教えてくれたのは…澁谷梨絵(しぶやりえ)さん
5ツ星お米マイスター、雑穀エキスパート、ごはんソムリエ、薬膳インストラクター、雑穀マイスター、発酵食スペシャリスト、米粉マイスターの資格をもつお米のスペシャリストであり、米屋の澁谷梨絵さん。全国300か所以上の田んぼに通い詰め、厳選した米や雑穀を百貨店で販売。ごはんのお供に精通するほか、炊飯器レシピを考案。
『炊飯器で一発定食』(Gakken)
著者:澁谷梨絵
価格:1,430円(税込)
米は研がずに優しく泳がせる
澁谷さん:現在は昔と違い、精米技術が格段に上がっています。お米に残る米ぬかの量が少ないため、強く研いで米ぬかを落とすのではなく、優しく洗うだけで十分です。
お米を痛めないよう、水の中で優しく泳がせるようにして洗いましょう。そうすると、炊いたときに表面が滑らかになり、旨み層である「おねば」がしっかりと引き出されたおいしいご飯に仕上がります。
また、水が透明になるまでお米を洗うのは、洗いすぎ。お米のうまみまで洗い流して、味が落ちてしまいます。水を2~3回変えて洗い、水の色が乳白色になったくらいでOKです。こうすることで、米ぬかにしっかりとうまみ層が残り、おいしく炊き上がります。
古米は少しだけ念入りに洗って
澁谷さん:新米と古米の洗い方は、異なります。古米は「ぬか切れ」といって、米ぬかが残りやすく、さらに米ぬかが劣化した臭い(古米臭)が出てきます。
そこで、ぬかをしっかり落とすために、いつもより2回ほど多く洗うとよいでしょう。古米でも、香りのよいおいしいお米が楽しめます。
浸水時間は新米は長く、古米は短く
澁谷さん:新米時期ほどお米の皮がしっかりしていて、吸水に時間がかかるため、長めに浸水しましょう。目安は2時間くらいです。
古米になるにしたがって、皮が柔らかくなり、吸水が進みやすくなるので、浸水時間は短くてOK。30分ほどで十分です。
氷を入れて炊くと、うまみたっぷり
澁谷さん:米は冷たい水にしっかり浸水させてから、低い温度で炊き上げることで、甘みとうまみの酵素が引き出されます。そこでオススメなのが、氷を入れて炊くこと。新米も古米も、とってもおいしく炊き上がりますよ。
「お米は白くなるまで、しっかりと研がなければいけない」と思い込んでいた人も多いのではないでしょうか? 澁谷さんに教えてもらった方法で炊けば、お米のうまみを感じられるおいしいご飯になりますよ。