離婚が子どもに及ぼしやすい影響
離婚は家族の在り方を大きく変える出来事であり、子どもに様々な影響を及ぼします。
もちろん、離婚に至るまでの経過や期間、家族それぞれの性格に加え、子どもの年齢によっても離婚の受け止め方はそれぞれ。
今回は小学校高学年から中学生くらいの年齢を想定し、多くの方が受けやすい影響を考えていきます。
恋愛や結婚に対するイメージの変化
両親の不仲や親の不貞行為、暴力などは子どもの恋愛観に影響してくるもの。
ネットや本ではネガティブな影響の方が取り上げられやすいですが、必ずしもそうとは限りません。
夫婦関係のより現実的な側面を見ている分、慎重に相手を選べたり、時間をかけて関係性を築きやすくなる子もいます。
また、離婚は必ずしも「別れるー別れない」「一緒に暮らすー二度と会わない」という二極の選択だけではありません。
「両親はお別れしたけど親子関係は変わらない」「一緒には暮らさないけど大事に思っている」など、複雑な人間関係をのみこんでいく力も求められます。
もやもやしたり、親の都合による理不尽さを感じるときもあるかもしれませんが、曖昧で多様な関係性に共感できるようになる子も多いようです。
長い目で捉えたとき、一つの大切な経験として受け止めてくれるといいですよね。
自分の力では変えられない経験から感じる限界
子どもが離婚してほしくないと強く思っていた場合、状況を変えられなかったことに対する無力感や限界を感じるときもあります。
この気持ちはのちに、自分の力ではどうしようもない現実があるという認識に繋がっていきます。
より現実的で安定した生活を望むようになったり、他人に対する期待をしなくなる子、諦めが上手くなる子も多いんです。
極端にならず、人との距離感を見極めて適切に保っていけるようなサポートがあるとよいかもしれません。
金銭的な不安、将来に対する心配
離婚と切って切り離せないのがお金の問題。
もちろん一番に案じているのは親だと思いますが、子どもも不安や心配を抱かざるを得ません。
- 予定していた通りの進路に進んでよいのか。
- 希望している職種について話しても大丈夫か。
- 下の兄弟がいるが、自分ができる限り今後の進路に折り合いをつけていくべきなのか。
親の顔を見て空気を読める子の場合は、親にとって無理のない道を選び、知らず知らずのうちに我慢を重ねていく子も多いです。
子どもにお金の話をしにくいのはもっともですが、曖昧な「大丈夫」や「なんとかなる」ではなく、ある程度具体的に不安を払拭していけるとよいでしょう。
受け入れるまでの時間は親子それぞれ
親にとっては様々な過程を経た結果の離婚でも、子どもにとっては突然の出来事に感じるケースは多いです。
ときに、子どもが事実を飲み込むまでの時間、自身の気持ちを認識するまでの時間、想いを言葉にするまでの時間は、親が思うペースではないかもしれません。
「思っていることがあるならはっきり言いなさい」
「どうしたいのか、言ってくれないとわからない」
このような言葉が子どもにとって負担になるときもあります。
「いつでも大丈夫だから、心配になったり寂しくなったら教えてね」
「少し時間が経った後に色んな気持ちがでてくるかもしれないから話せそうなときに言ってくれたら嬉しいな」
くらい、余裕を持たせた声かけがあると安心するでしょう。
可能であれば直接、難しい場合は第三者の仲介を
状況が変わってもコミュニケーションの基盤がしっかりとあれば、親子の関係性はより強固なものになりえますよね。
可能であれば、親子の間で本音を話しあっていけるのが親子双方の支えとなっていくでしょう。
ですが、思春期の子にとっては、親本人にこそ言いづらい気持ちを抱いている子も多いもの。
親には言えない、誰に話してよいかわからずふさぎ込んでしまう前に相談先を確保しておくのが大切です。
一方で親自身も、子どもに勝手に話されたくない事情、親戚や友人に知られたくない家庭の問題もあるかもしれません。
そのような場合は、プライバシーが守られる、スクールカウンセラーや専門の相談機関に繋がっておくのもひとつ。
親に言いにくい悩みがあるのは当然であること、信頼できる人に自分の素直な気持ちを話しても大丈夫であることを伝えられると、安心に繋がるのではないでしょうか。