学校に行きたくなくなる子が多いGW明け。事前に知っておきたい「子どものSOSのサイン」とは

家族・人間関係

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2023.05.03

臨床心理士・公認心理師のyukoです。毎年、GWの長期休暇を過ごしたあと学校に行きたくなくなってしまう子は多いです。どうして行きたくなくなってしまうのか、また、そんな子が発しているSOSのサインとは。黄色信号をキャッチし、早めに対処する方法を考えて行きます。

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もくじ

黄色信号を見落とさないで
本当は学校が辛い…限界が来る前に気づいておきたい“SOSのサイン”
睡眠リズムをコントロールできなくなる
心が不安定になる
学校関連の話を避ける・逸らす

黄色信号を見落とさないで

1か月は頑張ろうという気持ちで4月はなんとか学校に通っていたものの、GWを終えたあとから学校に行くのが難しくなる子は多いです。
張っていた緊張の糸がぷつんと切れ、GWが明けても学校に気持ちを向けづらくなってしまうんですね。

事前に気づいておきたい子どもの黄色信号と、気づいたときの対処について考えていきます。

本当は学校が辛い…限界が来る前に気づいておきたい“SOSのサイン”

睡眠リズムをコントロールできなくなる

休み中、気が緩んで夜更かししたくなる気持ちはもっともですし、健康的ともいえます。
休みの期間であっても、「次の日学校がない日は0時まで、休みの日も9時までには起きようね」など、約束を作っておくのがおすすめです。

一方、自分でコントロールできないほどの乱れは要注意。
交渉しながら決めた約束を守れていればよいのですが、「眠れないから」と言って布団に入らなかったり、お昼まで起きてこない日が続いたら黄色信号かもしれません。

寝る子ども出典:stock.adobe.com

眠りにくいのはいつからか、途中で目が覚めてしまっていないか、寝る前に嫌なことを考えるときは?
など、聞ける範囲で尋ねてみてください。

話したくない様子だったら、「困ったときに話しやすい人はいる?」と聞いておくのがひとつです。
そして、「親に話したくない悩みも、1人で抱え込まず相談してね」というメッセージを伝えておけるとよいでしょう

心が不安定になる

女の子の場合、ホルモンバランスの乱れも関係してくるので見極めるのが難しいのですが、精神的な不安定さは思春期の様々な問題と絡んできます。

「精神的に不安定」と一言に言っても、見極めるのは意外と難しいもの。例えば、親と喧嘩したときに口をきかなくなったり、物にあたったりするのは不安定とはいえませんよね。

以下に、具体例を挙げてみます。

  • 以前は楽しめていたゲーム、好きだったおやつ、行きたがっていた場所を前にしても表情が冴えない。
  • 特定の理由がないのに、イライラして家族に八つ当たりしたり、部屋にこもってふさぎこんでいる、些細なことで涙を流す。
  • 人目を怖がる。外出を避けて家から出ようとしない。
  • 声をかけてもすぐに気づかず、ぼんやりしている。作業していても集中力がない。

遠くを見る不安な子ども出典:stock.adobe.com

このようなサインが見られたら、家族や先生、いつも近くで子どもを見てくれている人に相談してみるのが第一。
本人に対しては、悩みを無理に聞き出すのではなく、「いつもと違うけど、大丈夫?」と声をかけ、何か話してくれるまで見守るのも必要です。

学校関連の話を避ける・逸らす

学校の宿題や先生の話、給食についてなど、学校に関連する話題を避けたり逸らしたりする様子が見られたら、黄色信号といえます。

このサイン、当たり前に思えて意外と見落としやすいんです。
なぜなら、学年が上がっていくと、思春期や反抗期から、自身や友人の話をしなくなっていくから。
また元々口数が少ない子だと、ただ話さないだけなのか、話せないことがあるのか見分けにくいもの。

誰と仲がよいのか、どんなことを話しているのか、などの質問はプライベートを探られている感じがして口を閉ざしてしまいます。
なので、授業の内容や担任の先生、行事関係の話題をふってみるのがおすすめです。

親子出典:stock.adobe.com

そのような話題を避けていたら、機会を見て学校側に話を聞いてみたり、仲が良い友達のお母さんと情報共有してみるのもひとつ。
また、子ども本人に対しては、無理に話させようとするのではなく、落ち着いて聞けそうなときに「学校生活はどう?」「困っていることがあったら話してね」と伝えるのがよいかと思います。

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著者

yuko

yuko

臨床心理士・公認心理師。現在は小児の総合医療センターと大学の心理教育相談センターにて勤務。児童期から思春期の子どもへのカウンセリングやプレイセラピー、子育てに悩む保護者の方への育児相談を専門にしています。色彩心理学やカラーコーディネートについても学んでおります。

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