家族旅行で学校を休ませてもいい?注目の「ラーケーション」正しい意味と使い方を解説!

家族・人間関係

stock.adobe.com
 家族旅行で学校を休ませてもいい?注目の「ラーケーション」正しい意味と使い方を解説!

2023.04.04

臨床心理士・公認心理師のyukoです。コロナ禍で注目を集めた「ワ―ケーション」。リモートワークが浸透し、普段とは異なる場所でバケーションを楽しみながらワークする方が増えたようです。そして今注目を集めているのが、親子で利用する「ラーケーション」。ラーケーションとは一体どのようなものなのでしょうか。

広告

もくじ

ラーケーションとは
ラーケーションのメリット
ラーケーションの懸念点
今一度見直したい、休日の過ごし方
ものづくりを「体験」する
歴史やアートを「鑑賞」する
子ども主体で「計画」する

ラーケーションとは

ラーケーションとは、ラーニング(学習)とバケーション(休暇)を組み合わせた造語。
愛知県が2023年から公立の小中高・特別支援学校を対象に「年3日まで」のラーケーション制度を導入しました。

ラーケーションは、家族で相談の上事前に学校に申請すれば、欠席扱いとはなりません。
目的は、保護者との校外学習とされていますが、内容に制限はなくテーマパークや温泉旅行での取得も可能と思われます。

ラーケーションのメリット

第一には、親子で一緒に校外学習をし、子どもの経験を豊かにし、親子で充実した時間を共有できる点が挙げられると思います。

また、ラーケーションの導入には保護者の休み方改革に繋げる狙いもあるんです。
例えば、子どもが平日にラーケーションを取ることにより保護者が平日に有給を取得したり、土日に働く保護者が子どものラーケーションに合わせて休暇を取得するなど。

休日の親子出典:stock.adobe.com

コロナによる生活上の制限が緩和してきた今だからこそ、親子ともに充実した休暇を過ごしてほしいという期待があるようです。

ラーケーションの懸念点

まだスタートアップの段階なので、実際運用した際にどのような問題がでてくるかはわかりません。

ただ、ラーケーションが狙い通りに浸透した際、「ラーケーションを活用できない家庭」が浮き彫りになる可能性は考えられます。
例えば、経済的に余裕がなく子どもを遠方に連れて行けない。有給を平日に取れるような会社ではない。兄弟のどちらか一方が私立に通っているので、片方だけ休ませるのは気が引けるなど。

様々な立場・事情に配慮した教育も、より求められるようになってくるのではないでしょうか。

今一度見直したい、休日の過ごし方

共働き世帯だと、休日に溜まった家事をこなしたり、用事を済ませなければならない方も多いですよね。
そんな中、親子一緒にのんびりしたり、色んな経験を共有するのが難しい日も多いのでは。

しかし、子どもと一緒に様々な経験ができるのは小・中学校までと捉えておくのも重要な視点です。
ずっと続くと思ってしまいがちな子育ても、あっという間に卒業の時期がきます。

ラーケーションを活用してもしなくても、コロナが落ち着き始めた今だからこそ、休日の過ごし方に変化を加えてみてもよいかもしれません。

ものづくりを「体験」する

粘土を使った陶芸でも、端材を利用したDIYでも、休日のランチでも。
手を動かしてものを作る楽しさを味わうことで、ものの原料や材質、仕組みや工程への関心を高められます。
何より、完成したときの達成感は何にも代えがたい貴重な経験となります。

休日の親子出典:stock.adobe.com

親子で作業を振り返りながら、子どもの得意な点を褒めたり、仕事や職業について話してみたりするのもおすすめです。

歴史やアートを「鑑賞」する

美術作品を鑑賞する際、正しく理解しようとすると「勉強」になってしまいます。
歴史やアートを鑑賞する際に大切にしてほしいのは、「なんでだろう」という見方。

大人になると、心の中で自問自答しながら作品を味わえますが、子どもには「自問他答」が必要です。

「どうしてこれを描いたのかな」「何を伝えたかったんだろう」「どんな場所なんだろうね」

一緒に会話を重ねながら、子どもが感じたものを引き出していくのがおすすめです。

子ども主体で「計画」する

旅行や遠出の計画を立てるとき、親が主体で決めている家庭は多いと思います。
お金をかけて行く旅行のプランニングを子どもに任せられないですし、大人が地理や時間を考慮してスケジュールを立てた方が効率よく回れますよね。

ですがラーケーションや三連休では、近場の日帰り旅行や隣県の散策など、意外と行ったことない場所に足を運ぶのもおすすめです。
その際、この1日は子どもにとことん付き合おうと決めて、子どもと一緒に計画を練ってみてください。

休日の親子出典:stock.adobe.com

観光雑誌やサイトを見たら意外なところに興味を示したり、大人だと行かないようなところに注目するかもしれません。

子どもが希望した場所に、子どもが考えたタイムスケジュール・移動手段で行ってみると、今までにない新しい発見も多いかと思います。

広告

著者

yuko

yuko

臨床心理士・公認心理師。現在は小児の総合医療センターと大学の心理教育相談センターにて勤務。児童期から思春期の子どもへのカウンセリングやプレイセラピー、子育てに悩む保護者の方への育児相談を専門にしています。色彩心理学やカラーコーディネートについても学んでおります。

気になるタグをチェック!

saitaとは
広告