日本は接客が丁寧すぎる……⁉カナダの接客事情を聞いてみた!

カルチャー

stock.adobe.com

2023.01.09

日本で買い物に出かけてお店の人に質問をしたりお願いをすると、店員さんは全力で客の要望を満たしてくれようとしますよね。対するカナダは……? 今回はカナダの接客事情についてお話したいと思います。

広告

カナダではお客さまは神様ではない

店員イメージ出典:www.photo-ac.com

日本では「お客さまは神様です」というフレーズがあるくらい、客に丁寧に接します。お店で探している商品があれば全力で探してくれますね。他の店舗に問い合わせたり、取り寄せてくれたり、なければ客に謝るのがプロトコルでしょう。

カナダではバーコードで調べられるときは調べてくれますが、そうでないときは少し探して「ないです」と言われたり、「そこになければないよ」とあっさり一言。ないものは仕方がないという応対をされます。カナダではお客さまはただの客であり神様ではないので、日本のようにへり下った態度は取りません。

フレンドリーな店員は多いのですが、本当に友達的な感覚で話しかけてきます。接客中のおしゃべりも普通で、混んでいても店員同士で世間話をしていてなかなか順番が回ってこないこともあります。

客も言ったもん勝ちな部分がある

接客イメージ出典:pixabay.com

カナダの店員は日本のように客を神様のようには扱ってくれません。そのため、向こうにミスがあっても日本ほど真摯な対応はしてくれません。店側のミスに対してクレームがあり、それに対して何かをしてもらいたいときに、どこまでやってもらえるかは、客の粘り次第です。

例えば、以前オンラインで買い物をしたときのこと。
商品の発送通知が来てしばらくしてから、なぜか「オーダーがキャンセルされました」との通知を受け取りました。キャンセルした覚えがないので、店舗に行って確認すると、「それは機械のミスでもう商品は、発送中なのでそのメールは無視していい」と言われ、納得して帰りました。

しかし後日……オンラインで問い合わせていたカスタマーサービスからメールを受け取り、「機械のミスでオーダーがキャンセルされ、お金が既に返金されてしまったので、もう一度オーダーしなおすしかない」とのこと。

メール出典:stock.adobe.com

店舗で確認したのに結局品物は届かず、もう一度オーダーし直すことになりました。さらに欲しかった商品がそのときすでに売り切れていたので、「どうしてくれるんですか?」と聞くと「次のオンラインオーダーでお急ぎ便にしてあげる」と言われました。

「いつもそんな急いでいないのでお急ぎ便は不要です」というと、「なぜ? お急ぎ便は通常10ドルもかかるのよ!」と逆切れモード(笑)。「それでも要らないので、それ以外の方法で償ってもらえませんか?」というと、「では次のオンラインショッピングのときに5%オフで」と。「子どもを連れて店舗に足を運んだんだから5%では少ない」というと「じゃあ10%は?」というように、自分で交渉しないと、泣き寝入りで終わることになります。

言ったらやってもらえることもあるので、納得いくまで交渉する人もいれば、時間も労力もかかるので、諦める人もいます。商品だけでなく、以前引越し屋を頼んだときも、午後2時にくる予定だったのに午後5時まで来ず、さらに「5時からは夜の追加料金がかかります」と言われて目が点になったことも(笑)。「自分が遅れてきたにも関わらず、追加料金は取るとはどういうこと?」と思い、クレームをして結局払わずにすみましたが、日本人的にはこの対応はびっくりでした。

飲食の接客は態度次第でチップが変わる

ウェイターイメージ出典:pixabay.com

日本にもいろいろな人がいると思いますが、カナダの店員はものすごくフレンドリーな人からびっくりするくらい無愛想な人までさまざまです。ただしカナダにはチップの制度があるので、レストランなどではウェイターの態度があまりにもひどいと、客にチップを渋られてしまいます。チップだけでも結構な収入になるので、チップのために頑張って接客している人もたくさんいます。

見方を変えれば

接客イメージ出典:www.photo-ac.com

カナダに何年住んでいてもいろいろなサービスが遅かったり、店員の態度が悪かったりするので、イライラすることがたくさんありますが、逆に働く方の立場になって考えてみると、「仕事は仕事と割り切って、必要以上のことはしなくていいので気楽だろうなぁ」と思います。

日本では上司が会社に残っていると自分も帰れないという話をよく聞きますが、こちらは勤務時間が終わるとサッと帰っていきます。上司や同僚が残っていてもお構いなし。割り切っているので働く立場で考えれば、変なプレッシャーもなく、仕事がしやすいともいえます。また、店員が客に対して日本よりカジュアルに接してくれるので、親近感が沸き、友達みたいに話が弾むことも少なくありません。
 

いかがでしたか? 日本で育った筆者は、日本のカスタマーサービスに慣れていたし、自分が接客する立場だったら日本のようなサービスを提供したいと思いますが、見方を変えれば働く立場としては変なプレッシャーや気を遣うこともなく、ストレスも少ないのかもしれません。いつの間にかカナダ流の接客にも慣れて、昔ほどいちいち細かいことは気にならなくなりました。とはいえ、やはり日本に帰ってくるたびに、日本の接客は素晴らしいと感じます。こんな素晴らしいサービスが受けられる私たちは本当に幸せ者ですよ!

広告

著者

Shiko

Shiko

カナダ、バンクーバーと日本でやんちゃな息子達と旦那と一緒に暮らしています。 音楽、ヨガ、アウトドアが大好き! 歯科医師、ヨガインストラクターです。時々ジャズを歌っています。 Zoomヨガ教えてます。レッスンご希望の方はインスタからメッセージくださいね!@fumikokusuhara

気になるタグをチェック!

saitaとは
広告