教えてくれたのは……総合家電エンジニア 本多宏行さん
テックマークジャパン株式会社業務部クレームチームエキスパート
家電全般、住宅設備、パソコン、車などの延長保証の修理精査業務に携わっている。
多種多様な家電製品の幅広い専門知識が必要となる「総合家電エンジニア(正式資格名称:家電製品総合エンジニア)」資格を保持。
消費電力の大きいドライヤー。正しく使わないと危険!
ドライヤーは毎日使うからこそ、扱い方が適当になったり、お手入れを怠ったりしてしまいがちですよね。「ドライヤーは消費電力が大きいので、不備があると発火などの事故につながる危険もあるんですよ」と話すのは、総合家電エンジニアの本多宏行さん。
今回は本多さんに、ドライヤーを使う際にやりがちな、NG行動を教わります。ドライヤーを安全に使用し、長持ちさせるために、ぜひ参考にしてみてください。
NG行動1:温風のまま使い終える
ドライヤーを使うときは、髪が8割程度乾いたところで、冷風に切り替えるのがおすすめ。ドライヤー内部の放熱ができるため、ヒーターなどの精密部品をケアすることにつながります。また、冷風への切り替えは、髪のケアとしても効果的。キューティクルが閉じてツヤが出て、綺麗に仕上がります。
また、髪をとかさずにドライヤーをかけるのは、髪にとってよくありません。髪が絡まっているところに熱を当てると、想像以上のダメージを与えてしまいます。ブラシなどで髪をとかしてからドライヤーを使うようにしましょう。
NG行動2:電源コードをドライヤーに巻き付けて収納
使い終わったドライヤーに電源コードを巻き付けて収納するのは危険です。特に電源コードの付け根が極端に曲がっていると、最悪の場合、断線します。
ドライヤーの消費電力はとても大きいため、断線個所があるとショートして発火することも。取扱説明書に従って、正しく収納しましょう。
NG行動3:お手入れせずに使用を続ける
ドライヤーは空気を吸い込みながらヒーター部の発熱を利用して温風を吹き出します。その仕組みから、空気中の埃や飛散したヘアスプレーなどを吸い込んでしまうことは避けられません。
しかし、吹出口や吸込口に埃などが付着していると、内部の保護回路が機能してしまうことや、温風を出そうとしても冷風になってしまうことがあります。さらに、温風が異常に熱くなる場合も。従って、定期的なお手入れが必要です。
ドライヤーの正しいお手入れ法
ドライヤーをお手入れする際は、かならず電源スイッチをOFFにし、電源プラグをコンセントから抜きましょう。吸込口は吹出口より汚れる傾向にあります。表面に付着した埃などをやわらかい布で取り除きましょう。埃は掃除機を活用して吸い取るのも有効ですが、取扱説明書を確認のうえ、正しく行ってください。
飛散したヘアスプレーが大量に付着している場合は、台所用中性洗剤を水道水で希釈したものに、やわらかい布を浸して固く絞ってから拭き取ります。汚れがこびりついて取れにくい場合は、使い古しの歯ブラシなどで優しくこすってみましょう。
また、マイナスイオンなどを送り出す機能付きのドライヤーは、専用吹出口が設けられています。その部分のお手入れには、市販の綿棒を使用するのが一般的ですが、取扱説明書に従って正しく行いましょう。ドライヤーのお手入れの頻度は、2週間に一度くらいが目安ですが、これも取扱説明書に従って行うようにしてください。
ドライヤーは、気が付いたら吸い込み口や吹き出し口に埃がびっしり……なんてこともありますよね。正しいお手入れや使用法で、長く使いたいものですね。