過ごす時間を大事にし、興味を突き詰めたり、感性を育てられるのも、ひとつの長所です。
本人の困り具合を見極めながら、サポートしていけるといいですよね。

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著者

yuko

yuko

臨床心理士・公認心理師。現在は小児の総合医療センターと大学の心理教育相談センターにて勤務。児童期から思春期の子どもへのカウンセリングやプレイセラピー、子育てに悩む保護者の方への育児相談を専門にしています。色彩心理学やカラーコーディネートについても学んでおります。

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