カナダは移民の国
カナダは移民の国なので、世界中からの移民が住んでいます。国によって文化が違い、もちろん挨拶の仕方も違うわけです。そのため、挨拶をするときは、できるだけその国の人に合った仕方でということを心がけています。
例えばハグ。カナダに長く住むと、日本人同士でも会ったときや別れ際にハグをするようになりますが、筆者は日本人で目上の人には、よっぽど親しくなるまでハグはしません。日本でいるときと同じく、会釈をして敬語で挨拶するようにしています。
英語圏でも挨拶や話すときのマナーには差があるようで、カナダでは病院に行ったときなど、医者もスタッフも患者のことをファーストネームで呼ぶのですが、高齢のイギリス人の知り合いは、「初対面なのにファーストネームで患者のことを呼ぶなんて失礼だ!」とご立腹でした。英語圏でも差があるのですから、それ以外の国から来た人は、挨拶の仕方も随分違うことは想像できますよね。
仲良くなったらハグ!
日本で仲のいい友達に会ってもハグすることはまずありませんが、カナダでは仲良くなった友達と出会ったときや別れ際にハグをします。長年カナダに住んでいる人は、日本人の友達同士でもハグをしています。コロナでしばらく敬遠されていたハグですが、最近はだいぶ復活していて、ハグすることでとても温かな気持ちになれるので筆者もハグが大好きです。
すっかり仲良くなった子どもの担任の先生とも、長期休み明けにはハグをして再会を喜べるところがカナダの好きなところです。カナダの習慣に慣れてしまって、子どもが一時帰国の際、日本の小学校に行ったとき友達に別れ際にハグをしようとしたら「ハグはやめてー!」と逃げ回られていましたが(笑)。
男の友達同士ではグータッチ(fist bump)をカジュアルな挨拶の代わりに使う人もいます。コロナなどの影響もあり、肌を接触させる挨拶は多少気を遣うところもありますが、それだけで温かくなれるハグは、素敵な挨拶の習慣だなと思います。
目上の人やビジネスの相手には?
よっぽど親しい人でない限り、目上の人やビジネスの相手にハグはしません。挨拶を交わしながらハグの代わりに基本は相手の目を見て、しっかりした握手を交わします。
日本人のようにお辞儀する習慣や日本語のように挨拶の敬語がたくさんあるわけではありませんが、「What's up?」のように友達同士で使うようなカジュアルすぎる挨拶は、失礼にあたります。時と場合をわきまえてマナーのよい挨拶を心がけたいものですね。
お店の人の挨拶は?
日本でお店に行くと、まず「いらっしゃいませ」と店員さんに迎えられますよね。こちらは、お店でも「Hi. How are you?」と言われることが多いです。フレンドリーな店員さんも多いので、「そのセーター素敵ね!」「今日は何してたの?」「今日は寒いですね」など、スモールトークと言われる雑談をしてくる人も多く、フレンドリーなので緊張もほぐれて楽しく買い物したり、食事をしたりすることができます。失礼のないカジュアルさもカナダのいいところではないでしょうか。
いかがでしたか? カナダ人は、道でもお店でもカジュアルに「Hi!」と声をかけてくる人が多いです。話す相手の距離も日本人と比べて近く、声も大きい人が多い印象を受けます。挨拶のスキンシップはありますが、キスをしたり顔を近づけたりという近すぎるものはないので、そういう面では日本人も抵抗が少ないのではないでしょうか。挨拶の仕方やマナーは国によって違えども、挨拶はコミュニケーションの基本。世界中どこにいても、気持ちよくあいさつすることを心がけたいものですね!