教えてくれたのは……幸せ住空間セラピスト/家事効率化支援アドバイザー 古堅純子さん
幸せ住空間セラピスト/家事効率化支援アドバイザーの古堅純子さん。今まで5000軒以上のお宅の悩みを解消してきた片づけのプロ。物に囲まれてもすっきりと暮らす片付けの新常識、独自の古堅式メソッドを確立する。YouTube(週末ビフォーアフター)では、快適な住空間を構築するコツやノウハウを発信中。
『物に囲まれてすっきり暮らす~景色を変える片づけ』(大和書房)
著者:古堅純子
価格:1,650円(税込)
3つのラインを攻略すると収納がラクになる!
古堅式キッチン収納では、キッチンに3つのラインがあります。この3つのラインを攻略すると、家事効率が上がるキッチンになります。
キッチンの3つのラインとは?
・作業のライン:作業スペースを中心とした作業ライン。
・水のライン:シンクを中心とした水のライン。水のラインに冷蔵庫があるのが理想。
・火のライン:コンロを中心とした火のライン。
まずは自分のキッチンの特徴を理解することからスタート!
自分が使っているキッチンは、どのような特徴がありますか? 使い勝手がいいキッチンにするためには、キッチンの特徴を理解することが大切なんです。
〈把握したいキッチンの特徴〉
・作業スペースはしっかりありますか?
・レイアウトは変更が可能ですか?
・ゴールデンゾーンの収納はどのようなものがありますか?
これらのキッチンの特徴を理解するところからスタートしましょう。キッチンの特徴を理解せずに物を収納すると、片付かない原因になります。キッチンの特徴を活かした攻略法を考えていきましょう。
ゴールデンゾーンとは?
ゴールデンゾーンは使う立場の人から見て、使いやすい高さの収納場所をさしています。使う人の腰高から背の高さまでの範囲です。
今回ご紹介をするキッチンの5つの特徴
今回ご紹介をするキッチンは物は少ないのに、キッチンの上にいろいろ置いてありました。
このキッチンを、清潔で使いやすく、掃除がラクになるように改造します。使いやすくなると汚れたときにすぐ拭こうという気になり、お掃除もラクになります。今回ご紹介をするキッチンの特徴を5つお伝えします。
特徴1.コンロの後ろに冷蔵庫がある
コンロの後ろに冷蔵庫があるお宅でした。本来は水のラインにあるのが理想でしたが、構造上ここの場所にしか置けないので良しとしましょう。
特徴2.シンク下にゴミ箱がある
シンク下に、ゴミ箱を置いていました。この方法は何か食材を洗って、捨てるときも汚れなくていいですが、ざるや包丁、ボウルなど水を使う作業と関係する物を入れる場所を検討しなくてはいけません。
特徴3.つり戸棚がない
つり戸棚がなくて、腰下の収納が多いキッチンです。
特徴4.食洗機の上に引き出しがある
食洗機の上にある引き出しに、毎日使うカトラリーが入っていると、片付けをするときに開け閉めを繰り返し行うので不便です。
特徴5.通路幅が狭いキッチン
通路幅が狭いので、しゃがんで物を取りづらい状態です。
片付け・収納のコツ
では今回ご紹介をするキッチンを片付けていきましょう。
すでにお伝えした3つのラインを考えながら、キッチンを使いやすくしていきます。
1.作業のラインに収納するもの
作業ラインは作業スペースを中心としたラインです。作業スペース付近の引き出しにラップ類や台ふきん、鍋しき、計りなどがワンアクションで取れるように入れます。これで作業がしやすくなります。
食洗機で洗う食器類や箸などは、食洗機近くに収納するのがおすすめです。洗ったあとに片付けがしやすくなり、使い勝手がよくなります。食器類が多い場合は、毎日使うスタメンの食器だけでも、食洗機近くに収納しましょう。
2.水のラインに収納するもの
水のラインはシンクを中心としたラインです。ここにお湯やコーヒー、コーヒーカップ、スプーンなどがあると、コーヒーを飲むときに大きく動かなくてすみます。これが古堅式水のラインです。冷蔵庫近くにコーヒーカップやグラスなどを置いておくと、飲み物が飲みやすくなります。
また水のラインであるシンクの近くに、炊飯器や米びつを収納すると米を洗って炊く動作がラクにできます。さらに近くにお茶碗とお箸を収納すれば、すぐにご飯の準備ができます。
毎日サプリメントや漢方を飲む方は、水のラインに収納するとラクです。毎日飲むサプリメントや毎日使う食器類を水のラインにある引き出しにしまうことで、使い勝手がよくなります。
毎日使う包丁や手袋、排水口ネットなどは、シンク付近の引き出しの上段に入れます。下に収納するよりも、ワンアクションで取りやすくなります。
保存容器も水のラインにある棚に収納すると、使いやすくなります。たくさん容器が入ることが大事ではなくて、使いたいときにすぐ取って、食材を入れて、冷蔵庫に入れられるのが重要です。ですのであえて保存容器にはふたをして収納します。こうすればふたを探す必要がなく、さっと取り出して使えます。
〈保存容器が多くて収納できないときは?〉
下の方にある容器はふたを外して保存容器を重ねて収納をします。上の方に収納するものはふたをして、ワンアクションでいつでも使えるようにしているとすごく便利です。
3.火のラインに収納するもの
火のラインには、調味料を置きましょう。ほかにも菜箸やフライパンも収納すると、料理がしやすくなります。火のラインには火を使う作業と関係する鍋や調理器具などを収納すると、使い勝手が上がります。使いやすく収納してください。
収納する際の工夫
一つの場所にすべての持ち物が入るわけではない場合は、こんな工夫をして収納していきましょう。
食器はスタメンと2軍に分けて収納する
食器類は、2つの分類に分けて収納します。
・スタメン……お茶碗や食器類・カップなど日常的に使う食器類
・2軍の食器類……年に数回使う食器類・思い出の食器類
スタメンは、使い勝手のいい収納場所にしまってください。
1番上の引き出しに、毎日使うものを収納する
1番上の引き出しには、毎日使うスタメンの物を入れます。例えば、カトラリーや毎日使うお茶碗、台ふきんなどです。
しゃがなまいと取れない引き出しには、普段使わない物を入れると使い勝手がよくなります。例えば、花びんやホットプレートなどです。使う頻度はご家庭によって違いはありますが、頻度を分けて収納をすると使い勝手がよくなります。
気になる改造前と後のキッチン
改造前は、机やキッチンの周りに物が溢れていましたが……
改造後はテーブルやキッチンまわりに物を置かず、すっきりしました。
物の定位置を変えることで出し入れがラクになり、片付けやすく家事効率が上がるキッチンになります。ぜひ参考にしてください。
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※こちらの記事は元動画の提供者さまより許可を得て作成しております。